南仏アンティーブでの日々 -3ページ目

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25Apr
- ようやく晴れた！雨の日は映画館でダンボ
  今週はザーザー雨と曇りが続いていたアンティーブ。早朝また雨だったけど、学校に行く頃にはコートダジュールらしい空に。今日は最高のお天気！テラスでランチしちゃうよねーー今週からクラスのレベルがひとつ上がってB1に。急に先生の言葉は早くなるし、与えられる課題も難易度アップ17-18歳の学生さんたちに囲まれてなかなかハードな1週間を送ってました。担任の先生との面談で、授業内容は自分には難しいと伝えたけど、「あなたはたしかにB2のレベルだから大丈夫よ」と言われてちょっと安心。でも、とにかく新聞か雑誌の記事を毎日少しでも読みなさいと言われ、頑張ってみようと決心した。渡航の間、仕事は休まずメールと電話でしていて、日本の時間に合わせて、学校（8:00-12:20）に行く前（朝5時から7時くらい）に日本とやり取り。今週は予期せぬトラブルもあったりしてなかなかハードだった。午後は遊びたいとこだが、雨のおかげで出かけるのが億劫だったので、復習と予習を頑張った。で、息抜きに、アンティーブ旧市街近くの映画館へ『ダンボ』を観に。フランスでは吹替が当たり前だから頑張って聞き取ろうと思ったけど、やっぱり簡単な言葉しか分からず、、、。でも、さすがディズニー！言葉が分からなくても、ダンボが飛ぶとこ見ただけで涙が。。。ダンボかわいすぎ！！もともとのダンボが大好きなので、ティム・バートン版はどうなんだろかと恐る恐る観たが、大変ディズニーらしい映画になっていた。ぜんぜん違うタイミングだったが、ちゃんとピンクエレファントの場面はあったし。そりゃ、今どき子どもにお酒はコンプライアンス的にNGだよね。象と言えども。ティム・バートンらしいのは、ディズニー制作なのに、テーマパークビジネスを皮肉ってるところかな。その夜、ちょうどディズニー社の社長の報酬高すぎというニュースをやっていた^ ^そうそう。アンティーブの映画館、超小さいのに、もしかしてレア・セドゥが来たことあるのかも。読めないけど、サインの位置からして。
24Apr
- 週末のプチ遠足：Biot（ビオット）その2
  レジェ美術館のあとの話です。旧市街へ行ってみようと、美術館までの同じバス停からEnvibus社の同じく10番線で「Biot Village」へ。バスの時刻はアプリで調べておいたので待ち時間もなく、目的地へは10分足らずでスムーズに着いた。旧市街はバス停からちょっと登ったところにすぐ見つけられた。レジェ美術館とは打って変わって、広場や通りは家族連れで賑わっていた。レジェでゆっくりしすぎたし、そもそも美術館でランチしようと思ってたのに当てが外れたので、もうお腹がペコペコ。まずはお腹を満たそうと良さそうなレストランに入ったが、15時くらいだったのでランチは終わったと村の入口にクレープリーがあったので、あそこならまだやっているはずと引き返した。超混雑していて注文までは待たされたが、その分ゆっくりメニューを読み込んだ。塩系のクレープとデザート系の甘いクレープの種類がたくさん。それに、ご当地クレープのページもあったので、その名も「Le Biot」というのを頼んでみた。お供にはカラフェの白ワイン（ずいぶん黄色かったので自然派ワインだと思う）。明るくて親切な女性の店員さんに「サラダ付ける？」と聞かれてた、もちろん「Oui！」。クレープの中身は、チーズとハム、何らかの野菜、何らかのハーブって感じ。焼き方がブルターニュ地方のガレットとは違って、南仏だからかニース名物Soccaに寄った感じ。お腹空いてたので、デザートに苺ジャムのクレープシュクレ（甘いクレープ）も店の名前は「Crêperie du Vieux Village」。「Auberge du Vieux Village」というオーベルジュの1階だった。周りは家族連れだらけで、イタリア語が多く飛び交っていたように思う。気取らない雰囲気が良く、店員さんは明るく、料理も美味しく、再来の際にはぜひまた訪ねたい一軒となった。クレープリーの前でフレンチブルにも遭遇。コートダジュールでの遭遇率はめちゃ高い無事にお腹が満たされたあとは、BIOT Musée（Musée d'Histoire et de Céramique Biotoises）へ。日本でも焼き物の産地にある博物館には必ず寄るようにしている。古くから良い土が取れたから陶器がたくさん作られたらしい。年代物の大きな甕がたくさん並べてあった。縄で模様をつけたものもあって、縄文式って世界共通なのねーと思った。磁器と違って装飾的な方へあまり発展せず、実用的な生活用品で栄えたようだった。小さい博物館なのですぐ見れます。村の建物を見上げるとバルコニーの柵まで陶器！「Biot Village」からAntibes行きのバスで帰宅。休日だったからか1時間に1本だった。駅で降りずに試しにそのまま終点まで乗ってみたら、Antibes旧市街の入口にあるバスターミナルまで行ってくれた。映画館の真ん前。なので、買い物したいときは、駅超えてそこまで行っちゃうのが便利です。＜BIOT Musée＞入館料ユーロ＜行き方＞Antibes駅からEnvibus10番線で「Biot Village」下車。30分くらい。片道1.5ユーロ。
22Apr
- 週末のプチ遠足：Biot（ビオット）その1 「レジェ美術館」
