2023/5/8 

 

渋谷LOFTで行われたtip Toe.の今宵めみ、ソロイベント「めみちゃんが歌います」に行ってきた。

tipはライブ以外に不定期にメンバーのソロイベだったり変則的なイベントが多い。

個人的にこういう「課外活動」は大好き。

元々初めに「tipをちゃんと見よう」と思って行ったイベントも「喫茶カスミソウ」というtipの世界観をモチーフとしたコラボ喫茶の閉店イベントだった。

 

もっとも肝心の「未波あいり」のイベントには繁忙期だったりで未だに行けてない。

実を言うとメンバーのソロイベに行くのはtipではめみたそが初めてであった。

 

前回の4/29の無銭イベントでライブ中にふと5/8の夕方に面接を入れてしまった事に気付いた。

その旨をめみたそに言うと「あんまり時間が早いと皆困りそうなので遅めにしてあるよ」と言われた。

確認すると19時開場だった為、特に問題は無かった。めみたその配慮に感謝した。

 

とはいえ定時に会社をあがり渋谷に着いた頃には18時50分を回ろうとしていた。渋谷LOFTってどっちから行くのが一番早いのか?何回来ても悩む。とりあえず109の右側から東急方面経由、といういつもの向かい方をした。現場に着くとぎりぎり呼び出し開始前に辿り着いた。



いつもなら「茜の宮園ゆうかの落ちサビに前に突っ込まないと気が済まないおじさん」と行くのだが、今日はぼっち参戦だった為、会場内の一段あがった真ん中テーブルに席を取った。実は渋谷LOFTで食事を食べた事がない。歩いている途中で小腹がすき始めている事に気付いた僕は、初の「渋谷LOFT飯」を食べる事に決めていた。とりあえずこの日はめみたそ考案のオリジナルカクテルがあったので飲み物はそれを頼むことにした。一応配慮でアルコール入りとノンアルの2種類での販売。食事はそれなりにがっつり食べたかったのでインドカレーを頼んだ。最後に抽選会があるらしく、2品以上頼むと抽選券が貰えた。ライブ中の注文も合わせて僕は3枚抽選券を貰った。なんとなく今日は当たる自信があった。



19時半になりめみたそが登場した。

まずは一曲目…。ごめん、おじさんこの曲分からない…。会場内は盛り上がっているので有名な曲なのかもしれないのだが、昔の洋楽しか聴かない為アイドル以外の邦楽が殆どわからない。あ、あれかな?最近人気あるっぽいYOASOBIの曲なのかな?勝手な憶測を立てる(トークでぼっちザ・ロックの曲と判明。自分の浅はかな推測に失望)。

 

登場からずっと「緊張する!」「みんな見ないで」「いや、やっぱり見て」「いや、やっぱりご飯食べてて」と矢継ぎ早に繰り出していく。どうやらめみたそはディナーショーぽい感じにしたいようだった。丁度食事が運ばれてきた僕は遠慮なく曲を聴きながらインドカレーを食べた。アイドルライブを見ながら食事をするのは初めての体験だった。しっかりと味付けがされており、めみたその歌を聴きながら食べるカレーは想像以上に美味しかった。

 

そして二曲目…。ごめん、おじさんやっぱりこの曲もわからない…。一応ブログを書こうと思っていたのでメモる気まんまんだったのであるが、邦楽のカバーをやられるとお手上げになってしまった。

とはいえ、つまらないとかではなく、ここまでの2曲はアップテンポで聴いているだけで楽しい。

 

2曲を歌い終えるとトークコーナーになった。渋谷LOFTは後方でも見やすいと言えば見やすいがそれなりに距離がある。めみたそは目を細めて「後ろも見えてるよ」と手を振った。とはいえ、そこまでハッキリ見えていないのか、横にいる運営さんに何やら耳打ちをした。暫くすると運営さんが手でOKサインを出した。どうやらステージを降りて会場を回れるか確認取っていたらしく、OKが出るとめみたそはステージを降り、会場内を歩き始めた。一人一人に向かって手を振って声をかけていく。途中で「なんか、乃木坂になったみたいだね」言っていて笑ってしまった。

