誤字ではありません、再開です。
自分がプロを名乗って初めての生徒。
当時、始めた頃は時間的に正直ギリギリのラインからのスタートでしたが、某教育大学に現役で入りました。
教える側のチカラが無い事も有りましたが、とても時間とエネルギーをかけて入試迄レッスンをした事を覚えてます。
今の自分のレッスンでのじっくりスタイルはあの時に生まれたのかも知れない…。時間を無視して体感出来る迄離さ無い~お節介とも言う(笑)
それが良いかはまた別です…。
教える時はトンっと突き放す事も大切ですから。
当時歯並びから来る顎関節症にも悩まされて居て、私の主治医を紹介して診察を受けました。歯の健康を含めて歯並びの矯正を勧められたにも関わらず楽器の為に実行せず。
その彼女が近年、顎の骨格から歯並びを矯正しました。
大学卒業後は楽器から離れた事も有り顎の骨を削る大掛かりな矯正を実行~公立病院での手術だったとの事。骨迄に及んだ術後は痛みや痺れにも悩まされた様です。
彼女は東京での生徒だったのですが、旦那さまの転勤で名古屋に移住して居て時々コンサートにも来てくれてました。不思議な縁です。
最近の三重ラッパのコンサートを聴きに来てくれ、また、楽器を再開したくなったとレッスンに通う事になりました。
歯が数本変わったので無くて、全く別の骨格になってます。でも、感覚は以前の吹き方を覚えて居る。
綺麗に上書きをしなくてはならない。
ラッパを吹くのに何が必要な要素で、どの感覚を重視して再びバランスを構築するか?
最初のレッスンでは無理してオクターブが出るかどうかでした。
元々音に対する感覚は敏感だったので、先ずは無理をやめてもらいある意味諦めて、下の音から自然に唇の振動が起きて音が響く感覚を耳と身体から導き出す事から始めました。
音を出そうとし無い事。自然に鳴る事。
歯を含めた骨格が以前より小さくなって居ます。以前の感覚だと力が遥かに大き過ぎる。以前は思い切って前歯の下迄下ろして居た上唇ももっと楽なポジションで大丈夫。
本人曰く他人の口。
3回目のレッスンではゲッチェルの一番~オクターブが心地良く吹ける迄になりました。最も良い音の頃には戻って来てる。
「楽しい!」
彼女の一言ですがそれは聴いてる側も同じ。
ここからは音域を如何に無理の無い技術で拡げられるか?
彼女には一つの挑戦だと思う。
しかし、教える私にも大きな仕事だと考えて居ます。
自分がラッパと音楽をどれだけ理解して居るか問われるレッスンです。
変わったから仕方ないよね~ではNG。
ハナシになりません。
ラッパの教師としてのこの20年を問われますね。
ラッパを吹くのに必要な要素をちゃんと理解して示して、以前の感覚の中で残す物と変に意識させずに新しい感覚に上書きさせる物をちゃんと見極めて伝える事。
彼女にとっては専門から趣味に変わっては居ますが、ラッパを通した音楽が人生を豊かにしてくれる物になる事を期待しながら手助けしたい。
受験の為のレッスンをして居た頃が懐かしい~歳食うわけだ。
※本人の承諾を得て書いて居ます。