阪神大震災から20年、忘れられない演奏会に出かけました 〜第75回PACオーケストラ定期演奏会〜 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

きょうは兵庫芸術文化センター@西宮北口 KOBELCO大ホールへ、

兵庫芸術文化センター管弦楽団 2014-15シーズン
第75回定期演奏会
佐渡 裕 マーラー「復活」

を聴きに行きました’。

■プログラム
マーラー:交響曲 第2番 ハ短調 「復活」

■アンコール
バーンスタイン:「キャンディード」より「僕らの畑を耕そう」


■出演者
指揮・芸術監督 佐渡 裕
ソプラノ 並河 寿美
メゾ・ソプラノ 清水 華澄
合唱指揮 矢澤 定明
合唱 ひょうごプロデュースオペラ合唱団&オープニング記念第9合唱団
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団(通称:PACオーケストラ)

2015年1月17日の17時46分ーー20年前の同日、阪神大震災が起こった時刻の12時間後ーー指揮者の佐渡裕さんがマイクを持って登場。
演奏会や曲目決定の経緯の説明の後、聴衆全員が起立して、黙祷を捧げました。
佐渡さんいったん退場後、チューニング(音合わせ)、そうして再び登場。

演奏開始。

第1楽章の終わった後に独唱ソプラノ(並河 寿美さん)、独唱メゾ・ソプラノ(清水 華澄さん)が登場。

素晴らしい演奏でした。

第5楽章のラストでは「宇宙が鳴り響いている」ような圧倒的な音響に感動して、泣きました。
歌詞も印象的。

おお、信じよ、おまえは空しく生まれたのではない!
空しく生き、苦しんだのではない!

生まれ出たものは、必ず滅びる。
滅びたものは、必ずよみがえる!
震えおののくのをやめよ!
生きることに備えるがよい!

おお、あらゆるものに浸み渡る苦痛よ、
私はおまえから身を離した!
おお、あらゆるものを征服する死よ、
いまやおまえは征服された!
私が勝ち取った翼で
愛への熱い欲求のうちに私は飛び去っていこう、
かつていかなる目も達したことのない光へと向かって!

私が勝ち取った翼で
私は飛び去っていこう!
私は生きるために死のう!
よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう、
わが心よ、ただちに!
おまえが鼓動してきたものが
神のもとへとおまえを運んでいくだろう!

演奏時間90分の大作である『復活』の演奏終了後、まさかのアンコール!
佐渡さんのお師匠で20世紀を代表する指揮者・作曲家のバーンスタインが書いたオペラ(ミュージカル?)「キャンディード」から「僕らの畑を耕そう」。
演奏も素晴らしいですが歌詞も素晴らしい。
また泣きました。

君も僕もばかをやってきたけれど
僕のお嫁さんになってくれないか
そして死ぬ前に
僕らの人生に何か意味を作れるよう
やってみようよ


僕らは純粋でも賢明でも善良でもない
でもベストを尽くさないと
僕らの木を切り家を建てよう
そして僕らの畑を耕そう

忘れられない晩になりました。



※マーラーの『復活』の初演は1895年12月13日だそうですが、日本では明治28年、前年1894年から始まった日清戦争が終わって、台湾が日本領土になった直後。
ずいぶんむかしの音楽なんだなあと意外に思いました。
マーラーが敗血症で亡くなった1911年なんて明治44年ですしね。