腕時計遍歴113 セイコーの復刻好き ーSBDC101とSBDX031ー | はし3の独り言

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腕時計に自転車、高校理科の話題が多いブログです。日常で印象に残った出来事も取り上げます。時間があって、気が向いた時しか更新できていませんが、ご愛顧よろしくお願いします。

 

 セイコーファーストダイバーが発売されたのは1965年のこと。日本は高度経済成長期のただ中にあって、5年間続くいざなぎ景気の始まる頃でした。

 

 日本に勢いがあった頃のセイコーの秀作で、南極越冬隊に使われたり、冒険家に愛用されたアドベンチャーウオッチなのです。ダイバーズウオッチというのは、なにも、海に潜るためだけに使われてきたわけではないのですね。

 

 セイコーのダイバーズウオッチは、過酷な環境に耐える腕時計として世界に認められ、普及していきます。「メイドインジャパン」の信頼性を支えた一級の製品の一つと言えるでしょう。

 

 そんな歴史を持ったファーストダイバーの復刻、SBDX019が発売されたのは2017年のことでした。限定生産の高級品で、予約の段階で売り切れ、店頭に並ばなかったという伝説を生みました。

 

 

 

 そもそも腕時計は身に着けるもので、愛着を持たれやすいのです。だから復刻ものには、きっと一定の需要があります。セイコーが自社の古い時計をオマージュした復刻物をヒストリカルコレクションとして次々と世に出すのはそのためでしょう。

 

 ただ、高級製品だけを作り続けると、偽物が出回る原因になります。かつてセイコーの古いダイバーズウオッチの偽物が山ほど出回りました。先ほども書きましたが、世界の市場には一定の需要があるのです。

 

 おそらく、気合の入った復刻ものを作りながら、同時に廉価版を世に出すのは、偽物防止の最善の一手でありましょう。高級品から普及品まで、多様な時計を作り続けてきたセイコーなら、偽物に負けないものを自分で作るのは簡単なはずです。これはロレックスには永遠にできない(というかやってはいけない)偽物防止策です。

  

 

 

 このSBDC101は、ファーストダイバーの復刻の廉価版と言うべき存在ですが、ファーストダイバーをリスペクトするというより、気に入った時計だったから購入したという印象です。

 

 とくかく、かっちょいいのであります。大きさも適正で、デザインも質感も秀逸。人気があるのもうなずけます。

 

 ムーブメントも6R35が使われていて性能も高いです(日差±2秒くらい)。チャコールグレーの放射文字盤にサテン仕上げが生み出す得も言われぬ美しさ。渋さと道具感もありますね。将来的に名作と呼ばれそうな予感がします。

 

 いやあ、とても気に入ってしまいました。

 

 と、特に、オリジナルにリスペクトがない場合は廉価版でいいのですが、ある場合は話が違ってきます。

 

 私は、植村直己モデルと呼ばれるセカンドダイバーだけは、復刻物でも高級であるSBDX031を手に入れました。

 

 

 

 質感、仕上げ、完成度、どれをとっても一級品。状態の良いオリジナルもいいけれども、もはや防水性もないし、維持費もかかりそう。やっぱり品質やメンテナンスの面から考えても、こっちかな。

 

 SBDX031は値段が高いのがネックと言われ、後に、廉価版が2種類出ています。自分は植村直己さんへのリスペクトの気持ちが強く、セカンドだけは妥協のない代物が欲しかったのでSBDX031を買ったことは後悔していません。人件費や制作費、限定品と言うことから考えれば、むしろお買い得なものだと思っています。

 

 廉価版だと、プロスペックスの「X」のロゴが文字盤に入ってしまうし、デザインも細かいところで変わってしまいます。

 

 セカンドダイバーの場合だと、それは興ざめで嫌なのです。