アイドルオタクというのは、推しを自分だけの文脈で語りがちだ。


「自分にとって初めての現場だから」「自分が初めて刺さった曲だから」etc…。

あくまでも個人的な体験で、物語を更新して推しを語る、語る、語る。語る。


実にめんどくさい、いきものだ。


7月にエクストロメ福島が発表された。演者にはクマリデパート、tipToe.の名前が。


2022/5月のエクストロメ福島。


この時が現体制の2期tipToe.を見た初の現場である。そういう意味ではエクストロメ福島は「僕にとって」特別な場所なのではあるが、今年の発表はクマリデパート縁日の当落発表直後だった。落選なんて無いだろう、マナちゃんの浴衣楽しみだな、すっかり発表以来行く気しか無かった僕にとって、その落選はオタクとしての「死刑判決」に等しかった。アイドルモチベが急降下した僕はエクストロメ福島も見なかったことにした。


徐々にアイドルモチベが元通りになってきた。


時を前後して、tipToe.2期の活動終了が発表された。元々3年縛りのグループではあるので「いつかいなくなってしまう」その事実こそ受け入れていたが実際発表されると一気に現実として押し寄せてきた。


人は歳をとる。命は永遠では無い。納豆は賞味期限が切れても食べられる。アイドルはやがて終わる。日常の中で見て見ぬふりをしていても、ある時突然目の前に現実を突きつけられた時、人は動揺する。


とはいえ、今の僕にはちょっとした心の揺れがあっただけでそこまで深刻な話では無い。まだまだ日常は続いている。


そんな時、知り合いから「福島行くんなら車乗ってきませんか?」と連絡が来た。至極単純にクマリデパート、tipToe.で遠征がしたい、という気持ちと、「初めてtipToe.と出会った、そしてtipToe.にとって最後かもしれない福島を見届けたい」という「オタクのめんどくさい文脈」が決定打となり行くことを決めた。



2023/8/20 エクストロメ福島


エクストロメ福島に来るのは、今回で3回目。初回は2021/5月、クマリデパート目的であった。2回目は2022/5月。先に書いたように現体制tip Toe.と出会った日。ただこの時点での目的はクマリデパートとukkaであった。以前のエクストロメ福島の特別感といえば「コロナ禍で唯一声出しが許された現場だった」という事である。福島へ向かう道中、友達が「もう今福島に行くメリットって無いんですよね」。余り深く考えていなかったが、まぁ、確かに。


「今年で最後かなぁ」。。。


エクストロメ福島、といえば、アイドルにとってもオタクにとっても「昼飯はうろこいち(という海鮮屋さん)」と相場が決まっているのだが、前日に会ったクマリオタクと話していたら「今休業中ですよ」と言われてしまった。仕方なく適当にPAで空腹を満たす。


↓参考画像 ミグマシェルター

福島へ向かう道中、車内で友達から「tip Toe.のシャッターチャンスが1番好きなんですけど見た事無いんですよね」と言われた。「え、めっちゃやってるよ。なんなら今日もやると思うけどなぁ」と答えた。


友達は車内のスピーカーからtip Toe.の曲を流し、運転していたtip Toe.を知らない友達にしきりと「宮園ゆうかがいいんだよ〜」と話し始めた。


おいおい。


喉元迄異論が出そうになったが、一旦飲み込んだ。


入り口はどうあれ、自分の好きなグループに興味を持ってくれている事自体は素直に嬉しい。


tip Toe.もクマリも出番は遅めなのだが、友達が午前中のfiger runs目当てだった為、5時半起き7時待ち合わせ。ちんたら休みながら福島に着いたのは日差しか強くなり始めた11時過ぎであった。トッパーのRAYは既に終わり、車から降りるとわれプアが始まっていた。


