静岡県中部地方では、せっかくできたうまいラーメン屋がなぜかつぶれてしまうことがよくある。
これは多分、中部の物事に深くこだわらない気質のために、どんなに丹精込めて作った絶品のラーメンであっても、その価値が分からないからだ。
いや、分かったとしても、そこそこ美味しくて、駐車場が入りやすくて、何より漫画が置いてあるお店に入りがちだ。
まさに猫に小判。牛乳のメーカーによる味の違いの分かる人間が、中部に何人いるだろう。
真面目で良心的なお店に閑古鳥が鳴くのはそのためだ。正直言って、他に考えようがない。
かく言う私もそんな中部の生まれなのだが、ギャラリーささやまだけには繁盛して欲しいと願っている。
みなさん、本当においしいんですよ、ギャラリーささやま。
実は、今日もギャラリーささやまに行ってきたのだが、お客は私ただ一人。時計は12時20分を指していた。これで、4回連続で一人で昼食を食べたことになる。
私はなんだか悔しくて、ギャラリーささやまだけは生き残ってくれよと願わずにはいられなかった。
![はし3の独り言](https://stat.ameba.jp/user_images/20130403/23/hashiihashii/3c/de/j/o0640036012486670100.jpg?caw=800)
↑30人くらいの席があるのに、いつもお客は私ただ一人
そう、ギャラリーささやまを支えなければ…という一心でお店に入った私は、何かいいところがあったらブログで記事にして、行ってみたいという人を一人でも増やそうと張り切っていたのだ。
さて、何を食べよう。すでに、うどんとラーメンは食べたから、今日はスパゲティにしようかな。
店主の笹山さんにスパゲティを食べたいことを伝えると、「カニとトマトクリーム」が美味しいというので、それを注文。待っている間は、店内の油絵を鑑賞した。
しばらくすると、アゴダシのスープがでてきた。アゴダシとはトビウオから取ったダシで、五島うどんのスープになっているものだ。
↑アゴダシのスープ コーヒーカップに入っている
スパゲティの前菜にスープをということなら、普通コンソメスープなどが出てきても良さそうなのだが、そこはさすがに五島列島の味にこだわったギャラリーささやま、アゴダシのスープの登場だ。
これが味わい深くて癖になるくらい美味しい。
そしてカニとトマトクリーム・スパゲティができてきた。
ラーメンの時も麺が五島うどんだったので驚きはしなかったけれど、やっぱりスパゲティの麺は五島うどんだった(だからこれはスパゲティじゃない気がする)。
さっきアゴダシのスープを飲んだから、きっとお腹の中ではうどんを頼んで食べたのと同じになるだろうな。
でも、一口食べたとたんに麺の種類なんてどうでも良くなった。これからはイタリア人も五島うどんでスパゲティを作るべきだ思った。そのくらい美味しかった。
カニとトマトクリームがまた、ダシに何を使っているのか分からないけど、奥深い味で、いやあ、本当に、文章で味を伝えることができなくて残念だ。
正直な話なんだけれども、私は店を出たあとも、一時間くらいその味を引きずっていた。
私が美味しそうにスパゲティ(五島うどん)を食べているのを見て、店主のささやまさんが喜び、おまけでおでんを出してくれた。
いやあ、ささやまさん、やられました。参った。美味しかった。感動した。
これはまた頼んで食べます。
ギャラリーささやまを出るときに思うことは、私ももう胃袋が小さくなっていて、一度に、うどんと、ラーメンと、スパゲティを食べられないのが残念だということだ(いずれも麺は五島うどんですが)。
ぜひまた行こう。そしてギャラリーささやまを微力ながら支えるのだ。
これを読んで、行ってくれる人がいたらとても嬉しい。