  復活祭の日曜日。Antibes（アンティーブ）から近いBiot（ビオット）へ。海沿いのAntibesに対してBiotは山側。コートダジュールにたくさんある鷲の巣村のひとつです。鷲の巣村は、山間に中世の住居が密集していて、遠くから見ると天空に浮かぶラピュタみたい。その昔、侵入者から逃れて高い場所にできた街々だそう。だいたい中心部に旧市街があり、レストランや博物館、お土産屋などが密集している。Biotは陶芸の街として栄えたらしく、その昔ここで作られた大きな壺がオリーブオイルの保管や運搬に使われてたんだって。20世紀からは多くのアーティストが集い、工房で陶器やガラスの作品が作られている。レジェもその一人。この街に国立フェルナン・レジェ美術館（National Musée Fernand Léger）があるのは、彼が晩年この街に住んでいたから。コートダジュールには一人のアーティストの名前を冠した国立美術館が3つある。ニースのシャガール、ヴァロリスのピカソ、そして、ビオットのレジェ（3人のうちフランスで生まれた画家はレジェだけだよね？）。国立美術館といえば、パリのルーヴル、オルセー、オランジュリーなどが有名だが、このようにひとりに焦点を当てた美術館は多く無いと思う。Biotへは、Antibes駅のバスターミナルからEnvibus社の10番線で。山を上がって行くにつれ、鷲の巣村に近づいていく景色も窓から楽める。レジェ美術館へは「F. Léger」というバス停まで、アンティーブから20分強。旧市街へはその幾つか先の「Biot Village」というバス停が近い。同じ10番線だからわかりやすい。私はまず美術館へと思い、「F. Léger」で降車。バス停降りてキョロキョロしていたら、またもや親切な女性運転手さんが、一度閉めたドアをまた開けてくれて、「そこをまっすぐ行って、その後右に行くのよ！」って教えてくれた。こっちの女性運転手さんは本当に優しい美術館まで徒歩7-8分くらいあったかな。ほとんどサインも無いため知らないと不安になると思う。道を教えてもらっといて良かったー。そして、ついに到着。レジェのモザイク画がどーん！南仏の明るい雰囲気にぴったりのカラフルな壁画が迎えてくれる。駐車場側にも別の作品が。前日のボナールに続いて、またまた客は私ひとり（復活祭だから家族行事でお出かけしない日？）。レジェは、キュービズムを代表する画家の一人というくらいの知識しかなく。日本でいわゆるレジェっぽい作品をいくつか観たことあるくらい。入場料を払うと、音声ガイドが料金に含まれてるという。しかも日本語あり。ほかにお客さんいないから、貸切状態でゆっくりガイドを堪能できた。ひとつひとつの説明がとても充実してて面白かった！レジェ（1881-1955）はピカソ（1881-1973）と同い年。最初はセザンヌに感化されて画家人生をスタートしたと。レジェとセザンヌが結びつかなかったのでびっくり！セザンヌの自然への考え方をレジェなりに追求し、ようやく生み出したのがあの作風だったとは。若い時の作品はほぼ破壊してしまったため、残っているのが少ないそう。この美術館にも3点のみ。キュービズムに行き着いたあと、彼の個性が出まくり。人間とオブジェの関係が対等とか、他のキュービズム画家とは違うカラフルな色使いとか、コルビジュエとの出会いでモダン建築の壁を飾る需要に応えたとか、それぞれの時代にとても魅力的な作品を残している。これは革命記念日の「7月14日」という作品。カラフルな国旗がかわいい。特に気に入ったのは、彼が第二次世界大戦を逃れてアメリカに滞在したのち、戦後フランスに戻ったあとの作品たち。アメリカの娯楽産業や広告産業に感化されたとかで、むちゃくちゃ生き生きとしているのだ。戦争中にアメリカに逃げていた芸術家は多数いると思うが、こんなにアメリカ文化が好きっていうのも珍しい気がする。ヨーロッパの人って気難しいから、アメリカ文化が軽薄に見えたりする場合もあると思う。でもレジェはとても素直なんだろうな。積極的にアメリカの明るさを取り入れていた。渡米前から工業的なものへの憧れも強かったし、高度成長していく社会が楽しかったんだろうね。そして、ビオットに来てから創作したセラミックの作品。思った以上にデコボコしていて、作るの難しかったと思う。でもその分、すごく面白くて魅力的。それから、都会で働く現代人に「余暇を楽しもう！」「週末は田舎へ行こう！」みたいなメッセージを込めた絵たちも好き。この時代は、キュビズムど真ん中の時代と比べて、人間は人間らしくなっていて可愛らしい南仏での週末はすごーくリラックスできるもんね！ところで、「地球の歩き方」に中庭にカフェがあると書いてあったが無かった。そこでランチをと思いお昼に出かけたし、あまりにゆっくり鑑賞したからお腹が空いちゃった。たまたまその日が休みだったのか、営業を止めたのかは不明。後半は、カップルや親子、老夫婦など何組かとはすれ違った。みんな車で来てるっぽい。＜国立フェルナン・レジェ美術館＞大人 7.５ユーロ（企画展込み）音声ガイド無料（日本語あり）AntibesからEnvibus社10番線で「F. Leger」下車。片道1.5ユーロ
- どこに行くにも便利なAntibes（アンティーブ）
