男の城に、強敵出現。
かねてから、居間で優雅に過ごしているとき、たまにチクッとやられることがあった。私のプライベートタイムに水を差すとは許せない。今日はこっちから攻撃してやる。
ということで戦闘開始。童話でも働き者のイメージがあるアリだが、私も今回は同じ生態系で生きる生物種として、縄張りを主張することに決めた。
探してみると、庭のいたるところにアリの巣を見つけた。石をどかすとすぐに見つかる。
思っていたより勢力は大きい。しばらく空き家だったから、広い庭は草が茂り、遷移が進んで小動物の宝庫と化している。その気になって探してみれば、ミミズやナメクジ、ダンゴムシにワラジムシなどを大量に見つけることができた。これだとアリは食べ物に困ることはない。
アリの大量発生を助ける、豊かな生態系ができあがっている。お手入れするべし。
まず応急としてアリのコロニーに打撃を与えて個体数を減らすことが大切だ。
そこで巣にいるアリへ打撃を与えることを狙って、薬品をホームセンターで買ってきた。その名も、「アリの巣退治」。この手の代物は遅効性で、薬液の着いたアリが巣に戻ると、接触した仲間のアリにまで効果を発揮し、巣ごと滅亡するらしい。まいてみるべし。
しかし、この薬品が効果を発揮したとしても、庭の手入れをしっかりしないと意味がない。新しいアリはどこからでもやってくる。庭の生態系を貧弱にし、アリのエサになる小動物を減らさなければイタチごっこになるはずだ。
ようは、草取りをするということですね^^。
生産者である植物がなくなれば、小動物も他に行くしかない。そうすればアリだって住めなくなるのである。
本来なら薬液なんて買わなくても、草取りをしっかりすればいいだけの話なのだ。
実は、必死に巣を守ろうとする働きアリの姿を見ると、良心が痛んでしまった。
アリたちは、突然屋根を開けられて動揺し、必死にさなぎを巣の中に運び入れようとしていた。「アリの巣退治」をかけてしまったから思うつぼなのだが、我が身の危険を顧みずに社会のために生きる態度には頭が下がる。
しかし、我が家の庭は広い。草取りをしても、生えてくる方の方が早い。除草剤をまきまくったとしても勝てないかも知れない。とりあえずは情けは禁物だ。
草取りをしたあと、雑草の繁茂を抑制するには砂利をまけばいいんじゃないかということで、ホームセンターで購入。このさいオシャレな庭を目指そう。
こうして、アリとの果てしない戦いに突入した私。
勝利できるだろうか。
だが、もう後には引けない。時間はかかっても、コツコツと庭の生態系を作り替えていこう。
やはり私はヒトなんだなあ。