高校生物学習教材 酵素の性質と働き | はし3の独り言

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腕時計に自転車、高校理科の話題が多いブログです。日常で印象に残った出来事も取り上げます。時間があって、気が向いた時しか更新できていませんが、ご愛顧よろしくお願いします。

 ここ数日、理科の記事へのアクセスが増えているので、きっと自宅学習中の高校生がネットを使って調べ学習をしているのだろうなと想像しています。

 

 全国の高校生のみなさん頑張ってください。「酵素の性質とはたらき」の要点をまとめたプリントを載せておくので、良かったら読んでください。

 

 

 

 酵素の重要性を理解するには、まず、生命現象が代謝ということばでまとめられる一連の化学反応であることを受け入れましょう。

 

 

  酵素はタンパク質を主成分にしていて、多くはこれと補酵素(ビタミンと呼ばれるものが多い)が組み合わさることで働くようになっています。

 

 その働きというのは触媒(しょくばい)作用というもので、化学反応が始まるために必要な活性化エネルギーを低くするものです。

 

 「きぇ~!」みたいな気合が必要なことが、「はい」ってできちゃう感じです。

 

 要は酵素があれば反応が起きやすくなるわけで、普通なら始まらない化学反応が生きた細胞の中で円滑に進みます。

 

 酵素が働く様子は見ることできないので、その活躍の場面は酵素分子をパックマンみたいな模式図で表現して理解するのが一般的です。よくみかけるのをアレンジして描いたのでご覧ください。

 

 

 

  酵素がはたらく相手の物質を基質と呼んでおりまして、すべては酵素と基質が出会うことで話が始まります。

 

 

 あっ、合体しました。補酵素で噛みついてますね。じつは補うと書く割には補酵素のほうが触媒として働くために重要なのだそうです。だから、酵素に目をつけてキャラにして補酵素をあごにしたのは、べつにふざけているわけではありません。例えです、たとえ。

 

 ちなみに補酵素を酵素と基質が合体したものは、酵素基質複合体といいます。

 

 

 基質が分解された図です。どの教科書や参考書を見てもこんな感じで描いてあります。なんだか納得いかないんですけども、受け入れるしかありません。まぁ、他にいいイメージの仕方がないんでしょうね。酵素基質複合体が作られれば反応が触媒されると押さえておく部分です。あと、酵素は何度でも働くことを覚えておきましょう。

 

 

 酵素基質複合体が形成されるためには、補酵素とタンパク質で作られる形が、基質と結合できるくらい凹凸の関係で合っていないといけません。基質と結合する酵素側部分を活性部位といいます。ここもたとえ話で、基質と酵素の「カギと鍵穴の関係」、という怪しそうな言葉で表現する習わしです。

 

 

 カギと鍵穴の関係とはよく言ったものでして、一つの酵素は一種類の基質にしか働かないことを示しており、この性質を基質特異性と呼んでおります。

 

 この性質はとても大切で、細胞の中でたくさんの種類の基質が混じっていても、酵素が見境なしに酵素基質複合体を作ることはないので、特定の基質だけが触媒されて反応が起きるようになっています。

 

 この性質がないと、必要のない反応も進んでしまい、生物は生きていられません。

 

 言い換えますと、生命現象を支える化学反応の数だけ酵素の種類がないといけなくて、その総数は見つかっているだけでヒトで2000~3000、国際生化学連合酵素委員会と言う謎の組織の2017年の発表によると広い生物界では6000種類ほどです。

 

 このうち、よく問題集で問われる酵素の基質特異性の例には次のようなものがあります。

 

 (酵素・基質・生成物)の順で、(カタラーゼ・過酸化水素・水と酸素)、(アミラーゼ・デンプン・麦芽糖)、(リパーゼ・脂質・モノグリセリドと脂肪酸)、(ペプシン・タンパク質・ペプトン)。

 

 最初は訳が分からないと思いますけど、教科書などの模式図を受け入れて、頑張って覚えてください。