  さて、今日はわが街「Antibes」の駅のご紹介。国鉄（SNCF）の駅は、以前来た時よりずっときれいになっていてすごく使い易くなっていた。小さい駅だけど小綺麗。カフェもあるし、何と言っても駅を降りると目の前に広がるのはヴォーバン港（Port Vauban）！コートダジュールに到着した気持ちが高まります。私は今回、この港のすぐ近くのアパルトマンに滞在しているので、駅も市街も歩いていけてとっても便利行き先、停車駅、到着時間、ホームの番号は上の表示に分かり易く表示されるので、それを見ながら切符を買います。切符は自動販売機で。クレジットカードと現金が使えるけど、現金はコインのみ。フランスの自販機ってお札が使えないんだよね技術の問題？治安の問題？駅のホームは1番線と2番線のみ。1番線はカンヌ方面、2番線はニース方面（イタリア方面）。Antibesはカンヌとニースの間にあるので、どちらに行くにも便利。カンヌまでは15分くらい、ニースだと20分強かな。そして、何とも便利なのが、駅出て左の階段を登り、駅の反対側へ渡るとすぐにバスターミナル。車がなくても、コートダジュールのいろんな街へ景色を楽しみながら路線バスで行けるのです。本数は多くないけど、ニース空港行きもある。地元の人によると、午前中出かけるなら安いバスで、帰りは海沿いの渋滞を避けて国鉄でが良いとのこと。確かにカンヌ方面もニース方面も地中海沿いを通るので鎌倉や茅ヶ崎みたいな感じで夕方はとても混みそう。Antibesのバスターミナルから出ているのはEnvibus社の路線。表示もわかりやすく、次のバスがあと何分で来るのかも知らせてくれる。バス停に広告があったので試しにEnvibusのアプリを入れてみたらまあ便利。今自分がどこを走っているかをリアルタイムで分かるため、降りるバス停でブザーを押すのに心の準備が万全。「次の停留所は○○（le prochain arrêt est ○○）」ってアナウンスもあるけど、聞き取れないと不安だし、車内の表示も見過ごしそうなので。また、時刻表がなくてもこのアプリで時間が読めるので、目的地から帰るときにも大活躍。料金は、昨日カンヌで乗ったPALME社と同じく、前払いで1回1.5ユーロだった。ところで、フランスの国鉄の駅にたまにある自由に弾いて良いよピアノ。Antibesには無いけど、Cannesにはあった。アンビエントな曲を弾いていてカッコよかったな。ちなみに、日本ではヤマハやカワイの本社がある静岡の浜松駅にグランドピアノが置いてある。年末に利用した際、大人も子どもも自由に弾いているのを見て、日本人もやるじゃんと思ったのでした。
21Apr
- 週末のプチ遠足：Le Cannet （ル・カネ）その３ペイネの壁画
  Le Cannet遠足、第一の目的「Musée Bonnard（ボナール美術館）」を終えて、次に絶対訪れたかったのは、Raymond Peynet（レイモン・ペイネ）の壁画。実は、17年前にも来たことがある。当時「地球の歩き方」に載っていて、ペイネ好きとしてはぜひ訪れなくてはと必死で探して（今みたいにGoogle Mapもないから）、ついに見つけた時は感動ひとしおだった。当時はまだフィルムカメラの時代。お気に入りのLOMOカメラで撮影し、1本終わると街のカメラ屋さんでその都度現像してもらっていた。なかなか素敵な写真が撮れて、今でもアルバムに大事にしまっている。なのに、ホームステイしていた家のマダムに「今日はLe Cannetに行ったよ！」と拙いフランス語で伝えたら、「えー。あそこは何にも無いじゃない。何が面白いのー？」と笑われた記憶がある。それに、そのあと2回Nice（ニース）に旅行に来たのだが、同行者がいたのでどうしてもメジャーどころ（Monaco、St-Paul-de-Venceとか）にしか行けず。Antibesですらピカソを観に半日来たくらい。だから今回の滞在中にもう一度訪れたいと思っていた。ところが、最新の「地球の歩き方」にはMusèe Bonnardの記載のみ（到着して初めて開いた）。だから壁画の場所が分からないで、ランチの間にいろいろ検索して何とかヒントを得て、美術館横の小道を登ってみた。ら、、、、無事発見意外と近い場所でした。ペイネの壁画のタイトルは、「Le Mur des Amoureux（恋人たちの壁）」。幸せそうな二人。ペイネらしいタッチ。梯子が本当の窓に繋がってるとか本当に可愛くて。こんな場所が小さな街の真ん中にあるなんて、素敵だなーと思います。で、その真ん前に「Sur les pas de Bonnard（ボナールの道へ）」という表示があり、えらい急な階段が続いていた。でも、これは絶景が見えるに違いない！と頑張って登ってみたら（途中から階段もなくなるんだけど。。。）、やっぱり絶景。途中で引き返したが、後で調べたらボナールが風景画を描いたポイントを周れるらしく、ただ全部歩くと徒歩2時間らしいそれにしても、海まで見渡せるってほんとに気持ちが良い。ボナールはここでたくさんの景色を描いたのね。急な坂を登った甲斐あってカンヌと地中海を一望戻った時には、足がガクガクしていました。でもそんなに頑張らなくても、ペイネの壁画の近くにPlace bellevue（ベルビュー）という広場があり、そこにはカフェやベンチもあって、その名の通り美しい景色が見れます。おまけに、ペイネの壁画のすぐ近くにはThéo Tobiasse（テオ・トビアス）が手がけた「Chapelle Saint-Sauveur（サンサヴール礼拝堂）も。南仏ゆかりのアーティストたちの作品に出会えて大満足の1日でした。それにしても、「地球の歩き方」ってとても便利。小さな街の情報もいろいろ載っていて。ただ、Le Cannetのページからペイネが無くなってしまったのは寂しいなー。
- 週末のプチ遠足：Le Cannet （ル・カネ）その２「ボナール美術館」
