「ギャラリーささやま」には、店主の笹山さんが描いた油絵が飾ってある。笹山さんは、うどん屋店主にして芸術家なのである。
どの絵も個性的で表現力豊かなタッチで描かれていておもしろい。
芸術家という人は、みな、そうなのかも知れないが、笹山さんも自分の中にちゃんと中心を持っていて、お店の雰囲気には揺るがない独特の価値観を感じることができる。
油絵なのだから、並の画廊喫茶なら洋食が出てくるところだが、「ギャラリーささやま」では「五島うどん」が出てくる。
それは、笹山さんが長崎県の五島列島出身だからだ。
五島列島には、幻のうどんと呼ばれる「五島うどん」という独特の味わいのうどんがあって、笹山さんは故郷の味を紹介してくれているのだ。
静岡県にいながら五島列島の名物が味わえるとは、贅沢だと言える。
先日はスタンダードな「地獄炊きうどん」を食べたので、今日はラーメンにした。店主の薦めで餃子ラーメンを注文。許可を得て、写真撮影もしてきた。もちろんブログで紹介するためだ。
ラーメンなのだが麺は五島うどんを使っている(ラーメンじゃないかも)。スープは鶏ガラとアゴだし(トビウオのダシですね)を基調としている。
写真をごらんになると分かるのだが、ラーメンにつきものの油滴は一切浮いていない。しかし、味はちゃんとしたラーメンだ。ダシがいいんだね。きっと。
店主の言葉にもあったのだが、普通のラーメンが油まみれの健康に悪い食べ物に思えてきた。
このあたりに芸術家のセンスを感じた。常識にとらわれることなく、食べる人の身になってラーメンを作ったからこうなるのだろう。
非常においしかった。それにヘルシーだ。
うどんにもついてきたけれど、鯵かまぼこ(これも五島列島の名産)が副菜として出てきた。
これがまたおいしいんだよね。
こんなにいいお店が、なぜ、お昼時にガラガラなのだろう。やっぱり許せない。
なんだか繁盛させないと気が済まなくなってきた。