 

ステージに戻るタイミングでスタッフがステージ上のテーブルにドリンクと幾つかの食べ物を置いた。ドリンクはオリジナルカクテルなのだが「これはアルコール入ってません」と報告した。が、次に「でも、先に白状すると2杯目は生ビールです」と続けると場内が盛り上がった。どうやらめみちゃんは生ビールが大好きらしい。そういえば数日前のツイートで宮園さんと呑み行こうみたいなやり取りしてたもんね。LOFTで好きなのはなんちゃらポテト(名前失念)と教えてくれた。次は瓶ビールとなんちゃらポテトを頼むことにした。



 

トークコーナーでは他にも衣装をりんちゃんに借りたとか靴がかわいい、見せて、はい、後ろの人も見える、みたいな観客とのやり取りを交えたトークを繰り広げていく。あ、これリアル版配信じゃん。目の前にリアルのめみたそはいるのだが、めみたその縦横無尽に駆け回るトークはいつもファニコン等の配信で見せているめみたその姿そのものであった。


GWは新潟にエビ中で遠征をしただけであった。エビ中新潟は今回のツアーで1番狭いキャパ、かつ知り合いが用意してくれた席は良番でメンバーがめちゃめちゃ良く見えた。新曲、新体制でのエビ中は文句無しに素晴らしかった。ただその一方ですっかりエビ中は「たまにライブで見るだけ」になってしまった僕としてはエビ中のステージを見ていても「曲良いね」「かわいいね」、どこか客観的になってしまっている。エビ中メンバーには僕の人生は乗っかっていない。ふとエビ中を見ながらtipやクマリメンバーの事を思い出してしまった。


よく言われるように地下アイドルの魅力は「近さ」である、と個人的に思う。ただそれは物理的距離というよりも心理的距離、というか。上手い表現が見つからないが「同じ時代を生きている」感。地下アイドルがTwitterでヲタクを見ている事は日常茶飯事であり、こちらが向こうを見ているのと同様に向こうもこちらを見てくれている。特にめみたそはヲタクの日常ツイートにもいいねをくれるので仕事帰りの有楽町のほていちゃんで呑むツイートにもいいねが来ると「そこはしなくてええんやで」と思いながらも嬉しくなってしまう。


めみたそのわちゃわちゃしたトークを見ながらすっかりその距離感の居心地の良さに浸っている自分に気付いた。


トークコーナーが終わると今度はしっとりとしたバラード2曲を歌った。1曲は知っている曲、ではあるのだがタイトルが思い出せない…。「がんばって〜いるからね〜」みたいな。なんだっけ?中島美嘉???邦楽疎くてすみません…。


バラード2曲を終えると数分の休憩になった。

が。

サービス精神旺盛なめみちゃんは控え室に行ったかと思いきやすぐ出てきた。

「まだ休憩だよ。みんな見に来ただけ。そのまま喋ったりご飯食べてて」。めみたそはなんちゃらポテトをもぐもぐと食べながら会場内をじろじろと見ていた。アイドルがヲタクを観察する不思議な時間だった。


休憩なのかご褒美なのかよく分からない時間を終えて再びステージが再開した。ここからはtipToe.曲のソロバージョンであった。1曲目は「ユナイト」。個人的にtipToe.良いな、と思ってアルバムを聴いてまず初めに刺さった曲なので思い出深い。続いて「春の風速、帳が揺れて」。グループで聴いている時は全く感じなかったのだが、1人で歌っていると情報量の多さに驚く。よくこれ1人で歌えるな。この2曲は動画撮影OKではあったのだがめみたそ的には不本意な部分もあったらしく、後ほど「あげる時は良い場所にしてね」「あとサムネもちゃんとしてね」と言われた。いやいや、それでも凄いよめみちゃん。


