先週、ハワイのオアフ島で、職場の同僚が撮影したヤモリの写真です。
グリーンの鮮やかな体に朱色や水色の模様があるところがとても印象深い。一目で気に入り、写真を分けて頂きました。
調べてみると、ヒロオヒルヤモリという和名の種らしいです。幅の広い尾をした昼行性のヤモリということですね。
これが英名になると、Gold dust day geckoとなります。訳して、金粉をちりばめたような模様のある昼行性のヤモリです。
このヤモリにふさわしい名前を付けるとき、日本と英語圏の生物学者では、注目した形質が違うことが分かります。
ところで和名も英名もそれぞれの言語圏でしか使えません。
国際的に通用する名前には学名というものがありまして、ラテン語で、属名と小種名を組み合わせた二名法と呼ばれる書き方で記されます。これだと、Phelsuma laticauda フェルスマ ラティカウダと言います。
意味が気になるので調べてみると、フェルスマというのはヒルヤモリ属、ラティカウダというのはウミヘビを意味していていました。いったいどのあたりがウミヘビに似ているんでしょうかね。
ヒルヤモリ属というのは、文字通り、昼行性のヤモリの類を指します。明るい時間に活動する動物は、我々ヒトや鳥の仲間もそうなんですが、瞳孔が縮小するとき丸い形をしたままのもの多いそうです。なのでこのヤモリも、瞳孔が真ん丸で、目がつぶらで可愛いのです。
このヤモリは、同僚がスマホのカメラを向けたとき、偶然にもこちらを向いてくれました。目の周りが水色で縁取られ、まるでアイシャドウのよう。この写真は、角度によるものと思われますが。背中の朱色がハート型に見えなくもなく、縁起物として贈り物にできそうです。正面からの表情を捉えたヤモリの写真も珍しく、ナイスです。
熱帯の小動物は、どうしてこうカラフルなのでしょうね。
オヒロヒルヤモリはマダガスカル島が原産で、もともとハワイにはいなかったようですが、人為的に運ばれ、今ではハワイオアフ島ですっかりお馴染みのキャラクターになったようです。
つまりはハワイにとっては外来種で、決して好ましい存在ではないのでしょうけど、いまさらどうしようもないし、ハワイの生態系の一員となって居ついてしまったもようです。
本来とは異なる場所の生態系に組み込まれてしまった生物は、帰化生物と呼ばれます。