  さぁ、Musèe Bonard（ボナール美術館）へ。ピエール・ボナール（Pierre Bonnard/1867-1947）は印象派の影響を受けたナビ派の画家。フランス=シャンパーニュ社の広告でデビューし、いろんな広告や挿絵などでも活躍したのでポスター画家やイラストレーターのはしりでもある。58歳から晩年の22年間をLe Cannet（ル・カネ）で暮らし、300点以上の作品を描いたとか。この美術館は2011年に開館したようで、まだ10年経ってないということである。ベル・エポックの建物を利用していて、5階（日本だと6階）から下へ降りながら観ていくという順路だった。5階はポスターやイラストなど（ロートレックなど同時代のポスターやスケッチも）、4階はLe Cannetの風景画など、3階はすごい数の手帳に描かれたスケッチや言葉など、2階はボナールがこだわって描いたという風呂場の裸婦像、1階はビデオ上映、0階が受付と売店という構成だった。手帳に描かれたスケッチや言葉が年毎に並んでて面白かった。何十年も同じ手帳を使ってるんだね。なんと、贅沢にも客は私一人。しかも各階に監視員はおらず（監視カメラはある）、大きな声で説明を朗読したり、作品をむちゃくちゃ近くで眺めたりしちゃった。0階の受付には4人も働いていたけど、、、とっても暇だろうな。こんな素敵な街に住んだら、そりゃたくさん風景画描きたくなるよね。画風は印象派の影響を受けただけあって、ルノワール、モネ、マネに通づるものがあった。あ、ゴーギャンも。六本木で観た時に印象強かったネコちゃんの絵は少なかった。ちょっと残念。でも、ベルエポック建築物も堪能しながらゆっくりと過ごせるし、量もちょうど良いくらいで疲れないのでオススメです。後で調べたら、昨年の国立新美術館でのボナール展はオルセー美術館の特別企画だったそう。ネコちゃん系はオルセーにあるんだね。買ったグッズ、チケット、もらった解説資料＜ボナール美術館＞入館料大人 5ユーロ（月曜休み）
- 週末のプチ遠足：Le Cannet （ル・カネ）その1
  さすがに疲れたのか金曜は夕方から朝までぐっすり眠ってしまった。何度か目が覚めたんだけど、何度目かの夢がフランス語だったので、この週に習った言葉を一生懸命記憶しようとしたのかも。初めての土曜日。復活祭の3連休とあってどこも賑わってそう。午前中はゆっくり洗濯などして、午後から電車を使って出かけることにした。目的地は、Pascale先生が教えてくれたおすすめの小さな街「ルカネ（Le Cannet）」。ボナール美術館があるという。昨年12月に国立新美術館にピエール・ボナール展を観に行き、とても気に入ったのでぜひ行きたいと思っていた。サント=フィロメーヌ教会（ボナールの葬儀が行われた）まずは、国鉄のAntibes（アンティーブ）駅からカンヌ（Cannes）駅まで。片道3.1ユーロ。切符の自動販売機がいくつかるが、なるべく現金を使いたくてクレジットカード専用でないものを選択。だけども、こちらの自動販売機はコインしか使えない。。。そういえば、学校の自販もそうだった。往復券を買うには小銭が足りず、片道券を買った。Cannesに着いたら駅の目の前がバスターミナル。PALM BUS社の1番線がLe Cannet行きとのことで、該当のバス停へ。先払いらしく、距離で運賃が違うのか一定なのか不明だったので、前の人を真似しようと後ろの方に並んだのだが、多くの人がパスモ的なカードで乗車（汗）。運転手さん（優しい女性！）に「Marie du Cannet」と伝えたら1.5ユーロとのこと。どうやら一定料金みたい。初めての路線だと降りるバス停を見つけるのにドキドキなのだが、なんと液晶画面で表示されてて一安心。というのも、17年前に来た時はそんなシステム無かったので、ほんとにハラハラしていたから。で、表示を見ながらのんびり座っていたら、降りるバス停になっていたらしく運転手さんが親切に「あなたが降りるところはここよ！」と教えてくれた。なんて優しいのでしょうで、降りたら目の前に美術館を発見。13時を過ぎていたので、とりあえず美術館の向かいのブラッスリー「Le Tivoli」でランチ。解読できたメニューがステーキや子羊、タルタルだったのだが、昼には重いなーと思い、便利な「Plat du jour（定食的なもの）」を聞いてみた。「無いよ。でも、これがそれっぽいよ」と言われ、手書でよく読めなかったので、そこは冒険と思ってそのまま頼んだ。飲み物には赤ワインとミネラルウォーター。何が来るかなーと待っていたら、大盛りのムール貝＋フレンチフライ。あー、だったら白ワインにすればと思ったのでした。でも感じのいいお店だったし、ムール貝も美味しかった海が近い街だと、魚介類も安心して食べらるよね。ちなみに、Le Cannetは「小さなカンヌ」という意味らしい。確かにCannesから丘に登った小さな街だもんね。＜Le Cannetまでの料金（片道）＞- 国鉄SNSF（TER）「Antibes」→「Cannes」 3.2ユーロ- PALM BUS Ligne1 「Gale SNCF de Cannes」→「Mairie du Cannet」
20Apr
- 今週のクラスメート：ドイツ、スイスのマダムたち
  まずは1週目のクラスが終わった！乾杯！1週間ごとに生徒を受け入れる学校なので、毎週クラス替えがある。今週は復活祭の週ということと、子どもの春休み期間ということで、大人クラスには多くのバカンス客が来ていた。初日（月曜）のレベルテストをもとに、5段階のクラスへ入れられるらしい。5段階というのは、Débutant（まったくの初心者）、A1、A2、B1、B2。今週の私のクラスは、A2-B1の混合。メンバーは7名。スイス人2名、ドイツ人4名、日本人1名（私）。スイス人のひとりは18歳の女の子だったが、その他は全員40代以上のマダム。家族でバカンスに来て子どもや夫は別のクラスという人、夫婦で旅行に来て妻だけクラスを受けているという人など。そして、先生もやはり50代くらいの素敵なマダム。ということで、精神的にも社会的にも大人な人ばかり。授業で話す内容も社会問題、各国の退職制度や政治などなど、まさにヨーロッパ人の集まりといった会話が多かったなー。にしても、最初の自己紹介で、船で旅をするのが大好きとか、フィレンツェに何年か住んでいたとか、皆さんリッチなマダムだった。