2曲を歌い終えると「これで終わりでーす」と告げた。お決まりの「えー」「今来たばっかー」の声が上がる。焦らしつつ、ここでギターが用意され「実はこれが本日のサプライズです!」とめみたそは元気よく告げた。どうやら数ヶ月?ギターをこっそり練習していたらしい。1曲目でぼっちザ・ロックの曲を披露した今日のライブはラストにめみたそ自信がぼっちちゃんそのものになろうとしていた。


やる、と決まっているのに歌姫は「やっぱ無理」「なんとかして」とまたまたジタバタと騒いでいる。その姿、まさにぼっちザ・ロック。当初はここからは撮影NG、の予定ではあったのだが「とりあえず撮って。あとで決める」との事。そうして始まったのはtipToe.1曲「ナイトウォーク」出会った。一応コード弾き程度は出来る僕はギターというのはアップテンポの曲の方が誤魔化しは効く、と思っている。が、しかし、ナイトウォークはゆっくりとした曲。1音1音のカッティングの間が難しい。よくこれを選んだ。


終わるとめみたそはやっぱり「やだぁ」「だめだぁ」と騒いだ。いやいやいや。勿論「プロ並み!」とは言わない。ただ、初披露としては驚くレベルだったし、なによりこれより酷いアイドルのギター、散々聴いてきている。僕は素直に大きく拍手をした。


めみたそは会場内を再びゆっくりとぐるりと見回し「うん、全員名前わかる」と言った。笑った。


アイドルってなんだろう?10年少しドルヲタをして数多のアイドルを見ているのに実はよく分かっていない。多分それはアイドルもそうなんじゃないだろうか?正解がありそうで無い雲を掴むようなジャンル、それがアイドル、なのかもしれない。でも僕はこの日の、ヲタを一人一人を疎かにしないめみたそを眺めながら「めみたそは誠実なアイドルだな」と思った。


一応動画はやっぱり1部だけならOK、との事となった。


最後は抽選会になった。サイン入りギターピック5人分とサイン付きチェキが4人分、合計9人分。当たる気満々でいたのだが…当たりませんでした。病みました。もう他界します。嘘です。


GW明けにも関わらず会議会議面接、と久しぶりに現実を突きつけられてちょっとウンザリしていた月曜日は、めみたその1時間半の歌とトークですっかり洗い流されていた。


特典会に行くと「時間、間に合った?」と聞かれた。どうやら前回「間に合わないかも」と話していたのを憶えていてくれたらしい。


「うん、大丈夫だったよ」


そんな何気ない会話がいつも以上に嬉しかった、GW明けの月曜日の9時だった。



おしまい









 2023/4/29 brute eyes vol.2


世間はGWに突入した、らしい。普通に5/1、2が出勤な僕にはその自覚が、無い。


4月は決算ゆえ、毎年現場数が少なくなる。今月もクマリ 3、tip 2、ukka1の6現場しか行ってない。ん?いや、これって少ないのか?普通の基準がわからない。


今日のイベントは無銭の対バンであった。ドリンク代600円がかかるのみ。お得ポーン





ukkaとレーベルメイトのCYNHNは名前だけ知ってる程度で、後のグループは、申し訳ないがどこも初耳のグループだった。


チケットが完売している為、混雑しそうだが番号も特に良いわけでも無いし、PRISMNの途中から入場した。会場は渋谷のWWW。ここは元々20年位前まではミニシアターであった。まだ日本では殆ど知られていなかったクエンティン・タランティーノのデビュー作「レザボア・ドッグス」やジョン・ウォーターズの怪作「シリアル・ママ」はここで観た。ライブハウスとしては珍しく傾斜が激しいのは映画館時代の名残である。


前日のめみたそのツイートでWWWをメンバーが楽しみにしているのが感じられた。こういうツイートは嬉しい。

否が応でも、期待値が上がる。  


https://twitter.com/memi_tiptoe/status/1651923505934639106?t=V-g1H6N0_Iw2TDLynsAytw&s=19


