大分前に書いた、『第三者管理議論に怒る高管協の本当の狙い? 』
http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11182862985.html
の続きです。
この国交省の『マンションの新しい管理に関する検討会』その後も
淡々と月1回で継続されていて、でも未だ1月の議事録は未公開。
(1月の理事会の議事録が4月にでてないってなしだよなぁ。
一応マンション管理を議論している訳だし規範を示すべき)
なぜか”報道関係者”だけは傍聴できるらしくって、業界紙の記者さんが
まとめを記事にしています。議事録で見せてもらいたいものですが。
4月の回のまとめはこちら
http://www.dai3.co.jp/rbayakyu/24th/times/news137.htm
まずはこの真ん中あたりを読んでいただくしかありません。
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この記者さんは、委員に入っていて、割と異色の意見をいっている
安藤委員と意見が合わないみたい。高管協もわざわざ会見してけしからん
とかいっているんですが、どうかなぁ。 そんなにおかしなことをいって
いるとも思わないんだけど。
どの管理組合でも理事長のなり手がいないってのは、たまたまそうなの
ではなく、構造的な問題です。どう効率的に仕事を割り振っても、圧倒的
に理事長に仕事が回ってきてしまうから、とても手弁当ではできないって
のが問題なわけです。まずは理事長に聞いてくるから戸数が大きくなるに
つれ、決済を求められる案件は増加して、私が理事長だったときには、
年間300回印鑑を押し、毎日メールを処理するほか、週末は1日は必ず全部
つぶれていた。ざっと計算するとかけていた時間は当時年1000時間、
理事会全体では2000時間程度かな。
# 今年は理事長からは逃げたのでかけてる時間は半分には減ってるかな
だからブログなんて書いていられるわけですが。
首都圏の新築マンションの購入者の平均時給4000円だと400万円分
まぁ話半分としても200万くらい貰わないと割には合わない激務です。
理事長がじゃんけんで決まるのは見たくはなかったら、1期で立候補
してなったけど、何年もずっとやる気は私はしない。
一方で、一杯お金もらうと、お金もらって半分仕事でやっているん
だからもっと時間かけろくらいのことを言われるに決まっています。
大規模マンションの運営には、営繕一つとっても、微妙に分野が違えば
建築士でも太刀打ちできない程度の専門性が必要です。500戸1000戸2000戸
なんてマンションで、ちゃんと手弁当でやってくれる人が現れるなら
それで問題ないけど、非常に多くの場合、じゃんけんで負けた人がしぶしぶ
理事長をやるわけです。
(うちのマンションでは今までに、理事長を立候補でやったのは私だけ。
実は今期も、多分来期も、理事長は輪番の”互選という名のくじ引き”で
決まりそうです)
今回の検討会は”機能不全に陥っている”理事会の救済策の検討に
主眼があったはずで、理事会が全員ばりばり動くんで、自主管理でできて
ますといった組合は初めから対象ではなかったはず。
今の流れだと、第三者管理は、”リゾートマンション”など特殊な場合
以外では、理事長を任せるはあり得ないという流れのように見える。
この牧田さんって記者が書いているように月2000-3000円払って、理事会
なんてものには永久に入らなくてすむなら払うという人は実は多そうに
思えるわけです。
(少なくとも、うちの妻はなんであと数千円とって理事会なんてなくせない
のという意見に同意的)
彼のあげている例では、50戸ですが500戸なら400円払えば 月20万。
これで”理事長”がじゃんけんで決まるのでなくプロを雇えるならそれは
それでありだと思うわけです。 能力のあるプロに任せれば、その報酬分
くらい管理の無駄を見直すくらいのは容易です。
(500戸で素人の私中心でも年2000万弱くらい削れたからそれで飯くっている
人ができないわけはない)
もとより、区分所有法には”管理者”なるものは現れますが、”理事会”
なんて制度が必須と定められているわけではない。基本大事なことは全部
総会決議に諮ってくださいとなっている直接民主主義の考え方になっている
わけで、その運営を管理会社と”利益相反の関係にない”第3者に任せる
のはそれほど変ではない。
理事長はやってみればわかるけど、形式的にはそれほどの権限を有して
いるわけではない。せいぜい理事会をリードして総会議案の提出を仕切る
権限はありますが、理事会の採決では1票をもっているに過ぎないわけで。
コメントした”弁護士”さんがただで、立て替えのときの理事長をして
いるからといって、そんなキトクな人が必ずマンションに現れると仮定して
いいほど世の中甘くはできていないと思うわけです。
リコールに相当する手続きや、監事などの制度も法的に定められています
から雇ってみたらひどい理事長だったらクビにする方法は既に存在しています。
圧倒的に負担が大きい理事長がずーっとじゃんけんで決まるくらいなら、
メガマンションの第三者管理で、理事長の外部委託はありじゃないかなと
私は思うわけで、その意味で、安藤委員の素朴な主張はそれほど的を外して
いるわけではない。
第三者管理の管理者が、利益相反の管理会社では不可なことは明らかです。
一方で、マンション管理士って制度をつくったんだから、組合運営の機能
不全度に応じて
● 自分でできるなら自分でやる
● アドバイスが欲しいなら、顧問になってもらう
● 委員会制度の委員相当の地位を与える
<==うちのマンションはこれ。理事会だけに届き、
管理会社は見られない、掲示板へのアクセス権も付与してます。
● 監事としてお墨付きを与える仕事についてもらう
● 理事長そのものを委託する
といろいろな段階があってよいように思うわけです。
今の標準管理規約は、役員報酬はあって当たり前で、たまたま0円に
初期設定されている形になっているので、準拠しているマンションでは
3/4の特別多数決議は不要で、総会の過半数決議で、報酬を導入可能です。
これを同じように90%のマンションが理事長までは頼まなくても
回っているとしても、残りの10%がまず規約そのものを変更しなくても
これに対応可能な程度のパッチをあてておくのは決して悪い話ではない
と私は思うわけです。
結論としては、
ちゃんと機能しているマンションを大前提とした
『的外れの安藤至大委員の主張』記事の主張は的を射ていないというのが
私の意見。
次回は役員報酬の話にでもしますかね。
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