零れた砂 1

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遅ればせながら…

あけましておめでとうございます(。・ω・)ノ゙

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

全部で7話の予定でお話を書きました。

1話が短めです。

目標は蓮さんのお誕生日までに終わらせること( ゚∀゚; )タラー

 

生暖かい目で見守っていただけると嬉しいですv(。・ω・。)ィェィ♪

 

 

 

:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-

零れた砂 1

 

 

 

 

「ねぇ聞いた?あの噂」

 

「あ、知ってる!!敦賀さんでしょう?」

 

忙しなく人々が行き交う撮影所の廊下。

なんの気なしにふと耳に飛び込んできた言葉を拾えば、それはあの人の話題だった。

 

芸能界イチのいい男。

抱かれたい男ナンバーワン。

挙げ出したらキリがない程にたくさんの肩書を持つその人。

この世界で最も尊敬する先輩であり、ひそかに想い続ける彼の人。

 

「あ~、ついに敦賀さんも一人のモノになっちゃうのかぁ~」

 

「惜しがったってしょうがないでしょ?私たちがどうこうできるような人じゃないわよ」

 

「それにしても二人あの。ほんっとうにお似合い…」

 

そういう視線の先を辿る。

 

スタジオの中にある吹き抜けの中庭で、長身の男女が二人向かい合って談笑している。

時に耳元に唇を寄せ、囁き合うように。

少し強めの春の風が二人の間を横切る。

長く艶やかなに絡んだ一枚の葉をさりげなく指先で取り彼女に翳してみせ、また微笑みあう。

 

そんな映画のワンシーンのような光景を見つめながら、ついに『その時』が来たことを悟った。

 

 

 

 

 

「最上さんっ」

 

後ろから呼び止める声に、微かに肩が震えた。

耳の奥に心地よく響く低音が、今日はまるで暗く冷たい所へと足元から攫っていくようだった。

 

「敦賀さん、お疲れ様です」

 

長い脚でぐんぐん距離を詰められ、逃げ場を失った。

何事もないかのように、どうにか平静を取り繕って挨拶をした。

 

「もう終わり?」

 

「はい。これから事務所に寄ろうかと」

 

ザアァァッっと風が吹き上げた。

 

「最上さん、じっとして…」

 

敦賀さんの長くて手入れの行き届いた綺麗な指先が、私の耳元を掠めた。

 

「とれた…葉っぱ、ついてたよ?」

 

さっき見た風景が蘇り、胸が鷲掴みにされたように苦しくなった。

 

「敦賀さん」

 

「ん?」

 

私の髪にから外れた葉を、指先でくるくると弄ぶ。

 

「好きです」

 

「……っ」

 

敦賀さんの手元で弄ばれていた葉が、風に舞って落ちていく。

 

「まさか……嘘…だろう…?」

 

口元を片手で覆って、愕然とする敦賀さん。

 

(ああ…終わった…)

 

「私、そろそろ行かないと。それでは敦賀さん、お疲れさまでした」

 

丁寧に深く頭を下げ、その場を後にした。

 

 

 

 


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