場内は既に満遍なく埋まっているのだがPRSMINの時間帯はまだ階段に空きがあったので上手前方に場所を取った。ヲタクの動き次第では、前方に移動しようかと思ったのだが、前方にいたPRSMINヲタク達が「tipToe.は楽しいから見てこうよ」と話していたのでそのまんま階段で見ることにした。


PRSMINが終わった時点で5分程押してるようであった。


出だしは珍しく静かな曲調のblue moonからスタートした。冒頭のりんちゃんのダンスはいつ見ても、見惚れる。1期曲ながら1期を知らない僕には2期で完成した曲に思える。


続いてはfifthRulerから「静かな海」「Hello.world」と続いた。対バンでこういう流れは珍しい。ここまでは完全に「見せるセトリ」であった。


「面白いなあ」


考えてみると今日は30分、と対バンにしては長尺タイテである。15分のセトリ、30分のセトリ、45分のセトリ、場所によって対バン相手によってアイドルのステージは全く違った表情を見せる。短いセトリの時は早急に盛り上げる必要がある為ここまでじっくり見せるセトリは見せないであろう。が、今日のtipToe.は30分セトリゆえ前半をきちんと「見せる」。

 

基本的にここまではシリアスな曲調ゆえ、メンバーは笑わないのだが、あいりちゃんがほんの少し笑みを浮かべていたのが印象的だった。何かを見て笑ったのか、ライブが楽しくて笑ったのか。そんなライブならではの細かい予定調和がずれた瞬間、たまらなくこの瞬間が愛おしく思える。シリアスな曲なのだが、僕はマスクの下でニヤニヤしてしまった。


前半が終わると激しい「さくら草の咲く頃に」、で会場の雰囲気をがらり、と変えた。慌ててペンライトを青にして振った。


続いて楽しい「シャッターチャンス」がはじまる。場内は当然の事ながらtipToe.ファンだけでは無いのだが、場内の一体感がぐんぐんあがっていくのを肌で感じる。歌い出しで会場中に手を振るめみたそ。前日のTwitterの事もあり、余計めみたそが楽しんでいるように見えた。


「シャッターチャンス」はその後「Ineterlude」に繋がり「星降る夜、君とダンスを」に繋がった。tipToe.の好きな所のひとつは「Ineterlude」で矢継ぎ早にボルテージを掻き立てる所だ。先週の新宿LOFTは25分セトリだったので「Ineterlude」が無かった。別に無くてもそれはそれで良いのだが、少なからずとも「Ineterlude」が挟み込まれるtipToe.は最高だ。


壁側、スピーカー前にいた為、それまではコールやMIXが余り聞こえてなかったのだが「星降る」になった瞬間怒涛のコールが場内にグワングワンと響き渡った。


2期入りで、tip現場でコールなんか殆ど入れたことは無いのだが、流石に熱気に煽られて気付くと

マスク越しに大声をあげていた。


「あいりー、あいりー、おーれーのあいりー」


前半では「きちんと見せていた」メンバーが観客の熱気で後半では「明らかに」崩れていた。ステージに用意されていたお立ち台にあがり客を煽る。目の前であいりちゃんとりんちゃんが頭をぶつけたらしくエヘヘ、と笑った。メンバーが楽しんでいるのが手に取るようにわかった。気付くとメンバーの顔の汗がすごい。無銭なのにかつてない位の熱量。先週の新宿LOFTの「星降る」も最高だったのだが、ステージの高い天井、傾斜の付いたフロアはより開放感、一体感に満ち溢れ間違いなくベストを更新してしまった。


30分。そこそこ長尺セトリと思っていたのだが「あれ?これで終わりなの?」と思ってしまった位一瞬に思えた。


時間が押していたせいか最後の挨拶は簡素なものだった。めみたそが5月の恵比寿リキッドルームで3rdワンマンの告知「だけ」した。来月のワンマンまで幾つかライブはあるのだが、ワンマンだけ告知した事に感心した。目標は明確な方が良い。3rdワンマンまでもうひと月を切っているのだが正直実感がわかない。メンバーは不安だったりするもんなんだろうか?


