きょうは、
グランフロント大阪ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター(グランフロント大阪北館の地下2階)に
グランフロント大阪ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター(グランフロント大阪北館の地下2階)に
の講演を聞きに行ってきました。
以下、リンク先より引用。
以下、リンク先より引用。
平成22年度発足の文部科学省新学術領域研究「多階層生体機能学」は、
創薬ならびに臨床応用が期待できる統合計算モデルの構築と解析を可能にするプラットフォーム開発を目指しています。
同時に、全身薬物動態から心臓電気現象に至る分子レベルから生体レベルの多階層生体システムの理論と実証研究を進めています。
本シンポジウムでは、これまでの成果を分かりやすく概説するとともに、今後の展開に関して、
特に未病・予防・予測医学実現のために必要な学術研究に関して、専門家とフロアの聴講者と議論を行います。
創薬ならびに臨床応用が期待できる統合計算モデルの構築と解析を可能にするプラットフォーム開発を目指しています。
同時に、全身薬物動態から心臓電気現象に至る分子レベルから生体レベルの多階層生体システムの理論と実証研究を進めています。
本シンポジウムでは、これまでの成果を分かりやすく概説するとともに、今後の展開に関して、
特に未病・予防・予測医学実現のために必要な学術研究に関して、専門家とフロアの聴講者と議論を行います。
文部科学省 新学術領域研究「多階層生体機能学 HD Physiology」シンポジウム
多階層生体機能学のさらなる発展 ~未病・予防・予測医学実現に向けて~
多階層生体機能学のさらなる発展 ~未病・予防・予測医学実現に向けて~
主催:文部科学省新学術領域研究「多階層生体機能学 HD Physiology」/大阪大学大学院医学系研究科分子・細胞薬理学
共催:特定非営利活動法人臨床研究教育支援センター(SCCRE)医工連携部門In-silico Human研究会・循環薬理研究会
後援:一般社団法人臨床医工情報学コンソーシアム関西(予定)
後援:一般社団法人臨床医工情報学コンソーシアム関西(予定)
「未病・予防・予測医学の実現のために必要な学術研究」に関することなら、
洋の東西を問わず、勉強したい。
それに、創薬とか統合計算モデルの構築と解析とか、そういう方面はシロウトだから、
仮に講演の内容が分からなくてもプライドはさほど傷つかない(笑)
ということで、以下、講演メモからいくつか。
(分からなくてもメモはとる主義です)
プログラム
13:30-13:40 開会のあいさつ
宮原秀夫(臨床医工情報学コンソーシアム関西・会長/大阪大学・元総長)
13:40-13:50 あいさつ 堀内 義規(文部科学省研究振興局ライフサイエンス課・課長)
13:50-14:20 「多階層生体機能学領域オーバービュー」 倉智嘉久(大阪大学・教授)
●病気が発生するしくみをシミュレーションできるソフト「セルデザイナー」や「ガルーダ」のお話。
ソフトを動かす(プログラムを記述する)言語、
SBGN(The Systems Biology Graphical Notation)や
PHML(Physiological Hierarchy Markup Language )は
日本が主導し、世界標準へ!
13:40-13:50 あいさつ 堀内 義規(文部科学省研究振興局ライフサイエンス課・課長)
13:50-14:20 「多階層生体機能学領域オーバービュー」 倉智嘉久(大阪大学・教授)
●病気が発生するしくみをシミュレーションできるソフト「セルデザイナー」や「ガルーダ」のお話。
ソフトを動かす(プログラムを記述する)言語、
SBGN(The Systems Biology Graphical Notation)や
PHML(Physiological Hierarchy Markup Language )は
日本が主導し、世界標準へ!
●そういったコンピュータ・シミュレーションによる研究成果の紹介
例:心筋の解剖学的機能構造が心臓の頑健性と関連していることが分かった
●次世代生体機能シミュレーションプラットフォームの構築で
『慢性的な疾患が、正常からどのように移行して疾患に繋がるのかを数理的に解析する方法論の確立』を目指す
↓
病気の発症のメカニズムが分かる & 対策(予防)のための貴重なデータになる
14:20-14:50 「小分子体内循環ホメオスタシスの多階層的理解と臨床応用にむけて」 鈴木洋史(東京大学医学部附属病院・教授)
詳細は『これからの薬物相互作用マネジメント』(じほう)を参考。
●痛風の原因 →小腸にも原因? ~ABCG2が小腸からの尿酸排泄に関与
尿酸産生過剰・腎排泄低下・腎外(小腸)排泄低下の複合的な影響の結果としての痛風
●インスリン分泌→筋肉等での血糖取り込みが亢進→血糖低下
ところがインスリン抵抗性(筋肉等の血糖取込みの機能不全)が上がると
慢性高血糖→膵β細胞の機能低下→インスリン抵抗性上昇→・・・の負のスパイラルに陥り糖尿病を発症
生体には簡単に負のスパイラルに陥らないよう、多臓器連関のネットワーク構造がある
※東洋医学の「五行理論」「臓腑病証」の考え方に近い!
