内田百閒も食べた「タマネギのあぶらいため ウスターソースがけ」はおいしい!! | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

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鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

きょう、患者さまから淡路島産のタマネギをいただきました。
大きな玉で10個ほど。

こういうのはシンプルに調理するのが一番。
オリーブオイルで炒めたものにウスターソースをかけて食べました。

おいしかった! 甘味がちがいます!

■ ■ ■

わたしの文章の先生で夏目漱石の弟子だった内田百閒(1889-1971)は学生時代、下宿先のおばさんに「西洋料理が食べたい」とリクエストしました。
すると、ヘット(牛脂)で炒め、自家製ウスターソース(?)をかけた「タマネギのあぶらいため」が毎日「西洋料理」として出たそうです。

「路地に近くなると、その辺まで何とも云われないおいしそうな御馳走のにおいがにおって来る。西洋料理のにおいである。路地の暗い道にその香りが流れている。」
「路地いっぱいに堪らないにおいを漂わした御馳走は、玉葱のあぶらいためである。あぶらはヘットかラードか知らないが、それにソースをかけて賞味する。ソースは容器の瓶は本物のウスターでレッテルもその儘であるが、中身はおばさんの自製で、酢醤油に七味唐辛子と胡椒を入れて煮ただけのインチキソースだが、それでもうまい。そうして御馳走はそれだけで、外になんにもない。玉葱は肉に添えたのでなく、玉葱その物だけの御馳走である。」
(内田百間 『壁隣り』  ~ちくま文庫 「内田百間集成19 忙中謝客」)

「酢醤油に七味唐辛子と胡椒を入れて煮ただけ」

何だかインチキソース(?)の方が美味しそうです。

ちなみに、今晩わたしが使った「カゴメ ソースウスター醸熟」の原材料は次の通り。

「野菜・果実(トマト、たまねぎ、にんじん、その他)、醸造酢、糖類(砂糖、ぶどう糖)、食塩、アミノ酸液、香辛料、発酵調味料、カラメル色素、香辛料抽出物、甘味料(甘草)、(原材料の一部に大豆、りんごを含む)」

タマネギはまだまだあります。

明日はポトフにしようかと思っています。
でも、単純に味噌汁の具にしてもおいしそうです。おいしいでしょう。きっと。

小松左京(1931-2011)だったか、

「煮ても焼いても生でも食べられ、保存もきくタマネギは実にチャーミングな野菜」

とタマネギを絶賛していましたが、わたしも彼の意見に賛成です。
タマネギとキャベツは食材の名わき役、重宝する野菜の双璧だと思います。