tipToe.のステージが終わった。


僕の目の前にいた、多分他のヲタクと思われる数人が


「地下アイドルの1番良い所集めたようなステージだったな」と話していた。


わかる。それなー。

知らない人に脳内で同意した。


特典会がはじまった。あいりちゃんが絶賛していた「RRR」の話をした。正直言うと僕は友人たちと観に行ったのだが、観る前に酒を呑みすぎて途中まで爆睡してたので語れない。


「インド映画って他に観たことあるの?」


なんとなく聞いてみたものの、僕自身が人生で観たインド映画もそう多くない。


「ムトゥ踊るマハラジャ」

「スラムドッグミリオネア」

「きっと、うまくいく」


中でも「きっとうまくいく」はそれまでどちらかというとバカ映画、の範疇で日本では受け止められていたインド映画が初めて正当に評価された映画に思う。


あいりちゃんは


「あるよ。きっと、うまくいく観たよ」


別に推しと趣味が合う合わないなんか気にしてはいないのだが、それでもあった瞬間は少しだけ嬉しくなる。


来月の3rdワンマンも「きっと、うまくいく」。そう確信させてくれた素晴らしい無銭対バンだった。



おしまい




















4/21 PM19:06


LINEブログの消滅でもうブログなんて書かなくて良いや、と思ってたんですが、とてもとても暇なので初めてアメブロで書いてみる。


3/30にクマリデパートの武道館ライブが終わった。去年の10月から足繁くtip Toe.に通っていたのだが、クマリ武道館直前はそちらに集中していた為、結局3月はめみたそ生誕とFCイベントに行っただけで終わってしまった。


いつもは会社に定時に来て(週の何日かは遅刻)、Twitterをぽちぽちして定時に帰る(月の何日かは早退)していれば良いだけなのだが3ヶ月に一度の繁忙期だけは仕事に集中せざるを得ず、4月上旬はクマリの武道館アフターイベントとukkaの春ツアー千秋楽しかチケットは取っていなかった。


その間、tipToe.は未波あいり、宮園ゆうか、1期の日野あみのトークイベントがあったりしたのだが行く余裕はまるで無かった。


finger runs(略称フィンズ)、はBELLRING少女ハート、やMigma shelterの事務所、アクビが立ち上げた新グループである。あまり詳しくないので詳細を省くが僕個人は2月位からTwitterでその名前をちょくちょく見かけていたし、何人かの友達が通っている事を把握していた。中でも「兎月こむぎ」が毎朝している「おはようしてー」ツイートが面白く気付くと僕は「おはようしてー」ウォッチャーになっていた。


そんな訳でフィンズは「近々見たいグループ」リスト入りをしていた。


繁忙期終わりのタイミングで、フィンズ、とtipToe.が出るエクストロメが発表された。すぐにチケットを叩いた。


仕事を早退し新宿LOFTに向かう。場内に入り、下手側の壇上最前を取った。



1組目のシンダーエラは初めて見るグループだった。シンダーエラが終わり場内を見渡すと、最近フィンズにはまっている友達を発見し、手を振った。友達は前で見るよりも後方で湧くのが好きなタイプなので今日も後方で仲間と思われる人達と固まっていた。

そうこうしているうちにフィンズが「わぁぁぁぁ」と騒ぎながら出てきた。その時点で頭の中で「???」となった。かつて見てきたアクビ勢は僕的解釈だと淡々とステージをこなし、客は勝手に楽しむ。そんなイメージが強かった。だからこそフィンズが「わぁぁぁぁ」と客席を見ながら楽しげに入ってきたのが中々衝撃的で一層これから始まるライブへの期待度が一気に高まった。

そして、そこから1曲目「storm rider」が流れた瞬間完全にやられた。最近配信された音源で曲としての素晴らしさは知っていたのだが、楽しげに観客を煽る姿は個人的にはアクビ最高傑作な気がした。場内を見渡すと友人たちが固まった後方ががんがん楽しげにコールを入れている。storm rider以外の曲は何となく配信で軽く聴いていたり、未配信の曲だったりで知らない曲ばかりだったが、アクビらしい「自由なパフォーマンス」を残しつつやたらメンバーが楽しそう、そのフィンズらしさがどの曲からも満ち溢れて期待以上のステージであった。