「RAY見なくて良いんですか?」


RAYがtipToe.と同じ事務所と知っている友達は驚いたように聞く。「いや、実はあんまり知らない」。

何度か見てはいるのだが俗に言う「シューゲイザー」がよく分からない…。

僕は、刺さらないグループには醒めている。

「そうすかぁ。xxxxxxxx良い曲なんですけどね」。

残念そうに友達が言った。

車の後方に座ってた僕にはイマイチ曲名が聞き取れなかったが、特に興味もなく聞き返すことも無く「へぇ」と無意味に笑った。


finger runsは最近被る事が多い為、割と見ている。一曲目の「ストームライダー」が最高にかっこいい。場内には既に朝から来ているクマリの知り合いやら、他現場の知り合いの姿が見えた。


東京よりは気温が低い筈なのだが、それでもやはり暑い。軽く動いただけでいつもより遥かに体力が消費している。夏だし!といきがってクマリTの上にアロハを着ていたのだが気付くと緑のクマリTは汗でびしょびしょになっていて慌ててアロハを脱いだ。


ベルリン少女ハート、は前体制の時通っていた。現体制も何度か見ている。が、ベルハーの代表曲であり、地下楽曲派のアンセムとも呼ぶべき「asthma」を封印状態だったのでどこかしらフラストレーションが溜まっていたのも事実。そんな「asthma」が遂にTIFで解禁。余り推しグループ以外では前に行かないようにしていたのだが、ベルハーだけは「asthma」目的で前に出てサークルを回った。屋外で聴く「asthma」はそれだけで最高であった。


個人的には「お目当て前の」興奮のるつぼは、Ringwanderungだった。普段はラストやラスト一個前位で上着を脱ぎだすみょんちゃんが既に一曲目の「パルス」で脱いだ時、「あ、これ本気のやつじゃん」と。あきなちゃんが「それ、振りあってるの?」って位一人だけ高く足をあげている。全てのグループを見ていた訳では無いのであくまでも主観になるが、それまでのグループでは前方には沸きたいオタクが集結する一方で後方はのんびり、もしくは興味なさげに見ているオタクが多かった中で、リンワンではほぼ全ての客席が立ち上がり、腕を挙げていた。物凄い盛り上がりで、「ラストサマーデイドリーム」では感極まったのかみょんちゃんの声が震え声になり、後方から見ていると泣きながら絶唱しているように見えた。それはまるで解散ライブか?という位の圧倒的なパフォーマンスだった。


クマリデパートの特典会を終え、tip Toe.のステージへと向かう。


1曲目は「マイ・ロング・プロローグ」からスタートした。目の前の2人組はどうやらその後の出番の「かすみ草とステラ」のオタクらしいのだが、やたらノっていた。改めて2期のロックテイストの楽曲は初見にも乗りやすい、と気付かされる。


2曲目は「クロックワークスパークル」。1曲目と打って変わってtip Toe.のキュートな魅力に溢れる楽曲だ。恥ずかしながら何度聞いても「かんぱーい」のタイミングを逃してしまうのだが…。


3曲目はTIFで初お披露目された最新楽曲「シンガーソングライター」。まだそこまで回数を聴いていないのだが、今年披露されたtip Toe.楽曲で一番好きだ。これは振りコピが分かりやすくて楽しい。


4曲目は「僕たちは息をする」。また前曲から打って変わって、激しい楽曲だ。何となく去年の5月の事を思い出した。


今でもそうなのだが、僕は基本的に、推し以外そこまで興味が無い。なんなら見ないし、見たくない。tipToe.は1期は何度か行ったし、その後未波あいり、宮園ゆうか、日野あみ、3人時代の2期を見てはいる。ただその時点では特に興味を持てなかった。


福島で初めて現体制の2期tipを見た瞬間「あれ?こんなに激アツグループだったっけ?」と驚いた。1期の僕のtip Toe.のイメージはもっと醒めたイメージだった。2期にはステージから胸ぐらを掴みに来るようなそんな必死さに目が釘付けになった。数々のフェスで「興味ない」グループを目にしてきたが、初見で胸倉を掴まれたグループは、2019年のTIFのガンダム前で見た「新しい学校のリーダーズ」と2022年エクストロメ福島の「tip Toe.」位だ。