綺麗な服装していたし。ドイツ人マダムたちは、滞在先の別の街から自転車で学校に通ってるとか、趣味が山登り（本格的なロッククライミング的な）とか、自転車競技とか、とにかく共通して体力がすごい。でも人によって主張が強かったり、意外とシャイだったり、性格はいろいろなんだね。金曜日の後半は、好きな話題で討論しましょう的な授業だったのだけど、選ばれたのは「黄色いベスト運動（Mouvement des Gilets jaunes）」。始まったきっかけや社会背景、マクロン大統領は金持ち向けの政策ばかりと庶民から思われてるなど、先生が丁寧に教えてくれた。都市と地方の問題、直接投票による民主化を求める運動、などなどいろいろ混ざって複雑になっていると。ちょっとずつ溜まっていた政府への不満がガソリン税値上げによって一気に爆発したんだと。庶民はマクロンが大嫌いみたい。オランドはもっとインテリジェントだったと先生も力説していた。ノートルダムの再建に多くの寄付が集まっていること、きっと日本だと美談に伝わってるんだろうけど、やはりそれに関連して土曜にデモがあるという。なぜなら、お金持ちの寄付は税金逃れとか、そんなお金があるのに人ではなくて石（ノートルダムのこと）に使うなんて不公平！みたいな感情から。ノートルダムの歴史は素敵だけど、しょせん石でしょみたいな反応の若者もいるとか（理解が間違ってたらごめんなさい）。それに対して、ドイツ人マダムたちは、マクロンはヨーロッパ全体にとっては良いんじゃない？それに、フランス人は他の国より労働時間が少ないじゃん、みたいな。私はうまく意見を言えずただただ聞いていただけだけど、朝まで生テレビを観ているみたいでとても面白かったし、すっごく勉強になった。隣の18歳も黙ってたなクラスメートのうち5人は1週間のみ滞在ということで金曜でお別れ。全員で写真を撮ってサヨナラしました。隣の席だったスイス人マダム（私より少し年下？）は、スイスに来ることあったら連絡してね。うちに泊まっていいよっていつか行きたいわ！授業の後は、1週間頑張りました！ってことで、唯一の日本人生徒（旦那さまの仕事でフランスに住んでいる）とランチ＆シャンパン。そのあと、海辺を散歩したりアイスを食べたりのほっとできるひと時。彼女は、まったくの初心者から勉強を始めて今はA2のクラスにいる。一緒に頑張れる仲間がいて助かったー。ゴミの出し方とか、ボックスティッシュを売ってる店（火曜にモノプリで探したけど全然見つからなかったから）とかとても親切に教えてくれた。今のクラスでは聞き取りが難しいと嘆いていたけど、ちゃんと自力で解決しようといろいろ動いていて、本当に頭が下がる。良い友人ができて良かった
19Apr
- 今日の初めて：フランスお菓子教室
  到着して5日目。今日は、Airbnbで見つけたお菓子教室に行ってみた。Airbnbはとても便利で、Antibesに滞在中にこんなことしたら？とか、こんな予約ができるよ、とか、こまめにメールで教えてくれるのだ。それに予約も支払いもアプリでできるから超簡単挑戦したのは、シュケットというフランスでは超メジャーなお菓子。どのパン屋さんにもレジ前にあるからついで買いしちゃうよね。講師は、明るくて感じの良いフランス人マダム、そして、甲斐甲斐しく助手をやってるヤングな息子さんの2人組。フランスの母息子は仲が良いよねぇ。そして、生徒は私の他にもう一人、イギリス人のおしゃれな女子。なんと、AntibesまでLondonから車で20時間以上かけて来たらしい。。。なんてアクティブ。メイクもファッションもロンドン子ぽい都会な香り。そうそう、シュケットを初めて認識したのは、ジャック・タチの映画だと思う。シュー生地を使ったお菓子はいろいろあるものの、日本ではマイナーなお菓子かも。渋谷のvironで売ってるけど、フランスに来るたびパン屋で買うのを楽しみにしている。で、実際に作ってみたらとんでもなく簡単だった材料は、水、牛乳、卵、バター、小麦粉、シュケット用砂糖のみ。使う道具もボウル、木ベラ、スパチュラ、絞り袋+口金、オーブンとシンプル。こんなに簡単なら、もう買わなくてもいいな。砂糖を使わず、チーズ入れたりするとワインやシャンパンにもぴったりだって。アペリティフに最高！甘くしたければ、チョコレートをかけたり、ヌテラを入れたりとバリエも簡単。同じ生地でエクレアやパリブレストもできるとは。何より嬉しかったのは、フランス語での料理教室を楽しく受けられたこと。もちろんジェスチャーもあるけど、多少なりともフランス語が使えるんだと少し自信になったのでした。（ヒアリングにおいては。）話すのはまだまだということも実感してる明日も学校頑張ろう。
18Apr
- 今日の初めて: アンティーブで映画『Tanguy le retour』
  アンティーブで過ごすのは4週間。長いようできっとあっという間に違いない。ってことで、滞在中は1日に1つは初めてのことをしようと思っている。買い物一つでも違うお店に入るとか、そんな簡単なことも含めて。滞在3日目の『初めて』は、映画館！もちろん言葉は聞き取れなくとも雰囲気だけでも味わいたいし、『実写版ダンボ』なら話を知ってるから楽しめるのでは？と映画館へ。すると、なんと！大好きな映画の続編がちょうど公開になっていた！その名は『Tanguy le retour』。日本語でいえば、『タンギーリターンズ』って感じ。（日本語じゃないか、、、）前作を観たのは2002年の横浜フランス映画祭。ものすごく面白くて会場は大爆笑だったのを覚えている。それに、主演俳優のエリック・ベルジェが来日していて、サインと握手をしてもらった思い出がある。