定款(Article of Incorporation)と付属定款(By-Law) | 米国公認会計士のフィリピン税金や法律のあれこれ

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こんにちは、米国公認会計士の橋本です。

 

 今日は、会社設立時に必ず必要となる定款と付属定款についてお話したいと思います。

 

 フィリピンの会社法はアメリカの制度に近いものがあります。そのため、法人設立時には必ず定款(Article od Incorporation)の他、付属定款(By-Law)の作成が必要となります。(1人法人の場合は不要)

 

 定款に記載される内容は、会社名、本店所在場所、発起人の氏名、株式数と資本金、財務役の氏名と法人設立時の最低限会社の決め事が記載されます。それに対して付属定款では組織体制や会社の会計期間などについて決めていきます。付属定款で記載することのできる範囲はとても広く会社の自治による裁量が色濃く反映される内容でもありますので、一つ一つを慎重に決めていくこととなります。

 付属定款の主な記載事項は、株主総会開催の場所や日時、取締役会開催の場所や日時、定足数、代理人による投票の可否、役員の選任方法、任期、会計期間、委員会設置の有無などです。

 

 定款や付属定款で記載された内容は会社が順守しなければならない内容であり、社長や大株主だからと言って定款や付属定款に反する組織変更や資本金の増資、会計期間の変更は一切認められません。

 

 またこれらの変更を行う場合は、必ずSEC(証券取引委員会)の承認が必要となり、その手続きも煩雑で時間のかかるものとなります。

2019年2月に会社法が変更となり、会社の組織体制の在り方が変わってきておりますので、最新の会社法に即して法人を設立される場合は、過去の定款と付属定款はもはや参考程度にしかならないかもしれません。

 

 そして、フィリピンにおいて会社を設立する場合、或いは事業を開始する場合は、会社法以外に外資規制にも留意する必要があり、外国法人は内国法人と比べて、事業内容や資金金、役員構成などで制限が加えられることもございます。これらの制限項目をクリアして、SECに法人申請が承認されるまでが事業開始の第一段階と言えるでしょう。

 

 外資規制や会社法の規定をクリアして、法人としての要件が整っていると判断されますと、SECにより会社の存在を証明するCertificate of Registrationが発行されます。

 

 様々な規制をクリアし、時には投資奨励政策をうまく活用しながら少しでもフィリピンで有利に活動できる環境整備を整えるようにいたしましょう。

 

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