それ以来tipToe.は「興味無いグループ」から「被ったら見るグループ」へ、そしてその後「通うグループ」へと変容した。


それなりに知名度のあるグループというのは得てして「何曲か」は好きな曲がある。但し、例えば「ポップな楽曲は良い」一方で曲調が変わった瞬間「ん-、これは微妙」となる事が多い。


そして去年の5月のtip Toe.はまだ曲名すら殆ど知らなかったが「どれも良い」と思えた。今では自分の中で定番となった「僕たちを息をする」を聴きながら、少しだけ「あの日」を思い出した。


続いて5曲目は「シャッターチャンス」が来た。会場のどこかで見ている友達に心の中で「ほらね」とほくそ笑んだ。何度見ても、めみたその出だしに顔がニヤケてしまう。純粋に楽しいのだ。


ラストは「星降る夜、君とダンスを」だった。やはり一期からの人気曲だからか、「シャッターチャンス」で沸いた会場が更にもう一段階、いや三段階位ギアチェンジして盛り上がっていく。まだ星は出る前であったが屋外で聴く、「星降る」は新宿LOFTとも渋谷o-nestとも違う、解放感のある気持ちの良い「ダンス」だった。普段跳ばない僕もいても立っても居られずリミッターを外してひたすら跳びまくった。


この日のラストはMigma shelterだった。ミシェルが終わると主催のこばけんさんが、マイクで「本日はありがとうございました。また福島でお会いしましょう」と言った。


道中「今年の福島に来る理由がない」と言っていた友達が、ミシェルでへとへとになりながら夜空に向かって「また来ます!」と叫んだ。僕はそれを横で見てゲラゲラと笑った。


あと何日猛暑が続くのだろう?

少なくとも8月中はまだまだ続きそうだ。

多分、9月のどこかで、ふっと涼しくなるのだろう。今年の猛暑なんて無かったかのように。


帰りの車で友達セレクションのアイドル楽曲をひたすら流していた。アクビオタクの友達がかけるプレイリストは耳馴染みのない曲ばかりだった。間もなく目的地に着こうとした時流れた曲に耳を奪われ慌てて聞いた。


「これ誰のなんて曲?」

「RAYのレジグナチオンです」

「なるほど」


♪やるせないなと君が笑う

僕もつられて無意味に笑う

君の全てがそこにある

だけど全ては夢に消える


全てが輝いている

輝いている 輝いている

君の声 忘れ難き

今を生きる 今をただ生きているだけ♪


by RAY 「レジグナチオン」




おしまい








ファミえんに行ってきた。


2013年からスタートしたファミえんも気付くと10周年を迎えていた。

初回の2013年の頃は、まだエビ中が都内でいつでも見られる時期で、丁度その頃チームしゃちほこの初ZEPP TOKYOにいたく感動してしまった僕はまだ海のものとも山の物ともよくわからない「遠足」なんかよりしゃちの日比谷ワンマンを選択してしまうというファミリーとして痛恨のミスを犯してしまった。


そんな訳で初ファミえんこそ逃したものの、気付くと2014年以降ファミえんは全日程かけることなく全通している。


もっとも僕の今のエビ中モチベは限りなく、低い。

もう自分からファミリーと名乗る事は無いし、プロフ欄にも入れていない。


転機となったのは、2019年のファミえんだった。2018年12月から桜エビ~ずにハマっていた僕は、2019年も迷うことなくファミえんのチケットを取った。その頃の僕のスタンスは「エビ中も桜エビ~ずもどっちも好き」という状態であった。当時は共に藤井校長が運営だった為「エビと桜エビのイベントは被らない」と、ヲタク内の共通認識があった。