映画祭であれだけウケたのに、日本では公開されずとても残念に思っていた。内容はいうと、いわゆるパラサイトシングルをシニカル＆コミカルに描いたもの。実家で自由気ままに過ごす20代後半の息子タンギーと、家から彼を追い出そうとする両親の闘い。若いうちに家を出るのが普通のフランスにおいて、経済的、社会的問題のせいで若者の考え変わって来たことを知って日本も同じだなぁと感じた。それに、大女優サビーヌ・アゼマ演じる母親がコミカルでものすごく良いのだ。で、いま公開されている続編では、タンギーは44歳。結婚して家を出たのに、妻に逃げられて高校生の娘を連れて実家に戻ってきたという設定。またまた両親の苦悩が始まるよ、さぁ大変みたいな。きっとまた日本では公開されなさそう、、、と思い、今しかないとチャレンジしてみたのだ。案の定、台詞はほとんど聞き取れなかった。。。が、挨拶や簡単な会話は理解できたし、話の大枠は分かりやすく、充分楽しめたにしても、映画が8ユーロって羨ましい！あと、驚いたのが、始まる前に流れる広告がコカコーラやペプシみたいな大企業ではなく、ほんの隣のお店やすぐ近くのカフェとかスポーツジムだったり。なんて親しみやすいこと。街の映画館ってこういうことなのかもねー。小さなミニシアターだったけど、キレイで居心地良かった。近いうちにダンボも観よっと。
16Apr
- バカンスで楽しむ語学学校
  日本の友人たちからのメッセージも、SNSのタイムラインもノートルダム大聖堂のことでいっぱい。もちろん、テレマタンでもずっとこのニュース。ノートル（我々の）という名を持つだけに、フランス人はみな心を痛めているでしょう。そして、日本人にもすごく愛されてることがよくわかる。さて、月曜の昨日は登録していた語学学校の初日。とはいえ、授業は火曜からで月曜はオリエンとレベルテスト。テストは適当なものかと思ったが、ちゃんとした筆記とオーラルテストだった。なかなか難しく、条件法とかお手上げ。翌日からお仲間になるアダルトクラスの新入生と一緒にテストを受けたのだが、アジア人は私一人。同年代か年上のマダム、ムッシューが多くて安心した。何とも驚いたのは、「バカンスでコートダジュールに来たの」という人だらけなこと。しかも家族旅行で来て、子どもたちは子どもクラスに入れているそう。家族旅行で語学学校って、意識高いというか、その手があったかというか。日本人にはない発想だなぁと思った。始めに話しかけてくれた夫婦はスイスからの旅行客で、滞在中の1週間、10代の子ども2人とそれぞれのクラスを受けるとのことだった。テストは11時くらいで終わったが、14時から街案内を無料でしてくれるというから参加してみた。すると、みんな夫婦か子ども連れでワイワイアンティーブの見どころを案内してくれた。子どもたちは案内そっちのけで同世代の子たちとキャッキャとはしゃいでて、とても微笑ましかった。それにしても、海も空も青くてきれいな街。晴れてると少し暑くてビール日和。もうビーチで泳いでる人もいた。とにかく、語学学校が観光産業の一つになってるんだなぁと感心。いまはモノよりコト消費の時代と言われているが、まさにそんな感じ。日本人にも教えたい新たな旅のスタイルだ。日本でも、子どもの数減ってるし、予備校あたりがそういう観光ビジネスしたら良いのでは。
- British Airwaysの感想
  今日はアンティーブの語学学校の初日。天気も良く、山も海もキレイに見えて最高！コートダジュール、アンティーブの生活をすっかり楽しんでいます昨日乗り継いで来たブリティッシュ・エアウェイズ。南仏の日々に紛れて忘れそうなので感想を書いておきます。いろんなエアラインがこぞって面白くしている機内安全ビデオ。さすがブリティッシュ！マイケル・ケインが出てきた！シニカルな台詞で笑わせるというのも極めて英国風ですね。ロンドンからニースへの便でも復習できました。でもやっぱりエールフランスのおしゃれでコミカルなパントマイムの方が好きです。衣装も音楽もセットも素敵なんだよなぁ。ANAの歌舞伎も悪くないけど、外国人にはどうなんだろう？食事は、、、イマイチでした。カレーのいい香りがしたけど、鶏肉は終わってしまったとのことで、私は選択肢がなく微妙なパスタ。コーヒー、紅茶も美味しくなくて残念でした。観た映画は、「オーシャンズ8」「ボヘミアン・ラプソディー」「メリー・ポピンズリターンズ」どれも佳作といったところ。イギリス行くのにクィーンは必須教養と思い、ようやく「ラプソディー」を観たのけど。あれだけ騒がれたのはなぜかしら。もちろん最後のライブエイドのシーンは素晴らしい。が、そこまではいわゆる青春映画って感じ。クィーン世代じゃないのもあるけれど、順を追って描く伝記映画は少し退屈に思えてしまうのです。メリー・ポピンズもロンドンが舞台てことで気分を上げるため。前作が大大大好きなので、リターンズを楽しみにしていたのですが。うーむ、前作が好き過ぎて音楽も主演もストーリーもなかなか乗り切れず。でも、メリー・ポピンズのような大人になりたかった自分を思い出させてくれたので、ありがとう！という気持ちです。その後、前作を見直してジュリー・アンドリュースにまたまた感動したのでした。とにかく、初のエアラインで無事に到着して良かった！ヒースロー空港、トランジットやセキュリティーはスムーズでした。そこは、フランス人よりいいと思う。
15Apr
- 到着しました！