●動的ネットワークバイオマーカー理論(DNB理論)
【参考論文】Detecting early-warning signals for sudden deterioration of complex diseases by dynamical network biomarkers
●未病とは「多臓器連関のネットワーク構造の変化」のこと
●慢性疾患とは「多臓器連関によるホメオスタシス機構の破綻」のこと
【参考URL】マイナビニュース テクノロジー「東大生産研、早期診断や病態悪化の予兆検出を可能とする理論の有効性を証明」
14:50-15:20 「高齢心不全患者における問題点」 山本一博(鳥取大学・教授)
15:20-15:50 「慢性腎臓病の病態、治療、予防の現状と課題」 内田信一(東京医科歯科大学・准教授)
例:心筋の解剖学的機能構造が心臓の頑健性と関連していることが分かった
●次世代生体機能シミュレーションプラットフォームの構築で
『慢性的な疾患が、正常からどのように移行して疾患に繋がるのかを数理的に解析する方法論の確立』を目指す
↓
病気の発症のメカニズムが分かる & 対策(予防)のための貴重なデータになる
14:20-14:50 「小分子体内循環ホメオスタシスの多階層的理解と臨床応用にむけて」 鈴木洋史(東京大学医学部附属病院・教授)
●薬物代謝酵素CYP3A4を介する薬物間相互作用 →「併用禁忌」と「併用注意」の境界は?
(例)ボリコナゾール(ブイフェント(R)) の併用禁忌はトリアゾラム/併用注意はHMG-CoA阻害薬
(例)オキシコドン徐放錠に(併用「注意」の)ポリコナゾールを投与したところ、オピオイド中毒様のせん妄状態に!!
(例)ボリコナゾール(ブイフェント(R)) の併用禁忌はトリアゾラム/併用注意はHMG-CoA阻害薬
(例)オキシコドン徐放錠に(併用「注意」の)ポリコナゾールを投与したところ、オピオイド中毒様のせん妄状態に!!
詳細は『これからの薬物相互作用マネジメント』(じほう)を参考。
●痛風の原因 →小腸にも原因? ~ABCG2が小腸からの尿酸排泄に関与
尿酸産生過剰・腎排泄低下・腎外(小腸)排泄低下の複合的な影響の結果としての痛風
●インスリン分泌→筋肉等での血糖取り込みが亢進→血糖低下
ところがインスリン抵抗性(筋肉等の血糖取込みの機能不全)が上がると
慢性高血糖→膵β細胞の機能低下→インスリン抵抗性上昇→・・・の負のスパイラルに陥り糖尿病を発症
生体には簡単に負のスパイラルに陥らないよう、多臓器連関のネットワーク構造がある
※東洋医学の「五行理論」「臓腑病証」の考え方に近い!
●動的ネットワークバイオマーカー理論(DNB理論)
【参考論文】Detecting early-warning signals for sudden deterioration of complex diseases by dynamical network biomarkers
●未病とは「多臓器連関のネットワーク構造の変化」のこと
●慢性疾患とは「多臓器連関によるホメオスタシス機構の破綻」のこと
【参考URL】マイナビニュース テクノロジー「東大生産研、早期診断や病態悪化の予兆検出を可能とする理論の有効性を証明」
14:50-15:20 「高齢心不全患者における問題点」 山本一博(鳥取大学・教授)
●心不全の生存率はがんと同等かそれ以下
●心不全には収縮不全型(左室駆出率低下)と拡張不全型(左室駆出率は保持=左室がかたくなってしまう)があるが、
拡張不全型心不全の治療法は残念ながら現在のところない
●心不全には収縮不全型(左室駆出率低下)と拡張不全型(左室駆出率は保持=左室がかたくなってしまう)があるが、
拡張不全型心不全の治療法は残念ながら現在のところない
●心不全の病態理解と治療介入の新たな視点としてFrailty(衰弱、虚弱=生理的予備能&ストレス抵抗性の低下)がある
・高齢者の7~32%がFrailty →高齢者においてFrailtyは心不全発症の危険因子
・高齢心不全患者の予後にもFrailtyが関与
※東洋医学の「気虚」の考え方に近い!
●栄養状態も関与 ~心不全の肥満パラドックス(Obesity Paradox)~
・肥満:収縮不全型心不全の発症のリスク因子
・高BMI(小太り)の方が収縮不全型心不全の予後がよい
→実際は脂肪ではなく、筋肉量が関与
※高齢者の運動の必要性・意義を確認できそう!