が、2019年8月、突如として「桜エビ~ずの浴衣リリイベ」が発表された。しかも、それはファミえんと同日。なんとか回せないか思いを巡らすもどう考えても無理。

結局僕はファミえんを選んだ。勿論ファミえんは素晴らしかったし、それは事実ではあるのだが、当日桜エビ~ずを選んだ友達のもあちゃんの浴衣写真を見る度に胸の奥がキュッと詰まる。あの日を境に僕の中でエビ中は「行ける時だけ行く」グループ、となった。


とはいえ、やっぱりファミえんだけは毎年行きたかった。すっかり曲もグループのパフォーマンスもあがり「学芸会感」が薄まってしまったエビ中が、唯一僕が好きになり始めた頃の「ただ楽しいだけのグループに戻る」ライブだからだ。言わばファミえんは僕なりの年に一度の「先祖帰り」するイベントなのだ。


昨年に続き、今年もTIFと被っていた。TIFを重要視するアイドルは多い。いや、全てのアイドルにとっての総本山、といっても過言ではないだろう。今現在通っているクマリデパート、tip Toe.という2つのグループも同様であり、今一番推してるグループを裏切る形になる事は目に見えているのだが、ファミえんチケット発売の頃はそこまで深く考えもせず、毎年一緒に行っている友達の誘いに二つ返事で「行く!」と返した。


「色々な事情」があり、TIFは金曜日の初日だけは行った。お目当てはクマリデパートだった。翌日のファミえん遠征を鑑みて、クマリデパートの出番が終わると、仲間からの誘いを断りまっすぐ帰路に着いた。そんな時、友達からのLINEを見て愕然とした。


2日目の土曜日にTIFに出演するtip Toe.の現体制終了という実質解散が発表されたのだった。



tip Toe.は去年の10月から通っている。tip Toe.は元々3年縛りのグループであり、いずれメンバーが「卒業」する事は分かっていた。現2期はメンバー毎に加入時期が異なる。僕の推しである「未波あいり」がもっとも古く2020年6月加入である。本来なら既に卒業している計算になるのだが、グループ自体の準備期間やらコロナ禍で活動出来なかった事もあり、2023年6月卒業、ではないらしい、という事は通い始めの時点であいりちゃんから聞いていた。とはいえ、グループとしては存続していくのだろう、と朧気ながら思っていたのだが…。まぁそれはそれとして、このタイミングで発表される、という事は否が応でも「tip Toe.最後のTIFを見ろ!」と喉元にナイフを突きつけられたようで、流石にTIFを干す事の罪悪感が半端ない。とはいえ、もう既に友達と一泊二日の山中湖を手配してしまっている以上、苦渋の決断ながら干さざるを得なかった。


8/5 day 1


自分は行かなかったが7月のSPARKで、バスが渋滞して新宿から山中湖まで5時間位かかった、と聞いていた。ファミえんは大丈夫だろう、と思っていたものの結局4時間かかり、8時15分に新宿発だったのだが山中湖に到着したのは12時近かった。


会場時間の15時過ぎに友達とゆるゆると会場へと入りグッズコーナーを眺める。もはや数年エビ中グッズを買っていないのだが、ファミえん気分をあげる為に幾つかあるリストバンドから、最近何となくりったんばっか見てるし、と5年前位に買った黄色いリストバンドを家から付けて行ったのだが…黄色はぽーちゃんでしたね…。失敬。デコだし心菜の画像があまりにも好きすぎて暫く団扇を買うか悩む。でもガマンした。大人なので。


我々のブロックは「U」だった。毎年ファミえんはブロックが中に入らないと分からない。中に入ると「U」はステージ一番前方の下手側だった。友達と喜ぶ。もっとも既に前方は埋まっている。場内を見まわすと左右後方に櫓が見えた。という事は櫓にメンバーが来るだろう。そして真ん中にはかなり大きめのセンターステージ。我々はセンターステージ寄りの後方に陣取った。


