味噌汁の神秘① | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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唐突だが…
皆さんは味噌汁を毎日食べているだろうか?

私はYESだ。
外食では叶わないこともあるが、
味噌汁のない家メシなんてあり得ない。
和洋中、どんなオカズでも欠かせない。
シチューやカレーの時でさえそうだ。

私は味噌汁がないと不機嫌にまでなる、
自他共に認める味噌汁依存症…
いや、完全な味噌汁中毒者なのである。

あ、言っとくけど、
これは合法行為なので、
反社会勢力ではなく、
全国に約2000軒以上あるという
味噌蔵の資金源になるだけだ。


ということで、
今回は味噌汁のお話である…。

あ、ファッションブログのクセに
今度は味噌汁の話かよ!
と思われる方もいらっしゃるだろう。

しかし…
私が考えるファッションとは、
服だけに止まらず
ライフスタイル全般であり、
強いてはその人の考え方や
行動そのものなのだ ! ←  ピシャリ

フフフ…
こう言っとけば
何を書くにも制約がないのだ。

ま、私がいい歳しながら
毎回クダラナイことを書いてる元気の素は、
味噌のチカラではないかと私は思っている。

ファッションを楽しむには、
健康と元気が大前提であるから
すべては繋がっているのである。


さて…
当たり前だが味噌汁の原料は味噌だ。
味噌にはタンパク質やミネラルが豊富で、
コレステロールを低下させる物質も含まれ、
抗酸化能力も高まり老化を遅らせ、
ガンの発生率を低下させる。
さらに骨粗しょう症や胃腸の病気を予防し、
肝臓を健康にし二日酔いを改善、
また肌荒れや便秘にも効き、
最近ではダイエット効果も話題になっている。
実は塩分もそれほど多くはない。

こんなに優れた食品が他にあろうか。
まさに日本が誇る
奇跡のスーパースローフードだ。

昔、年配の釣り仲間から
“鰤の皮食うバカ! 鮭の皮食わぬバカ!”
という諺を聞いたことがあるが、
私からすれば、
“味噌汁を食わぬ大バカ者は
豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ!”
ということになる(何で?)


さて…
私が味噌のスゴさを再発見した
きっかけの一つは、
最近読んだこの本である。

「英国一家、日本を食べる」
  著:マイケル・ブース

ある英国人一家が、
日本の食文化を体験しながら
ウィットとユーモア満載で綴る
日本全国食べ歩き紀行である。

異文化の外国人からみた視点というものは、
その国の中で暮らす人々にとって、
とても新鮮な発見がある。

約140年も前の明治時代に
日本各地を探訪した英国人女性
イザベラ・バードが執筆した
「日本奥地紀行」
に匹敵する面白さである。

この「日本奥地紀行」の中に、
こんな記述がある。

『私はそれから奥地や蝦夷を1200マイルに渡って旅をしたが、まったく安全でなんの心配もなかった。世界中で日本ほど婦人が危険な目にもあわず、まったく安全に旅行できる国はないと信じている…』

などと絶賛する一方で、

『日本人は西洋の服装をすると、とても小さく見える。どの服も合わない。日本人の惨めな体格、凹んだ胸部、がに股足という国民的欠陥を一層ひどくさせるだけである…一般に日本人の姿を見て感じるのは、堕落しているという印象である…』

などと喝破している。

目一杯持ち上げておきながら、
一気に奈落の底に突き落とす…

何だろう?
この上から目線は…

西洋人特有のものなのだろうか?
それとも当時世界の覇権を握っていた
英国人特有のプライドの高さからだろうか?

しかし、約140年後に同じ英国人が書いた
「英国一家、日本を食べる」では、
相変わらず毒舌や皮肉に満ちてはいるが、
一貫して日本の食文化への
リスペクトが感じられる。
これは現在の英国の国力が
落ちたからだけではない。

健康指向に舵を切った欧米人は
日本人が思っている以上に、
日本の食文化の素晴らしさに気づき、
積極的に採り入れようとしている。
にもかかわらず、
当の日本人は逆に欧米化の一途である。
体質に合わないハズなのに…。


ところで…
日本の食文化が生んだ最大の功績は、
ダシと発酵食品の文化ではないだろうか。

特に発酵食品の代表格である
味噌、納豆、醤油、漬物、鰹節、酒などは、
昔から私の大好物ばかりだが、
それは単に味が好きなだけであって、
べつににその効能を知りながら
食べていたわけではないのだ。

私が発酵食品の持つポテンシャルの高さや
奥深さを知るきっかけとなったのは、
以前読んだこちらの小説である。

「にぎやかな天地」
  著:宮本輝

微生物の精妙な営みから生まれる発酵に、
人の生死や結びつきを重ね合わせ、
「命」の根源に迫る傑作小説である。

この小説に感銘を受けた当時の私は、
早速、my糠床をこしらえ
本格的な糠漬け作りに励んだのである。

1年後…
異様な臭いを発し挫折するまでの期間中、

『どう? これ旨いだろ?』

と無理矢理食わされた来客は、
さぞ困惑したことであろう…。


さて、話を味噌汁に戻そう(もう、いい?)

先述した
「英国人一家、日本を食べる」の中で、
アメリカのフードライター、
ハロルド・マギーの一文が引用されている。

『…味噌汁は、美味しいだけでなく見た目も美しい。できあがった味噌汁を椀に注ぐと、味噌の粒が分散して汁が均一に霞んで見える。けれども、そのまま数分間置いておくと、味噌の粒は椀の真ん中に集まって雲のようになり、少しずつ変わる。椀の中では対流が起きている。熱い液体が椀の底から上昇し、表面の蒸発によって冷めて濃縮され沈んでいき、椀の底で再び温まり、軽くなってまた上昇する。味噌汁は、夏の空に入道雲ができるのと同じプロセスを、食卓の上で再現している…』

まさに、味噌汁の神秘である。
そう…
味噌汁はお椀の中の小宇宙なのだ。

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さあ、食べたくなったでしょう?
でも、食べる前に
この曲を聴きながら椀の中を覗いてみてネ!

                        「The Beatles」
       “Across The Universe”

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メンズビギ横浜店  GM より


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