3組目のMirror,Mirrorは結成当初に曲を聴いたり、何度か見ているものの、毎回特典会被り、とかで通して見た事は無かったのだが、年末最後のエクストロメでの渋谷wombが中々良くて、いつかちゃんと見たいと思っていたグループ。そこまで音源は聴き込んで無いのだがどの曲もめちゃめちゃ良かった。ここまでは詳しくないグループが続いた為僕はずっと柵の上に手を置きほぼ地蔵で見ていたのだが「スパーリングフライト」で初めて振りコピをしていた。フィンズで温まった場内はさらにミラミラで熱気がどんどん高まっていった。

tipToe.目当て、ではあったのだがここまでのフィンズとミラミラだけで充分楽しくなっている。否が応でもtip、への期待が高まる。横にいた宮園推しの友達とよもやま話をしているとやがてステージが暗転した。僕はそれまで着ていたジャンパーを脱ぎ、前の柵にかけた。

「がやがやがや」

tipToe.のOverture的なSEが流れる。SEから1曲目になだれ込むのだが、tipToe.はいくつもSEがある為それだけでは違いがわからない。友達に「雨編すかね?」と話しかけた。雨編、というのは去年末にリリースされたEP、fifthRulerの事であり、どちらかというと静かめな曲群の事である。

徐々にSEにビートが入りボリュームが上がる。メンバーがステージに出てくる。センターに立った宮園さんが俯きながらクラップを叩く。ビートに合わせて場内のクラップがどんどん広がっていく。「きたきたきたきた!」。ひと月ぶりにtipToe.を見る僕の脳内ボルテージが一気に頂点まで上り詰めた。このSEから1曲目になだれ込む瞬間、それこそ僕がtipToe.のステージで1番好きな瞬間だ。思い出した。爆音で響く音の隙間をぬって横の友達に「ユナイトですかね?」と声をかけたが、披露されたのは「春の風速、帳が揺れて」であった。

この日に1番驚いたのはfifthRuler収録の「燕子花」の完成度だった。2022/11月のコンセプトワンマンでの初お披露目以降リリイベ等では見ているのだが、久しぶりに新宿LOFTで見る「燕子花」は更に完成度が高くなっている気がした。雨編はライブハウスによく映える。

そして次の「星降る夜、君とダンスを」イントロが来た瞬間、「やば」、慌ててスーツの上着を脱いだ。これでフロアが熱くならない訳が無い。この半年tipToe.を見てきて散々その光景を目の当たりにしてきた。

もう少し長尺ライブの場合、ここで次に「Ineterlude」で繋ぎそうな所、この日は矢継ぎ早にラスト「さくら草の咲く頃に」になった。

決してそう長くは無いタイテであったが終わった頃には汗だくになっていた。

ドリンクを引き換えてLOFTの奥に行くとフィンズ目当ての友達が休んでいた。
「フィンズ良かったよ」と言うと「tipToe.も良かったですよ」と返された。
「意外だな笑」と言うと「いや、俺めちゃめちゃtip聴いてますよ」とAppleMusicのランキングを見せてくれた。
確かにtipToe.が1位ランキングになっていた。

ねっからひねくれ者ゆえ、自分から好きなグループについて「いいよ」「見てよ」と言えない性格なのだが、こうして少しだけ気にして貰えると、内心満更でもない。いや、正直めちゃめちゃ嬉しい。

「パフォーマンス良いでしょ?」
思わず言いそうになるが、なんだか言葉にしてしまうと陳腐になってしまいそうになり引っ込める。とりあえず、信頼している友達が褒めてくれている、それだけで満足だった。

カップに残ったビールを飲み干し

おはようの子の列に並んだ。

めっちゃ距離詰められてやばかったです昇天




おしまい