しかし…ファミえんは開演までが長い、長い、長い…。15時開場16時半スタート、と1時間半もある。場内BGMで「楽園ベイビー」が流れる。どうして日本全国夏のライブハウスの場内BGMって「楽園ベイビー」なんだろう?毎年50回は「楽園ベイビー」を聴いている気がする。もはや国家と呼んで良い。


この日の山中湖の気温は分からなかったが、それなりに暑いものの、汗は余り出ない。東京と比べて不快な湿気が無いからだろうか?開演の16時半でも外はまだ明るかった。


時間になりライブがスタートした。今年はステージに巨大スクリーンがあった。ebitureに合わせて過去の映像が流れる。「う、おい!う、おい!」、観客が一斉にコールを始めた。

「あ、そっか!」全く気にしてなかったのだが、コール有りのファミえんは2019年以来、4年ぶりなのだ。去年は「コール有席」を取ったのだが直前に「コール無し」に変更になった為、結果的に「コールをしたい連中で混んでる」だけのブロックで若干不満を憶えた。声出しが復活した春ツアーも新潟だけ行ったのだが、如何せん最近のエビ中曲が多く、余りコールをした記憶が無い。そういう意味だとファミえんこそエビ中で何の気兼ねも無くコールを出来る4年ぶりのライブ、という事になる。久しぶりに自分も思い切り「う、おい!」と叫んだ。



スタートは「夏だぜジョニー」。い、いかん…エビ中久しぶり過ぎて地面に拳を突き刺す振りコピを忘れている…。いや、そもそも今ってジョニーってやってんのか?しかし、エビ中ファミリーは凄い。膨大に楽曲あるのによくもコールも振りコピを憶えているもんだ。今でこそこんなだけど一応2012年から2019年まではかなり通っていた方なのだが…。


2曲目は「エビ中音頭」。途中で騎馬戦の時のリフトみたいなのをやっていた。真山とののかだったかな?これはまぁファミえんでしか聴けない曲な気もするのでちょっとだけ得した気分になる。


3曲目は「青春ゾンビィィズ」。発表当時はピンと来なかったけど、良い曲だよね。とはいえ、珍しくも無いので若干モチベ下がる。


4曲目「ほぼブラジル」。なんかブラジルってレア曲扱い、ってか流れると「ぶぉぉぉぉ!」ってなる人多いけど結構やってません???


と、ここまでは割と自分の中では想定内の盛り上がり。


5曲目の「ラブスマ」が来た時点で「ファミえん来たぁぁぁぁぁ!」スイッチが入る。ここで初めてセンターステージにメンバーがやってくる、勢いよくファミえん名物の放水タイムに突入。とはいえ、結構ファミえんは場所や風向きで水が来るブロック、来ないブロックがある。終演後に他ブロックの友達と話すとどうやらこの日は我々のUブロックが当たりのようでゲリラ豪雨ばりに水が降り注ぐ。楽しい楽しい楽しい!!!!


続けて6曲目の「ちちんぷい」に突入。特に繋げてあるわけではないのだが、「ラブスマ」からの「ちちんぷい」のオープニングの流れが完璧すぎてアドレナリン爆上がり。ジョニー辺りでは割と棒だった自分がここになると全身使って「ダンソン」ミックスを打っている。


更に7曲目は「揚げろ!エビフライ」。ただ単に暑さよけに首にタオルを巻いていたのだが、慌ててタオルを手に取って振る。


個人的に「ラブスマ」から「エビフライ」までが前半の興奮のピークだった。


8曲目「イヤフォン・ライオット」9曲目「誘惑したいや」10曲目「朝顔」。この辺りはちょっと落ち着いた名曲群。あ、いや、この辺も良かったですよ。特に「朝顔」は何度聴いてもじんわりしてしまう。「誘惑したいや」。そもそも2013年ファミえんで干した事を後悔した瞬間は「誘惑したいや」の映像見た時だったよなぁ。正直最近のエビ中はパフォーマンス力があがった反面、「誘惑したいや」本来のエモさが薄まった気がするのだが、妹たちの加入によりまたエモさが増したように思う。この辺りののか、ゆの辺りに自然と目が行ってしまった。ロリコンなんですよね、自分。


