すごく良い恋愛・青春映画を観ました。
ガソリンスタンドでアルバイトをしつつ高校に通うキース(エリック・ストルツ)は、学年の人気者でお嬢様のアマンダ(リー・トンプソン)が気になっている。父は進学先を早く決めろと言うが、キースにとって今一番大切なのはアマンダをデートに誘うこと。一方、彼の幼なじみワッツ(メアリー・スチュアート・マスターソン)もキースが好きだが、上手く伝えられなくて……。
ちょっと前の映画だし、そんなに好きじゃないかもと思っていたのですが、とっても良い恋愛映画でした!!高校生の四角関係というドロドロしそうな話なのに、なんだろうこの可愛さは……。80年代のアメリカ映画ってこんなに微笑ましかったのか。キースの爽やかさ(不器用ではあるんだけど)に加え、セリフが洒落ていて素敵なんです。脚本はジョン・ヒューズ。私は『ブレックファスト・クラブ』があまり好きになれなかったのですが、山崎まどかさんがヒューズ監督の良さを書いているのを読んで、観たくなってしまいました。そしたら大好きな映画になった……。『ブレックファスト・クラブ』の方が有名かもしれないけれど、私はこちらが好きです。
最大の好きなポイント:青春映画として最高
セリフが刺さるんです……。キースが父に言う「When does the life belong to me?/人生はいつ僕のものになるの?」が一番良かったです。10代の頃は多くの人が思うんじゃないでしょうか。でも、父を説得して今自分が一番やりたいことに集中したキースはかっこいいと思います。
キースとアマンダの間にも、所属しているグループが違うことから葛藤が生まれるのですが、そこも上手く描かれていました。特にアマンダがキースに言う、「あなたが描いた私の絵には、私のソウルじゃなくて顔だけが描かれてた。私を利用してたのはあなたのほうでしょ?」という言葉が良かったです。「美人で人気者」のアマンダを、飾りみたいに思ってるんでしょ、という視点を入れるなんてクリティカル……。そのことを認めて謝ったキースは、アマンダを自分のもののように言いふらしてた元彼とは対照的でした。
この二人はもちろん、ワッツが魅力的。キースとはすごく仲がいい幼なじみなのに、上手く好きだと言えず空回り。なのにキースがアマンダとデートできるよう徹底してサポートするところが泣かせる!
スマートながらまっすぐなセリフがたくさん詰まった映画でした。ラストも大好きです。
作品情報
『恋しくて』
監督:ハワード・ドゥイッチ
主演:エリック・ストルツ
製作年:1987
言語:英語
上映時間:95分
原題:Some Kind of Wonderful