きっとこうなると思ってたんだよな…
隊長かぁ…
嗚呼、気が重いなぁ…
先日の休みの夜…
そろそろベッドに入って読書でもしよっか…
と思ったその時、
店長中西からのLINEに気づいた。
中西も、さぞや動揺していたに違いない。
もしかしたら、
敢えて私がいないタイミングを見計らって、
頼まれたら断れない性格の中西が
狙い打ちされた可能性もある…。
ここ数年…
我がメンズビギが入っている
マルイシティ横浜店は、
メーカーの直営店化が進み、
丸井の社員さんが激減している。
年に何回も行われる消防・防災訓練は、
それまで社員さんが中心となって
進められていたのである。
各フロアーには法令で定められた
自衛消防隊が組織されており、
もちろん我々もその中の一員で
各々役割分担がされている。
しかし、その隊長だけは長年の慣習で
丸井の社員が代々担ってきたのだ。
ところがここ最近、
丸井社員が運営するショップの退店が相次ぎ
社員に代わる隊長の後任人事が
俄に注目され始めていたのである…
って、
私の中でだけだけど…。
なんとなくイヤな予感がしていたのだ。
自分で言うのもなんだが、
社員さん以外の周りを見渡して、
年齢やキャリア、経験値などを考えると、
後任はやはり私しかいないのではないか…
いや、待てよ…。
だからといって、
『GMは信頼感や責任感が人一倍強く、
リーダーシップがあって二枚目だから…』
とは誰にも言われていない。
もしかしたら、
私の人相や風体、日頃の言動や
ただのエラそうな態度だけで
何となく決められた可能性も
あながち否定できない…。
しかし、こう見えて私は、
自意識過剰なクセに意外とシャイである。
あからさまな目立ちたがり屋ではない。
陰でコソコソと人気を集める方が好きだ。
子供の頃から
学校の教室だけでなく、
遠足や修学旅行のバスの席でも
必ず一番後ろに陣取って騒ぐタイプである。
一見、目立たない場所に身を置きながら、
実は誰よりも存在感をアピールしたい！
というメンドクサイ男なのだ。
こうした誰も理解できないような
矛盾を抱えてきた私には、
実際、こういうことがよくある。
初めて入ったお店や場所に再び訪れると、
必ず顔を覚えられているというものだ。
べつに目立つような行動や、
相手に印象付ける会話をしたわけではない。
普通なら大いに喜ぶべきことだろうが、
私にとってはＮＧである。
あからさまに目立っていた証しだからだ。
以前通院していた歯医者…
数回目の診察後、
受付の美しい女性に、
『いつもお洒落ですね！』
と言われた私は、
急に恥ずかしくなり、
それ以来その歯医者には行っていない…。
信じてほしい…
決してその女性に流し目を送ったり、
物欲しそうな目をしたわけではないことは
神に誓って言える。
また、昔から授業や講習では、
手を挙げたわけでも
目を合わせたわけでもないのに、
なぜか先生や講師からよく指された。
これはおそらく…
自分でも気づかないうちに、
“目立ちたくないけど
目立ちたいビーム光線” が、
私の全身から発散されているに違いない。
こんな私だから、
もしハイジャックや人質事件に遭遇したら、
真っ先に犠牲者になる確率が高いことを
日頃から覚悟している。
そういう意味で、
大声を張り上げながら陣頭指揮を執り
隊員に命令する隊長は、
どう見てもあからさまに目立ち過ぎだ…。
これは私の美学に反するのである。
しかし…
そんなことばかり言ってはいられない。
私は日頃からスタッフに、
コンセント周りやスプリンクラー周りの
整理整頓、及び避難通路や
消火設備のチェックを怠らないよう
防火防災の意識を高める訓示を垂れている…
エラそうに…。
そして、いざ！という時、
お客様を迅速かつ安全に避難誘導するのは、
我々の責務であるという訓示も垂れている…
もちろんエラそうに…。
そんな自分が隊長職に怖じ気づくのは、
いかにもカッコ悪いではないか…。
これも私の美学に反するのである。
誰かがやらなければならないことなのだ…
ということで、
私は隊長就任要請を承諾することにした。
これはもう開き直るどころか、
むしろ隊長を楽しむしかないのだ。
私は試しに“隊長”というコトバを
自分に向けてソッと口ずさんでみた。
隊長…
隊長…
隊長…
ＧＭ隊長！
なかなかいい響きだ。
気に入った！
なんだか次の訓練が楽しみになってきた…。
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隊長は隊長でも、こちらは奇才！
「キャプテン・ビーフハート」
“Frown Land”
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メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️
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