2015年6月下旬
母親の腹水をなんとかしたいと、ネットで情報を集めてあちこち電話を掛けていました。
色々調べた結果、治験の一つである「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」という治療法があることを知りました。
ホウ素を体内に注入すると、がん細胞がそのホウ素を細胞内に取り込むので、その状態で放射線をあてるとがん細胞が死滅するという内容の治療法です。
電話を掛けて詳細を尋ねてみると、すい臓の腫瘍に効果があるかどうか分からないが、転移した肝臓には効果があるでしょうとの回答。
しかし、原発がすい臓であることから、治療の適応可否について後日また連絡するとのことでした。
なんとかこの治療が受けられれば、転移した肝臓の癌は少なくなるはずです。
そうなると、肝臓からアルブミンが作られ、腹水も改善するはずです。
期待を抱きながら、後日電話を受けると。
「すい臓がんは適応外です。」と。
この時、母親の癌が王様と呼ばれる「すい臓」であることを、初めて認識したように思います。
何か打つ手はないのかな。。。
寝る間も惜しんで、色々調べてみましたが。
今はもう、腹水が苦しくて歩くこともままならない。
夜寝ることもままならない。
食事も満足にできない。
こんな状況から打開できるような治療は、見つかりませんでした。
加えて、背中がまた痛むようになってきたみたいです。
癌だと告知された当初は、わき腹辺りが痛かったのですが
その後はほとんど癌による痛みは感じていませんでした。
この痛みを和らげるために、オキノーム2.5mgが処方されました。
頓服で使用します。
僕がこの薬を見て、「このモルヒネは医療用だから、安心して飲んでね~」と言うと、
母親はびっくりした顔をしていました。
母親は、この薬が麻薬系だとは知らずに服用していたみたいです。
入院した時にできた、癌友達も飲んでいたから
そんなに強い痛み止めだとは思わなかったみたいです。
オキノームを飲むと、痛みと腹水の苦しみが緩和されるみたいで、
ようやく夜眠れるようになったのですが。
よく、ベッドの隣に知らない看護師さんが寝てる夢を見ていたみたいです。
「あの夢は、モルヒネの副作用だったのかな~?」と母親。
「確かに副作用はあるかもだけど、それより夜寝れるほうが大事だから、ちゃんと飲むようにしてね。」と伝えました。
母親の性格上、モルヒネを服用するのは抵抗があると思います。
でもやはり、夜寝れないと元気が出ません。
ちゃんと服用してくれるといいのですが。。。
日に日に弱っていく母親を見るのが辛いですが、しっかり目を背けずに現実を受け入れようと思います。