杉さんの昆虫観察記録20 ホシハラビロヘリカメムシ 夏は虫の恋の季節 | はし3の独り言

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 猛暑盛りの7月末、杉さんからホシハラビロヘリカメムシ(Homoeocerus unipunctatus)のカップルの写真が届きました。この昆虫は、背に一対の小さな黒い点があるのと、翅からはみ出すくらい腹部が広いことが特徴で、マメ科の植物の葉っぱを探すとよく見つかるそうです。

 

 

 

 左側の腹部がより幅広なのがメス、右側の細い方がオスであると思われます。

 

 この写真のように交尾器を接合させる昆虫では、交尾中は反対向きにつながるので、どうしても動きが緩慢になってしまいます。

 

 杉さんの観察によれば、メスが逃げだそうとしているのにオスは決して離れず、杉さんが執拗に何枚も何枚も写真を撮っても接合したままで、オスは引きずられるようにずっと行動を共にしていたという。

 

 ネット上でホシハラビロヘリカメムシの画像を探してみますと、交尾中のものがやたらに多く、要するに、杉さんが見つけた個体に限らず、ホシハラビロヘリカメムシは交尾の時間がとても長いのです。

 

 

 

 これでは天敵に見つかったときに逃げることができないから、生き残り、子孫を残すという目的に反するのではないかと思われるのですが、そんな心配をよそに、いつまでも、いつまでも、交尾しているホシハラビロヘリカメムシのカップル。不思議ですねえ。

 

 

 

 ところで、世の中には、一見すると自然の摂理に反する昆虫の行動に興味を持って、憑りつかれたように観察している人たちがいて、いろいろな解釈を試みています。

 

 その中のある人の言うには、ホシハラビロヘリカメムシのメスは交尾後も再び別のオスと交尾が可能で、もしもそうなったら、前に交尾したオスの精子はリジェクトされてしまうという。

 

 だからオスのホシハラビロヘリカメムシには、メスが浮気しないように、目的を達したあとでもこうして離れずにいる行動がみられるのだ、と。 

 

 

 

 「いやー、葉っぱから落ちそうになっているのに、ぜんぜん離れませんでしたよー。」、とは、杉さんの弁。

 

 虫も苦労してんな~、と、いうのが私の感想。

 

 

 

 ダーウィンが言っていることが正しいなら、昆虫の行動は、生殖に有利なように進化しているはずだから、オスがくっついて離れないのは間違いが起きないようにするためという解釈には説得力がありますね。でも、メスには迷惑な話なのかもしれません。