レッスンとは… そして、最近のレッスンからの発見 | HARUのブログ

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ラッパの事、普段の事、色々。

演奏活動を始めると共にもう何年もレッスンを行なっている。
それはプライベートであったり、トランペットパートであったり。(合奏の指導もするけど今回の内容からは外れる)

トランペットパートをみる場合はある程度目標が決まっていて、例えばコンサートやコンクールへの目標の為と言う目安となるものが有りそこを目指す事が一番の目標となる。

個人レッスン。
専門的な勉強をしたい人もある程度の目標は明確になる。受験生に代表される様に。

クラブをやってる中高生も力を入れている子が多いからやはり目標は自然とはっきりとする。
しかし、中には本当に頑張りたいって言うほどの情熱を持たない子も居る。
また、愛好家である人、少し上手くなりたいからって思う人のレッスンがちょっと難しいと時々感じてしまう。

どこまで求めるべきなのか?

結論を先に述べると目標がある人や専門家を目指す人と目指す方向や目指すクォリティは変わらないと考えて進めている。
もちろん、進展の速度やそれぞれの状況を考慮する事は当然で、ただ先に進む事だけを求めるわけで無く、調子が落ちればそれを戻す手伝い〜トレーナー的なレッスンもとても大切なのだと思う。

専門家を目指す人とそうでないと人に差をつけないのは何故か?

先ずは上手になり自由にできる事が増えると面白くなり先に進みたくなるものだから。その時に、行き当たりばったりでその場しのぎのレッスンをしてしのいで居るとそれが足かせになる事が有る。

根本的に上手くなるためにはやはりソルフェージュも含めてその人の内側からその人自身で動かす事が必要になる。この点はもう専門家であれ愛好家であれ変わりは無い。

ちゃんと感覚から伝えて、守るべき事やポイントでのコツを伝えながら上手く生徒が自分で上手くなれる手助けをしないとならない。気がつくべき事に気が付いてもらわないとならない。押し付けてはならない。
その人の中から引き出す事が大切。

実はそういうレッスンは時間(月日や年月も)がかかる。習う方も教える方もかなりのエネルギーを使う。

ちょっとコツを習って上手くなる、誰でもスッとできる様になるってのは実は表面的な場合だけだ。


本当に音楽を楽器の演奏を通して楽しもうとするとそうは行かない。レッスンを受ける場合はそこまで求めて居るのか否か?をちゃんと自分で意識する事が必要だろう。
(初心者の方を教えるのが一番難しい。先ずは楽しみを伝え、かつ、後々に本当に上達を目指す時に邪魔をしないものを構築しておくべきだから。そこをおろそかにしてしまうと経験者となった時に苦労する。だから最初にちゃんと習う事が大切だと言われるのだと思う)


ちょっと人より吹ける様に、音を出して楽しみたいって辺りなら習う必要はあまりないと思う。本当に上手くなりたい… これは今の自分より上手くなってより前に進みたいって思う事で演奏家レベルになりたいって意味では無い… て時にレッスンはとても効力を発揮する場合が多い。

ただ、手段を習おうとしてもあまり効果は無いと思う。その先生が何を見て何を聴いて何を感じて音を出しているか?そこをちゃんと感じて、先生が何を意図して言葉を発して居るのか?少なくとも大人なら考えて想像する事が大切。先生の演奏から盗む事も大きな効果が有ると思う。

教える側としてはそこをちゃんと伝えないとならない。そして生徒であるその人から引き出す事。手段は長い目で見るとそれ自体は大して役に立たない。音楽的な感覚を伴って初めて効力を発揮する。“その場に限りに有効だった”って事も少なくないし、以外に教え手がそこに気が付いてないと思う。
(僕自身も若い時は気が付かなかった。手段をあの手この手で伝えていた)

皆で上手くなろうも無い。

と思う。

自分で上手くなる。基本は一人で頑張る。
時にそれを競争するのは良い事だろう。
自分だけで気がつかない事をレッスンで気がつかせてもらう。仲間のアドバイスでも良い。でもそれを選択して活かすのは自分自身。

だから、僕のレッスンは時間もエネルギーも沢山使う。初心者と一部の方以外は1.5〜2時間 時にそれ以上かける。



さて、最後に最近レッスン中に気が付いた事。自分では当たり前なのに何人かの生徒さんがどうしても出来ない事。

上手く吹けないって人や吹けない時に、タンギングの毎と言うか音を出す度にも唇を上下の唇を完全に、または殆ど息が通らない程閉じてる人が多い。
マウスピースの中の事で見えないので本人も気がつかない。マウスピース無しで「タタタタ…」とアンブシュアを作りながらやってみて、タンギングの度に唇の真ん中にできる穴が大きく、ハッキリと動く人はそれはきっと発音や音のコントロールを邪魔してる。ちゃんと最初から準備して出来ていれば殆ど穴は動かない。穴は息を通す前から存在する方がずっと楽に発音が出来る。スラーよりもタンギングが苦手な人は観察して見ると発見が有るかも知れない。


後打ちなど休みを伴いタンギングをする時に発音と同時に常にお腹が動く人は息のホールドが上手くいって無い事が多い。舌の付け根から喉のコントロール〜トレーニングも足りないかも知れない。
ハイトーンが苦手、またはデカイ音でしか吹けない人にも同じ事が言えると思う。
ハイトーンが続くフレーズではこの部分のコントロールが身体の中に生まれるエネルギー(圧力)をコントロールする(生み出す)大切なスキルとなる。決して息のスピードでは無い。ハイトーンでは息は少ない。少ないという事はスピードも無い。(物理的にスピードが有って量が無いことはあり得ない)
身体の中に圧力、エネルギーを感じる。これは肺(腹筋や呼吸に関わる筋肉)から喉までの力のコントロールがとても大事だと思う。喉が使われると舌も使われる。K、H(ドイツ語のch)の発音と同じかそれより少し奥の部分。そこを過度で無く程よい加減にコントロールする事。これは歌えない、ソルフェージュがままならない、声が上手く出せない人には掴み難いと思う。ここからは想像だけど声をコントロールするテクニックにかなり近いのではないかな。

写真は少し難易度の高いバロックトランペットの自分への課題。この辺りを美しく優雅に演奏しようとすると息のスピードは邪魔。よく言われる "i" シラブルも音色を変えてしまう。逆にエネルギーを保ちつつ喉を上に拡げる感覚が美しいハイトーンを生み長いフレーズでも耐久力を生み出す。
師の教えも喉を開け!だった。
弦楽器や木管と会話の出来る師のこの優雅なハイトーンは身体を上手く使い喉を開いて響かせる事で生まれる。