●心不全患者の突然死予防と医療費
・ICD(Implantable Cardioverter-Defibrillator 植え込み型除細動器:ペースメーカー機能つきあり)の埋め込み
初回500万円(ベンツ1台分) & 5年に1回交換 400万円
・高齢者の7~32%がFrailty →高齢者においてFrailtyは心不全発症の危険因子
・高齢心不全患者の予後にもFrailtyが関与
※東洋医学の「気虚」の考え方に近い!
●栄養状態も関与 ~心不全の肥満パラドックス(Obesity Paradox)~
・肥満:収縮不全型心不全の発症のリスク因子
・高BMI(小太り)の方が収縮不全型心不全の予後がよい
→実際は脂肪ではなく、筋肉量が関与
※高齢者の運動の必要性・意義を確認できそう!
●心不全患者の突然死予防と医療費
・ICD(Implantable Cardioverter-Defibrillator 植え込み型除細動器:ペースメーカー機能つきあり)の埋め込み
初回500万円(ベンツ1台分) & 5年に1回交換 400万円
1万人近いひとが埋め込み →医療費 約500億円!
・ICD埋め込み/交換時の感染症のリスクは無視できない!
●今後の課題は「Frailtyに対する介入と予防」「致死性不整脈の予防」
・ICD埋め込み/交換時の感染症のリスクは無視できない!
●今後の課題は「Frailtyに対する介入と予防」「致死性不整脈の予防」
●現在、人工透析患者30万人(日本人の420人にひとり)
×年間医療費300万円 =1.5兆円!(すべての国公立大学を賄う額より多い)
●慢性腎疾患患者 1300万人(日本人の8人にひとり)
●心腎連関
CKD(慢性腎疾患)とCVD(慢性心疾患)は体液調節機構の低下・高血圧や貧血を介した内皮細胞の傷害による動脈硬化の点で関係している
●蛋白尿が多いと心臓病になりやすいというデータがあり
●RAS(レニン・アンジオテンシン系)阻害薬で血圧降下&腎子球体の温存が望めるが、やりすぎると虚血性腎疾患になるので慎重に
×年間医療費300万円 =1.5兆円!(すべての国公立大学を賄う額より多い)
●慢性腎疾患患者 1300万人(日本人の8人にひとり)
●心腎連関
CKD(慢性腎疾患)とCVD(慢性心疾患)は体液調節機構の低下・高血圧や貧血を介した内皮細胞の傷害による動脈硬化の点で関係している
●蛋白尿が多いと心臓病になりやすいというデータがあり
●RAS(レニン・アンジオテンシン系)阻害薬で血圧降下&腎子球体の温存が望めるが、やりすぎると虚血性腎疾患になるので慎重に
15:50-16:10 休憩
16:10-16:40 「動的ネットワークバイオマーカーによる未病状態の検出」
合原一幸(東京大学・教授)
●動的ネットワークバイオマーカーの概念の導出
【参考URL】
複雑系数理モデル学の基礎理論構築 その分野横断的科学技術応用 合原一幸(PDFファイル)
非線形世界の偶然と必然と 非線形科学の個別化医療への応用 合原一幸(PDFファイル)
●数理モデルに基づくテーラーメードな前立腺がん内分泌療法プロトコルの確立
●継続的内分泌療法(CAS:continuous courses of androgen-suppressing therapy)から
間欠的内分泌療法(IAS:intermittent courses of androgen-suppressing therapy)へ!
●継続的内分泌療法(CAS:continuous courses of androgen-suppressing therapy)から
間欠的内分泌療法(IAS:intermittent courses of androgen-suppressing therapy)へ!
●動的ネットワークバイオマーカーの概念の導出
従来の問題点:単独バイオマーカーの限界 & 病態悪化の予兆検出可能なバイオマーカーは未発見
↓
個々のバイオマーカーとしての性能はそれ程高くなくてもネットワークとしては極めて高機能で、様々の難病において病態悪化の予兆検出が可能な、全く新しいネットワークバイオマーカーの概念を提案(特願2012-211921 特願2012-233886)
【参考URL】
複雑系数理モデル学の基礎理論構築 その分野横断的科学技術応用 合原一幸(PDFファイル)
非線形世界の偶然と必然と 非線形科学の個別化医療への応用 合原一幸(PDFファイル)
16:40-17:10 「多階層生体機能学のさらなる発展」 北野宏明(沖縄科学技術大学院大学・教授)
割愛
17:10-17:20 閉会のあいさつ
鈴木洋史(東京大学医学部附属病院・教授)17:40-19:40 意見交換会(懇親会) ※参加せず