これは一度きりのレッスンで言葉の受け取り方がどう変化をするか?を観察してないと気がつかなかったりする。
1つの言葉に対するそれぞれの人の感じ方や考えた方は百人いたら百通り有るのではないかな?
その相違を探す事が教える時の肝だったりもするし、ワザと明確でない言葉を使う事も多い。
何かのポイントを言葉にする時に、理解してる同士は言葉を受け取った後に瞬間的に頭の中で、その意味する事のイメージを思い描いてそれぞれの言葉に修正して理解し合える。若しくはその時点で言葉から離れる。
でも、理解していない人に伝えるときは言葉では難しい。解りやすくした時点で本来の意味のものと違ってしまうし。(ここに気が付かない人も多いと思う)
先日のレッスンでタンギングを「タ」と説明したら、受け手の頭の中で口の中を広くと変換されてた。こちら側は「タ」と喋る瞬間の動きをイメージしてるのだけど(広くても狭くても良い)、「口の中を広く」と思うと最初が「トゥゥ」って思いっきり狭く閉じて発音してから口の中を拡げようする事を「タ」だと認識してたりする。
「音を真っ直ぐに響くように」が「息を真っ直ぐ吐く」、「唇を完全に閉じない様に」が「唇を開く」などなど…
解りやすい、目に見えるは、幻想じゃないかな… と実感してる。
一番明確なのは音の変化から判断する事なのだけど、これも人それぞれにフィルターがかかるので意外に変化に気が付かない事が有る。
結局は言葉をマニュアルとして捉える思考の癖を無くしていく様に進めないと、自分で自分の音を聴いて、身体の感触を感じてコントロールする事は難しいんだよな。
シェフが常に秤をみて、温度を見て、時計で測って、それだけで料理をするだろうか?必ず自らの舌で確認するし、その舌の精度が落ちない様により様々な事が感じられる様に努力するだろう。もちろん味覚は体調や環境で左右されるが、それでも、味覚で判断出来る舌を作り上げるだろう。
楽器を上手くなるのも同じで、出てくる音の違いが聴こえてその時にどう身体を使うかを覚えて、高い精度でコントロール出来ないと上手くなれない。
その為には言葉の手順に頼ったり、1つ1つの動作やパーツに切り離して考えてたんじゃゴールには辿り着かないと思うんだけどね。
いや、表現って本当に難しい。
僕は青が好きだけどその好きな青を言葉で完全に説明することは出来ない。見せてこれだよって言うことはできるが。
(でも、みなが同じ様に見えているとも限らない〜この辺りを突き詰めるのが本当のサイエンスだと思うが、それが音楽に役に立つかどうかは分からないな〜)
写真は30年前と今のアンブシュア。
全然違うね。
変えたので無くて、身体の使い方や音のイメージが変化したら勝手に変わった。
生徒も結構変化するんだよね。身体と音からのアプローチで。
(ただし、極端にずれたマウスピースの位置では苦労する事が増えるのは確か。)