  東京の自宅を5:30に出て、羽田ーロンドン、ロンドンーニースと乗り継いで、こちらの18時頃にアンティーブのステイ先にようやく到着しました！フランスはサマータイムなので日本との時差は7時間。ロンドンでのトランジット中に生ビールを飲みたかったんだけど、慣れない空港でまったく余裕なくすぐにニース行きに搭乗。全貌は分からないけど、ヒースロー空港は広かったように思う。お店やカフェ（パブ？）も充実してて、人も多く活気があった。移動中、生ビールのタップの前を何度も通り過ぎて、、、後ろ髪ひかれたなぁ。羽田からのロンドン便には日本の恐らく高校生が集団でいたけど、この時期に修学旅行なんだろうか？きっと初の海外なんだろな、むちゃむちゃはしゃいでたなぁ。オンラインチェックイン時に後ろの方の座席にしておいてラッキーだった。微笑ましいけど、高校生にまみれた席だとさすがにキツイよね。さらに運良く両脇空いていたので、三列分を自由に使えて快適だった。窓から見えた初めてのイギリスは、三角屋根の可愛いお家が並んでた。ニース行きは、こじんまりした小さな飛行機。日本人は私だけだったみたい。窓から地中海が見えた瞬間、胸が高鳴った。機内から、あれはモナコ、あれはニース、と馴染みの景色が分かって嬉しかったー。途中、アルプスも見えたりして。雪山を遠くに望む地中海。やっぱり最高！初のブリティッシュ・エアウェイズ体験についてはまた明日。
13Apr
- 初めてのロンドン、初めてのブリティッシュ・エアウェイズ
  アンティーブの最寄りはニース空港。東京からだとどこかで経由しなきゃいけないのだが、ヨーロッパの主な都市ならだいたい行ける。これまではエールフランスでパリ経由🇫🇷を利用していた。今回、帰りにロンドン🇬🇧に寄る予定があるので、ブリティッシュ・エアウェイズでロンドン経由にした。英国には行ったことがなく、ロンドンは初めて、もちろんブリティッシュ・エアウェイズも初めて。初めてのエアラインてドキドキする。リマインドメールなどは分かりやすくて親切な気がする。機内映画や食事はどうなんだろう？アルコールはやっぱりビールがおおすめ？行きはトランジットの間だけだが空港で過ごす初のイギリスも楽しみたい。あと数時間で出発！充実した旅になりますように
12Apr
- 念のため「地球の歩き方」
  かつての海外旅行では必需品だったけど、今はスマホやwifiがあるので要らないかなーと思っていた。でも、いよいよあと2日！となった今日、本屋に寄って目に付いたこちら。念のためにと購入しておきました。スマホはバッテリーが切れたり、盗難にあったらまったく役に立たないなぁと思って。飛行機でもパラパラ見れるしね。海外初心者だった頃、パリでスリにあったことがある。バイクとすれ違った時、荷台に乗っていた若い男の子にカバンごと持って行かれたのだ。幸運なことにパスポートはホームステイ宅に置いていて助かった。現金もほぼなくて、心配だったのはクレジットカード。その時一緒にいた友人が持っていたのが「地球の歩き方」だったのだ。巻末にあったクレジットカード会社の電話番号へ慌てて公衆電話から電話したのを覚えている。実はそのあと、盗られたカバンがどこかに捨てられていて、それを拾ったおじさまが、ホームステイ先に連絡してきてくれて奇跡的に戻ってきたという後日談がある。手帳に、ホームステイ先の連絡先を書いていたのだ。以前日本人に親切にしてもらったことかるからとムッシューが電話をくれたという。そんなわけで、私も困った外国人に日本で出会ったら親切にしようと心がけている。
11Apr
- アニエス・ヴァルダ「5時から7時までのクレオ」
  アップリンク吉祥寺での追悼上映に。彼女の遺作となってしまった「顔たち、ところどころ」は、昨年観た映画の中で圧倒的なナンバーワンだった。アニエスの長編デビュー作品「5時から7時までのクレオ」をスクリーンで観れるのはとても貴重な機会だし、映画人を追悼するのはやはり映画館でという思いで。同じ気持ちのファンが多いのか、2日も前に満席になっていた。満席の中、映画が始まる瞬間に少しうるっときてしまった。ある女性の2時間をリアルタイムで、そしてオールロケで描くという設定は、当時かなり斬新だったはず。主人公の心理の変化を軸とはしているが、何より当時のパリの人々やその会話、景色、乗り物、ファッションなどがドキュメンタリー映画のように記録されているのも大きな魅力。まるでパリを観光しているような気分にもなれるし、オシャレな服にオシャレな音楽。女性のタクシードライバーやアルジェリア戦争のニュースなんかも出てきて社会性も感じる。死と向き合うというテーマはあるが、視点を変えると別の楽しみ方もできるのだ。とにかく、アニエスが抜群のセンスの持ち主だったことがよく分かる。そして、多くの映画人が彼女の魅力に引き込まれていたこともよく分かる。というか、その記録映画のよう。同じく亡くなったばかりのミシェル・ルグラン。映画音楽を担当しているが、演者としても出演している。ピアノを弾き、愉快に笑い、あのいつもの早口で高らかに歌うルグランのなんと瑞々しいこと！彼の大ファンとしては、このような姿をスクリーンに記録してくれたことがとても嬉しい。ボブという役ではあるが、実際のルグランの姿に近かったんじゃないかなぁ。そして、やはりゴダールとアンナ・カリーナ夫妻（当時）の出演シーン。ゴダールにサングラスを外させることができた（心をいかに開いていたか）。その美しい瞳を記録していた。それだけでも彼女の偉業と言えるのでは。だからこそ、「顔たち、ところどころ」のラストシーンが切なくも美しいのだ。若かりし長編デビュー作と90歳手前で撮った遺作がまるで繋がっているのだもの。人生って面白い。来週からのフランス滞在中、どこかでJRの作品を観ることができますように。先日のルーブル美術館でのピラミッドは、惜しくも数日で剥がれてしまったそう。
09Apr
- Airbnbでの部屋探し
