2023/4/29 brute eyes vol.2
世間はGWに突入した、らしい。普通に5/1、2が出勤な僕にはその自覚が、無い。
4月は決算ゆえ、毎年現場数が少なくなる。今月もクマリ 3、tip 2、ukka1の6現場しか行ってない。ん?いや、これって少ないのか?普通の基準がわからない。
今日のイベントは無銭の対バンであった。ドリンク代600円がかかるのみ。お得
ukkaとレーベルメイトのCYNHNは名前だけ知ってる程度で、後のグループは、申し訳ないがどこも初耳のグループだった。
チケットが完売している為、混雑しそうだが番号も特に良いわけでも無いし、PRISMNの途中から入場した。会場は渋谷のWWW。ここは元々20年位前まではミニシアターであった。まだ日本では殆ど知られていなかったクエンティン・タランティーノのデビュー作「レザボア・ドッグス」やジョン・ウォーターズの怪作「シリアル・ママ」はここで観た。ライブハウスとしては珍しく傾斜が激しいのは映画館時代の名残である。
前日のめみたそのツイートでWWWをメンバーが楽しみにしているのが感じられた。こういうツイートは嬉しい。
否が応でも、期待値が上がる。
https://twitter.com/memi_tiptoe/status/1651923505934639106?t=V-g1H6N0_Iw2TDLynsAytw&s=19
場内は既に満遍なく埋まっているのだがPRSMINの時間帯はまだ階段に空きがあったので上手前方に場所を取った。ヲタクの動き次第では、前方に移動しようかと思ったのだが、前方にいたPRSMINヲタク達が「tipToe.は楽しいから見てこうよ」と話していたのでそのまんま階段で見ることにした。
PRSMINが終わった時点で5分程押してるようであった。
出だしは珍しく静かな曲調のblue moonからスタートした。冒頭のりんちゃんのダンスはいつ見ても、見惚れる。1期曲ながら1期を知らない僕には2期で完成した曲に思える。
続いてはfifthRulerから「静かな海」「Hello.world」と続いた。対バンでこういう流れは珍しい。ここまでは完全に「見せるセトリ」であった。
「面白いなあ」
考えてみると今日は30分、と対バンにしては長尺タイテである。15分のセトリ、30分のセトリ、45分のセトリ、場所によって対バン相手によってアイドルのステージは全く違った表情を見せる。短いセトリの時は早急に盛り上げる必要がある為ここまでじっくり見せるセトリは見せないであろう。が、今日のtipToe.は30分セトリゆえ前半をきちんと「見せる」。
基本的にここまではシリアスな曲調ゆえ、メンバーは笑わないのだが、あいりちゃんがほんの少し笑みを浮かべていたのが印象的だった。何かを見て笑ったのか、ライブが楽しくて笑ったのか。そんなライブならではの細かい予定調和がずれた瞬間、たまらなくこの瞬間が愛おしく思える。シリアスな曲なのだが、僕はマスクの下でニヤニヤしてしまった。
前半が終わると激しい「さくら草の咲く頃に」、で会場の雰囲気をがらり、と変えた。慌ててペンライトを青にして振った。
続いて楽しい「シャッターチャンス」がはじまる。場内は当然の事ながらtipToe.ファンだけでは無いのだが、場内の一体感がぐんぐんあがっていくのを肌で感じる。歌い出しで会場中に手を振るめみたそ。前日のTwitterの事もあり、余計めみたそが楽しんでいるように見えた。
「シャッターチャンス」はその後「Ineterlude」に繋がり「星降る夜、君とダンスを」に繋がった。tipToe.の好きな所のひとつは「Ineterlude」で矢継ぎ早にボルテージを掻き立てる所だ。先週の新宿LOFTは25分セトリだったので「Ineterlude」が無かった。別に無くてもそれはそれで良いのだが、少なからずとも「Ineterlude」が挟み込まれるtipToe.は最高だ。
壁側、スピーカー前にいた為、それまではコールやMIXが余り聞こえてなかったのだが「星降る」になった瞬間怒涛のコールが場内にグワングワンと響き渡った。
2期入りで、tip現場でコールなんか殆ど入れたことは無いのだが、流石に熱気に煽られて気付くと
マスク越しに大声をあげていた。
「あいりー、あいりー、おーれーのあいりー」
前半では「きちんと見せていた」メンバーが観客の熱気で後半では「明らかに」崩れていた。ステージに用意されていたお立ち台にあがり客を煽る。目の前であいりちゃんとりんちゃんが頭をぶつけたらしくエヘヘ、と笑った。メンバーが楽しんでいるのが手に取るようにわかった。気付くとメンバーの顔の汗がすごい。無銭なのにかつてない位の熱量。先週の新宿LOFTの「星降る」も最高だったのだが、ステージの高い天井、傾斜の付いたフロアはより開放感、一体感に満ち溢れ間違いなくベストを更新してしまった。
30分。そこそこ長尺セトリと思っていたのだが「あれ?これで終わりなの?」と思ってしまった位一瞬に思えた。
時間が押していたせいか最後の挨拶は簡素なものだった。めみたそが5月の恵比寿リキッドルームで3rdワンマンの告知「だけ」した。来月のワンマンまで幾つかライブはあるのだが、ワンマンだけ告知した事に感心した。目標は明確な方が良い。3rdワンマンまでもうひと月を切っているのだが正直実感がわかない。メンバーは不安だったりするもんなんだろうか?
tipToe.のステージが終わった。
僕の目の前にいた、多分他のヲタクと思われる数人が
「地下アイドルの1番良い所集めたようなステージだったな」と話していた。
わかる。それなー。
知らない人に脳内で同意した。
特典会がはじまった。あいりちゃんが絶賛していた「RRR」の話をした。正直言うと僕は友人たちと観に行ったのだが、観る前に酒を呑みすぎて途中まで爆睡してたので語れない。
「インド映画って他に観たことあるの?」
なんとなく聞いてみたものの、僕自身が人生で観たインド映画もそう多くない。
「ムトゥ踊るマハラジャ」
「スラムドッグミリオネア」
「きっと、うまくいく」
中でも「きっとうまくいく」はそれまでどちらかというとバカ映画、の範疇で日本では受け止められていたインド映画が初めて正当に評価された映画に思う。
あいりちゃんは
「あるよ。きっと、うまくいく観たよ」
別に推しと趣味が合う合わないなんか気にしてはいないのだが、それでもあった瞬間は少しだけ嬉しくなる。
来月の3rdワンマンも「きっと、うまくいく」。そう確信させてくれた素晴らしい無銭対バンだった。
おしまい