腕時計遍歴95 ブライトリング スーパーオーシャン A17360 その② | はし3の独り言

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腕時計に自転車、高校理科の話題が多いブログです。日常で印象に残った出来事も取り上げます。時間があって、気が向いた時しか更新できていませんが、ご愛顧よろしくお願いします。

 先月、ブライトリングのモンブリランを買おうとした私の前にしゃしゃり出てきて、私の心を奪った時計、ブライトリングスーパーオーシャンA17360。

 

 ブレスレットのコマの形状などから判断すると、この時計はだいたい2000年代初め頃の生まれですので、20年くらい前の時計です。

 

 

 

 お店のタイムグラファーで日差-10秒くらいと言われた割には、日差-5秒で働いています。古時計にしてこの精度は、なかなかのものだと思います。中身が気になって調べてみると、cal.B17というムーブメントが入っており、これはETA2824をベースにしたキャリバーになるようです。

 

 いきなり好きな人にしか伝わらない話をしてしまったので、知っている限りで説明すると、ブライトリングもオメガもIWCもチューダーも、以下略(多すぎる)、とにかく多くの有名ブランドでも、相当な割合で、エボーシュと呼ばれる半完成品の供給をムーブメントメーカーから受け、それを改造したり、あるいはそのままで載せたりしてきました。

 

 一貫して自社ムーブメントを使ってきたブランドのほうが珍しいのです。

 

 ETAとは、スイスの由緒正しいエボーシュを製造するムーブメントメーカーで、スウォッチグループに属しています。

 

 詳しいことは知りませんけど、「ETAにばかり頼っていたらスイスの時計工業の健全な発展が妨げられる」、などの理由で、一部のブランドを除いてETA製エボーシュの供給が停止されることが決まり、紆余曲折の末、ずるずる後ろに伸びたけれども、今年限りで完全停止になるそうです。

 

 1970年代のクォーツショックを乗り切るのに貢献したETAムーブメントですが、時代の流れですかね。きっと役割が変わろうとしているところです。

 

 ETAがエボーシュを供給してくれなくなるためか、最近は自社ムーブメントを載せる有名ブランドが多く、昨年購入したチューダーのブラックベイも自社ムーブメントを売りにしていました。

 

 ETAにしてみたら、優秀な製品を作っているのに、エタポンとか言われるのは気分が良くなかったのでしょうかね。エタポンというのは、ETAムーブメントをそのまま載せた時計のことをそういうらしいです。ちなみにセリタポンというのもあって、これは特許の切れたETAムーブメントを基にしたのをセリタと言うので、これをそのまま載せる場合に使われます。

 

 マニュファクチュールこそ尊いみたいな風潮もいかがかと思いますけど、各ブランドが競争原理が働く市場で自社ムーブメント開発を進めるのは良いことだと思います。

 

 とにかく、今回購入したスーパーオーシャンA17360は、ETAのエボーシュを使っているのですが、これがなかなか好みでして、ジージー言わないし、ローターの音はうるさくないし、マイナス精度とは言え、姿勢や気温に影響されないので、信頼感が持てます。

 

 巻き心地がチューダーブラックベイにそっくりなのが、ちょっと気になっているんですけど(おや?)、好みなのは確かです。

 

 

 

 気に入っている理由は他にもたくさんあって、とくに鉄の風合い、好みです。シブさがある。文字盤のデザインも好き。もう気に入ってしまって、最近はほぼスーパーオーシャンをつけています。

 

  

 

 何が良いって古いデザインのメタルブレスレットがいいんですよ。このコマの味わい。

 

 20年前でこんなに渋いなら、30年前、40年前に職人さんが心血注いでつくったブレスレットを手に取って眺めたら、いったいどうなってしまうのでしょう。

 

 この時計を手にしてからは、ヴィンテージウオッチの金属ブレスに目が行くようになってしまって、とくにIWCのマーク15(中期)のブレスや古いオメガのライスブレスの写真を見つめてうっとりしています。

 

 

 

 よく、ヴィンテージ好きの方がブログで、「枯れた感じ」、とか、「経年でしか出ない風合い」、といいながら、自慢のコレクションの写真を、ちらり、さらりと紹介していますが、それを見すぎたためなのか、とうとう私も影響されてしまったようです。

 

 たしかに現代デザインでは味わえないですよね。 そういえば、車も今のデザインが苦手だしなあ。

 

 

 

 以前にも古時計に興味を持ったことはありましたが、二回目の波は大きそうです。気を引き締めて余計な買い物をしないように気をつけないといけません。

 

 あと、この時計を手にしたお陰で、スイス時計のムーブメントについて考える機会になりました。