昨日、父の形見のセイコークォーツQR(3863-7000)をオーバーホールしてもらうために、村松時計店に行きました。
だから、この記事はオールドクォーツの話になるはずだったのに、またまたまた4代目のコレクションを拝見したので、それどころではなくなってしまいました。二度あることは三度あるのです。
「はし〇さん、いらっしゃい。先日、はし3のブログを読んで来てくれた人がいたんです。」、と、最近では、すっかりお馴染みのお客になったか、4代目は私を名前で呼んで迎えてくれるようになっていました。
オーバーホールのお願いを済ませると、4代目は、私が好きなのをしっているので、「あれから、こんな時計が入ったんですよ。」、と、語りかけてきました。それはきっと、ヴィンテージウオッチマニア垂涎の時計なのです。
営業中で他のお客さんもいるし、おねだりしたわけではないんですが、私としてもこれを楽しみにしているところがありまして、ありがたく拝見させてもらうことにしました。
↑今回見せて貰ったヴィンテージウオッチ
店のレジの隣に置かれた木製のコレクションケースには、値札のついていない逸品たちが収められています。4代目がそのケースの中から取り出してきたのは、経年変化によって文字盤が茶色に変色したトロピカルダイヤルDJ1600でした。
いやー。まさかトロピカルダイヤルをこの目で見れる時が来るとは・・・、村松時計店に来てほんとうによかった。そういえば、4代目はこの前、トロピカルが欲しいと言っていたような。
「ぜひ太陽の光をあててみてください。」、と、4代目に勧められるままに日なたに行くと、文字盤がくっきり色づきました。
4代目はこれで止まらず、次はオメガシーマスター2846を取り出してきて私に見せました。
なんでしょう、この文字盤のビジュアルは。うまい表現が見つかりませんが、これもトロピカルには違いありません。4代目の説明ではロレックスのミラーダイヤルとは違い、地金の真鍮の色が浮き出ているそうです。たしか、よく見に行く秋色コスモさんのブログでも、これと同じような変化を遂げたオメガを見ました。
さらに、時計全体のフォルムと調和しているライスブレスが良い。この頃のオメガの金属ブレスレットはほんとうに艶やかでしなやかです。このブレスレットだけでも所有するのに十分な魅力があると思いました。
ロレックスのトロピカルは、もはや手が出る代物ではありませんが、オメガならまだそこまで値上がりしていないので、探してみようかな。
この個体の珍しいのは、スモセコであることです。4代目の解説では、cal.491という希少なムーブメントを搭載しているそうです。1950年代に、ハーフローターから全回転両方向式、スモセコからセンターセコンドに移り変わる時代の名機になります。
4代目はさらに、コンステレーション2852を見せてくれました。上位機種であるコンステの文字盤がすごいことになっています。よく見ると、コンステのアイコンである文字盤の12角形もあります。シーマスターのアローヘッドインデックスといい、昔からのデザインが踏襲されて、伝統になっていることが分かります。
この文字盤は、これからどのように変化してくのでしょう。楽しみですね。
最後に、もう一度、スパイダー文字盤の1601を頼んで見せて頂きました。これは何度見ても秀逸です。
時間が作る造形の妙とはこのことでしょう。
「はし〇さんが、今度来るときには、きっと、□△〇◎×が入ってますよ(楽しみにしていてください)。」、と言った4代目の目がきらりと光ったように見えたのは気のせいだったか。
ヴィンテージウオッチの世界に足を踏み入れるのは怖いけど、困ったときに頼りになる時計屋さんがあるしなあ。どうしようかなあ。
今年は、私のコレクションの平均年齢が急に上がるかもしれません。