準備とは身体の準備だけで無くて頭の中、イメージなど全てを含む。
その中に楽器を吹いている状態の高さまでちゃんと持ち上げて、ふらつかずに、しかも口元の変化に合わせて自然と力加減を身体に合わせる事が出来る様にキープ出来る事が凄く大切。
ラッパという楽器は他の金管楽器よりは小さくて軽いが、実は楽器の重さを支える位置が身体の芯より離れて居るので意外にその重さを支えるのは大変で、僕は左手の二の腕の裏辺りが口や身体より疲れる。
1kgちょっとの物を身体から離れた位置にキープしつつ、微妙な力をコントロールする事は簡単では無い。
(孔の無いナチュラルトランペットを右手で構えて大きなマウスピースで吹く時などは、本当に身体の全てのバランスが取れてないと上の方まで上がれないし、それを保つのには身体の力のバランスが取れた上で自然な呼吸が大事になる。)
試しに楽器を構えて口元から離して1分間全くぶれずに、しかも力加減がコントロール出来る様にキープしてみると感じ取る事が出来る。
さて、同じ疲れを楽器を演奏している時にちゃんと感じ取れているだろうか?
例えば、一分間同じ音をずっとタンギングし続ける~息が無くなったら間を空けても良いから息を吸いとにかく続ける~の後に同じ身体のバランスが保ちつつ、楽器をただ支えてた時と同じ腕の疲れを感じられるか?
もし、感じ無いと言う場合は腕で支えきれずに身体が段々と崩れて居たり、プレスという形で唇に楽器の重さをかけているかもしれ無い。
これは演奏する上で唇に大きな負担となる。プレスがどうしても強すぎて…と言う人は自分にとってスムーズに楽器が吹ける~息がスムーズに流れて唇の振動が自然に起こる楽器の位置をキープ出来ているか疑ってみても良いかも知れない。
今日、ある方のレッスンで、少し しつこい位にそこをチェックしたら、特に高い音でギュッと握り締めてプレスも強く、唇で音を掴む事からも離れられない状況が自然に解消された。
子供など身体が出来上がって居ない場合は、特にそこへの配慮が必要だなと改めて考えた。
上手い人の立ち姿(座り姿)や楽器の構え方が余裕が有ってゆったりと見えるのは、本人に特段に意識が無くても自然な呼吸が出来て、その人にとって口の一番良い位置にマウスピースが乗っかる様にキープされて居る事の表れでもある。