神保町リターンズ① | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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ファッションやカルチャー、ライフスタイル全般まで、
役立つものからどうでもいい話まで、
GM(ゼネラルマネージャー)独自の視点で綴るブログ。

誠にご無沙汰である。

最近、お店の公式ブログはともかく、
こっちのブログまで書く余裕がなかったのだ。

私の周辺では、
先月から俄に慌ただしくなり…
というのはホントで、
しかしよく考えると
一番の元凶はスマホの調子が悪かったのだ。

充電ができなくなったり…
電話が繋がらなくなったり…
触ってもいないのに再起動を繰り返すなど、
超怪奇現象が続いていた。

『GM、もう寿命ですよ!』
『GM、買い換えた方がいいですよ!』

などと、周りは勝手なことばかり言う。
そんなことは自分でも薄々気づいている。
しかし、ヒネクレ者の私はそう言われる度に
なんとか自分の祈りや念力で直そうと試みた。

『オレは他人とは違う…』

私にはナゼか子供の頃から
そんな根拠のない自信があった。
これは恐らく、
当時見たユリ・ゲラーの影響だろう。

困ったことにオヤジになった今でも、
時折そんな自信が顔を覗かせる…。

人智を超えた特殊能力を周りに見せつけ、
畏敬の念を集めようと躍起になったが、
やはり今回も無駄だった。

自分でも薄々気づいてはいたが、
やはり私はただのオヤジだったのである。


ということで、
無駄な抵抗を諦めた私は、
先週機種変更することを決意した。

“決意した”なんて書くと
大袈裟に聞こえるかもしれない。

しかし、すでにご承知の通り、
私は重症のアナログ人間だ。
この分野に関してだけは、

『オレは他人とは違う!』

とハッキリ自信をもって言えよう。

そんな私にとって、
携帯ショップは鬼門である。
店員の説明が何かの呪文のように聞こえ、
話の半分ぐらいしか理解できないのが常だ。

しかし、人一倍プライドが高く
何でも知ってる風を装いたい私は、
手汗をパンツの膝で拭いながら、
店員の勧めるオプションを

『ハイハイ、じゃあそれも…』

などと、まるで居酒屋で一品料理を
勧められた時のように
鷹揚に頷きながら契約していくのも常だ。
大抵いつも後悔している。

さらに私は、
普段は反りが合わない菅官房長官と
ここだけは見事に意見が合致し、

『現在の通信料金は高杉晋作!…
じゃなくて、高過ぎる!』

と日頃から思っている。

いつも買い換える度に、
料金が上がっているような気がするからだ。

数年単位で料金プランが変わる携帯各社…。
政府の意向に沿うよう、
表向き消費者に優しくなった印象があるが、
そこにはきっと落とし穴があるはずだ。

今回の私は徹底抗戦を決め込んだ。
いきなり携帯ショップに飛び込むことはせず事前にパンフレットを入手し、
2日間じっくり読み込むことにした。
特に下の方に書かれている小さい文字や
※印には細心の注意を払った。

いくつかの落とし穴を発見した私は、
自分が僅か短期間で一回り成長したような
錯覚を覚えたのである。
人前に出ても恥ずかしくない知識も習得した。これで店員と互角に渡り合える。


その日私は意を決し、
堂々と携帯ショップへ乗り込んだ。

どんなに勧められても
いらないオプションはハッキリ断り、
機種も料金プランもすでに決めている。
もう何も恐れることはないのだ。
ただし、たった一つの事を除けば…。

機種変更を申し出ると、
その店員は私の契約情報を調べ始めた。
すると店員は早速、
自宅のインターネット環境や
電気、固定電話のことを聞き始めた。

「かくかくしかじかで、こちらのプランの方が…」

ほら、きた!

想定内である。
私はやんわりと断った。

続いて料金プランの説明を始めた店員を
やんわり遮るように、

「こちらのプランでお願いします!」

と、私が毅然とした態度で言うと、

「あ、そうですか。分かりました…」

と、店員は意表を突かれたように答えた。

こうしたやり取りは、

『この客は、ITや法律にも詳しいプロだ…
一筋縄ではいかないぞ…』

と相手に思わせるのに充分だったに違いない。

私はなんだか楽しくなり、
思わずアメリカンジョークでも
飛ばしたい気分だった。

その後、契約はいつになくスムーズに進んだ。

あ、そうだ!
心に余裕が生まれた私は、
ついつい忘れてたことを思い出した。

今までいつもやってもらってたし、
別に大して難しいことではないのだろうが、
私には到底無理なことなので
一応確認しておこう。

「そういえばデータ移動なんかは、
そちらでやって頂けるんですよね?」

と尋ねた。

すると店員は、
一瞬キラッと目を輝かせ、

「いや、今は個人情報がうるさくて、
データ移動とかは全てお客様の方で
やって頂いてるんですよぉ…」

えっ⁉️

店員の説明が、
その日初めて呪文に聞こえた私は、
最初何を言ってるのか理解するまで
数秒かかった。

『データ移動は自分でやれ…だと?』

私は狼狽した。
と同時に、
店員と私の立場は明らかに逆転した。

このまま席を立って帰ろうかと思ったが、
そこの携帯ショップの“珍客笑い話”として
代々語り草になるのを恐れた私は、
グッと堪えた。

完全に劣勢に立たされた私は、

「それ、どうやればいいの?」

と、消え入るような声で尋ねた。

すると店員は、

「かくかくしかじかのアプリを入れて…」

などと、水を得た魚のように説明し始めた。

店員の最後の言葉が今でも忘れられない…

「大丈夫、簡単ですよ!」

私はトドメを刺された。

項垂れて携帯ショップを出た私は、
口の中がカラカラに渇いているのに気づき、
帰り道の途中にあるバーミヤンで
ハッピータイムの生ビール¥200を
一気に飲み干した。

アルコールのおかげで
少し気分が落ち着き帰宅した私は、
ここが正念場と
人生最大級の祈りと念力を振り絞り、
新しいスマホに対峙した。

妻のアドバイスに従い、
グーグルにログインしようとしたら、

なんと!エラーが!

本当の落とし穴がこんなとこにあったとは…

何度繰り返してもエラーは続く。
ユリ・ゲラーなんて嘘っぱちだ!

絶体絶命のピンチに立たされた私は…


あ、この話まだ続くんだけど、
もういいかな?
タイトルと違うし…


さて…
私は今、神保町のレトロ喫茶店で
この記事を書いている。
しかも新しいスマホで…


そう…
あの奈落の底に突き落とされた日から
すでに1週間以上が経った今、
私はなんとか精神的に立ち直り、
新しいスマホの基本操作を
使いこなせるようになったのだ。

すべては時間が解決してくれる…
やっと平穏な日常が戻ってきた私は、
前回の東京散歩・神保町編で心残りだった
レトロ喫茶店巡りを現在遂行中なのである。
古い男にも心が休まる場所がある…。

                                
                           次回へ続く…と思う。

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                       「Neil Young」
                “Old Man”
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メンズビギ  マルイシティ横浜店  GMより


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