  ヨーロッパには出張でも旅行でもいつもホテルを使っていた。いつもPCを持っているからセキュリティ的に心配なのと、チェックイン時の待合せやWiFi通じない、シャワーがでないとかトラブルがあったときに、仕事が滞ってしまうから。でも、ここ数年、海外でAirbnbが快適だったという声を多く聞くので、今回は利用してみることに。こだわったのは、- WiFi- 独立した部屋（シェアハウス的でなく）- チェックイン時間と方法がフレキシブルなところ- アンティーブの旧市街に近いことあわよくば、海の見えるテラスで毎朝朝食できますように探し始めたはいいが、とにかく、写真だけで判断するのでなかなか難しい。4週間だからそれなりに費用もかかる。でも、せっかく滞在する訳だから地中海らしい素敵な部屋がいい。でも、セキュリティも大切。。。と探し続けて、なんとかテラスあるっぽいお部屋に決定。窓辺にソファとテーブルがあるんだけど、窓からの景色が映ってないので、何が見えるのか（もしくは何も見えないのか）ナゾ。素敵な景色だったら写真載せるだろうから、そこは期待しないでおく家主さんとは何度かアプリのメッセージでやりとりできた。あとは着いたときのお楽しみ！利用するのにつくづく感じたのは、行く場所の地図が頭にないと難しいこと。フランスの田舎って、タクシーいつでも拾える訳じゃないから、私みたいなノンドライバーは、駅、商店街が徒歩圏内でないとタイヘン。17年前は、窓からヨットハーバーが見えるアパルトマンに住むホストファミリー宅に滞在していた。どこでも歩けて便利だったから、その記憶を頼りに探した。地図だけ見て分からないのは、ビーチや旧市街から少し離れると幹線道路沿いだったりして、部屋がいかにキレイでもイメージと異なるってこと。また海の近くに滞在できそうで、心躍る。だってせっかくコートダジュールに行くのだから
- 「歩いてまわる小さなロンドン」
  出発まであと6日。今回はアンティーブ4週間のあと、ロンドンに4泊立ち寄ることにしている。フランスは何度も行ったことあるが、ロンドンはまったくの初めて。地理がサッパリ分からず、ホテル選びに苦戦しているまずは友だちに勧められた本をポチって眺めるのみ。表紙からしてワクワク。表紙のお店には行ってみたいなぁ。江國まゆ「歩いてまわる小さなロンドン」
08Apr
- フランス人劇作家ヤスミナ・レザ「LIFE LIFE LIFE」
  渡仏前に絶対観たい！と頑張ってチケットを取った甲斐があった。運良く2日目のチケットが取れ、とても楽しみにしていたのだ。シス・カンパニー公演「LIFE LIFE LIFE～人生の3つのヴァージョン～」（シアターコクーン）作：ヤスミナ・レザ上演台本・演出：ケラリーノ・サンドロヴィッチCAST：大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則キャストを観ただけで面白いに違いないと確信していたけど。やっぱりその通り！演者4人の演技は間違いなく素晴らしい。1シチュエーションなのだが、同じ2組の夫婦のある夜が、3ヴァージョンで繰り返される。中央に舞台をぐるっと囲む客席、最小限のセットや衣装という演出も気に入った。ただ、今回一番に嬉しかったのは、ヤスミナ・レザという劇作家を知ったこと。フランス映画はよく観る方で、何気ない会話から波風が立ったりおさまったりという会話劇的なものはとても好き。原作が劇というものも多いし、フランス映画の俳優たちも演劇で活躍している人が多い、というのも知っているのにこれまで触れる機会がなかったように思う。タイトルが英語なので英語圏の劇なのかなーと勝手に思っていたのだが、パンフを読むとフランスの人気劇作家とのこと。原題は”Trois versions de la vie”会話の応酬も、少ない出演者も、大げさでないセットも、あぁ道理で私の好きな世界観なのだわと。また彼女の原作の演劇が観てみたいな。ロマン・ポランスキーが映画にしたものもあるようなので、ぜひ観てみよう。
07Apr
- 初めてのアンティーブ
  初めてアンティーブを訪れたのは2002年の2月。17年前ということになる。数日間の旅行はあっても、海外でひと月も過ごしたのは人生初のことだった。ユーロ圏は三ヵ月ビザなしで滞在できると知り、会社を辞めてフランス語を学びに短期留学しようと決心したのだ。とはいえ、真面目に語学を学ぶというより、フランスを知ることを重要視したいと考えた。そこで、4週間ずつ滞在先を変えることを思いついたのだ。学校の手配などはその手の斡旋会社に依頼した。今ほどネットが普及してなくて、入学申し込みなど自分でやる発想がなく頼むのは当たり前な感覚だった。伝えた希望は、まったく違う街に行きたいということ。ガレットが好きだったからひとつはブルターニュ、最後は花の都パリで、とボンヤリ考えていた。そのとき斡旋会社が進めてくれたのが南仏コートダジュールのアンティーブだったように思う。南仏にも憧れがあったからすぐに決めて、最初の訪問地としたのだ。コートダジュールの意味も場所もよく知らないまま。地図を見てあのカンヌ映画祭のカンヌが近いんだなぁくらい。結果、アンティーブ（コートダジュール）4週間、ブレスト（ブルターニュ）4週間、パリ4週間、残り数日は北欧へ、という人生初の海外３カ月の旅をスタートさせたのだ。初めてのアンティーブは、まさにミモザの季節だった。長い旅のスタートの始まりの地。緊張して降り立ったニース空港からホストファミリーのマダムの車で移動したときの、青い空、乾燥した空気、ミモザの黄色い花々を覚えている。まさに、NHKフランス語講座で学んだ「C’est magnifique！」という心境だったのだ。最初が明るい南仏というのは、今思うと最良の選択だった。あぁ、このとき南仏に恋に落ちたんだなぁ。あれからミモザを見るといつもその頃のことを思い出す。この17年の間に日本にもミモザが増えたなぁと思う。