タッグ・オブ・ウォー | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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さて今回は、世の中には
まだまだ私の知らない世界があるんだなぁ
ということをつくづく思い知らされた…
という話である。

なるほど。
「マツコの知らない世界」が面白いのは、
きっとこういうことなのか…


先日の寒い雨の日。
お休みだった私は、
昼間外出する気にもなれず
何げなくテレビのチャンネル回していた。
(あ、いまどきチャンネルは回さないか…)

そしてたまたま、
NHKのBS1に回したら、
(だから回さないって!)
目が釘付けになってしまったのである。

それは、今まさに
全日本綱引選手権大会 
女子決勝戦が行われるところであった❗


綱引きって、あの綱引き⁉
私は一瞬、ポカ~ンとしてしまった。

そう、
それは紛れもなく綱引きの試合だったのだ。
こんな大会があることさえ知らなかった。
しかもそれは、
全国の鍛え抜かれた精鋭チームが競う
ハイレベルな真剣勝負だという。

私は今までの人生の中で、
綱引きというものに対し
真剣に向き合ったことがない。
(皆さんもそうであって欲しい…)

綱引きなんて、小学校の運動会で
余興の種目ぐらいだと思っていた私の目には、大の大人が真剣に戦おうとする姿が
滑稽で奇異なものに映った。

最初は、村おこしの特集か
バラエティ番組の企画かと思ったぐらいだ。
やや、小バカにしていたと言っても
過言ではない。

しかし…
試合が始まった途端、
考えが変わった。

そこには人間対人間の壮絶な戦いがあった。
その迫力ったらない!
髪を振り乱し般若の形相で
必死に縄を引き寄せる姿は神々しくさえある。


おそらく平均年齢40歳を
とうに通り越したとみられる女性達が、
仰向けになりながら
床すれすれまで踏ん張っているのだ。
体勢が崩れても諦めない闘志!

試合は一進一退の白熱した攻防が続く。
文字通り手に汗握る緊張感と
得も言われぬ興奮が
私の体内を駆け巡る…

両チームそれぞれ8名で戦うこの試合。
気がつくと私は、
オレンジに黒のボーダーのユニフォームを
着た“ファンキーガールズ”(福井代表)を応援していた。

“ファンキーガールズ”だなんて、
名前がイカしてるじゃないか。

初めて観る本格的綱引は2セット制だ。
時間は無制限…とは言っても、
あっという間に決着することもあれば
実力が拮抗している場合は
膠着状態が続くこともあるだろう。
私が観た決勝戦は後者のパターンだった。


ところで…
後で調べて知ったことであるが、
近代オリンピックにおける綱引は
1920年のアントワープ大会まで
オリンピックの正式競技種目であった。
日本での競技人口は推定6万人。

現在でもオリンピック復帰を目指す、
古くから世界中で親しまれてきた
れっきとしたスポーツだったのである。

厳格な体重制によって
クラス分けされた綱引は、
高度なテクニック、パワー、体力に加え、
忍耐力など精神面での強さが重要となる
奥深い競技だったのだ。

こんなことも知らなかったなんて…


さて…
熱戦を繰り広げた女子決勝戦。
結果は私が応援した(数分前からだけど…)
ファンキーガールズの初優勝で
劇的な幕を閉じた。

しばらく放心状態が続いていた私に、
隣にいた妻が

「何で泣いてるの⁉」

と、不思議なものを見る目で言った。

ハッ❗と我に返った私の目には
不覚にも涙が浮かんでいたのである。

ついさっきまで、
何気なくチャンネルを回してた私が、
(だから回さないって!)
その僅か10分後には感動で涙を流す…
こんなことってあるのだろうか?

綱引きという
単純かつ原始的な競技の中に、
私は自分の人生を
重ね合わせていたのかもしれない。
まさに綱引きは人生そのものと言える。


いやぁ~、それにしても、
私の知らない興味深い世界って
まだまだあるもんである。
「GMの知らない世界」
これ、シリーズ化しよっかな・・・
ウソ。

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綱引きは英語で“タッグ・オブ・ウォー”
20世紀が生んだ偉大なアーティストも
人生の局面を示唆に富んだ詩で
綱引きに喩えている。

                   「Paul McCartney」
           “Tug of War”

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メンズビギ・マルイシティ横浜店  GMより

コチラも見てネ❗
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