11曲目、再びセンターステージに戻って来て「イート・ザ・大目玉」、12曲目「HOT UP!!!」もう言わなくてもあがりますよね、ここは。


そして13曲目はお姉さんメンバー(真山、安本さん、みれい、かほりこ)は舞台袖に消え、妹メンバーで「いつかのメイドインジャピャ~ン」。ここは意外過ぎて場内大歓声だった。凄いよなぁエビ中は。妹メンバーだけで十二分に魅了できるパフォーマンスを持っている。この曲だとやはり心菜のヤンキー感が強い。この曲は2014年の、ロッキン?だっけ?サマソニ?あの時の印象が強い。


14曲目は妹メンバーが下がり、お姉さんメンバーで「響」。もし仮にアイドル曲で1曲選べ、と言われたら多分自分は「響」と答えるだろう。その位好き。


あぁ、ここでメンバー衣装チェンジしてMCだったかな?金魚をイメージしました、みたいな話だった。書き忘れたけど前半の自己紹介で心菜の「へそ出しマーメイド」に対して安本さんに「あやちゃんは何マーメイド」と無茶ぶりされた時に安本さんが「マウンテンマーメイド」と答えていたのが如何にもで良かった。ぽーちゃんが「海か山かどっちかにしてください」みたいなツッコミも良かった。ファミえんはこういうゆるいMCも楽しい。


真山が今回、ステージにモニターを付けたのはいつも富士山が見えないから、だったら、と付けたと教えてくれた。もっともこの日はめちゃめちゃ天気が良く、肉眼で見えたので失敗でした、とも。カメラマンの配慮で富士山がモニターに映し出される。実に美しい。Uブロックは一応1/3位は富士山が見えてはいるのだが、確かにこの天気だったのなら、ステージ後方開けといて貰いたかった、と野暮な事を考えてしまう。


そして全員金魚衣装になって15曲目は「23回目のサマーナイト」。この曲はやはり、真山とみれいが上手い。今のエビ中の強みはこういう大人な曲にはお姉さんメンバーが、わちゃわちゃした曲は妹メンバー、と幅が広がっているのが強い。これはかつてのエビ中には無かった強みである。


16曲目の「kyo-do?」を経て、17曲目は「買い物しようと町田へ」。個人的に一番今回「うぉぉぉぉ!」と来た曲。これは久しぶりだよね?2日目のMCでメンバーもそう言っていたので多分間違いないと思う。これは「サンデー」と言っているだけで楽しくなる大好きな曲だから、今回セトリ入りは単純に嬉しい。


18曲目の「Summer Glitter」。実は配信聴いてませんでした!まぁ、ファミえんで聴くし、賛否両論聞いていたし…。うーん、はっきり書くと、微妙。。。ちょっとメロディーが曖昧でどうノっていいのか分からなかった。寧ろ19曲目の「summer dejyabu」が輝いてしまった…。


20曲目の「まっすぐ」を挟み、21曲目の「サドンデス」で本編は終了。前半でえまち、とゆなのやり取りで「サドンデス」を彷彿させるやり取りがあってののかが「これだとサドンデスが始まっちゃう」って言っていたのが可愛かった。


気付くと辺りは暗くなっていた。前半でこそ景気よく放水タイムがあったが、流石に後半は無くなっていたのだが、陽が落ちた事でびしょびしょの服が乾かず、心なしか冷たい。まぁ夏場なので寒いって程でも無いのだが、予備の着替え持ってくるべきだったなぁ。


アンコールは、あれ、なんて名前のやつでしたっけ?メンバー名呼ぶovertureみたいなやつ。あれでスタート(適当)。


22曲目、本編ラストに続き岡崎体育曲の「Family Complex」からスタート。ぶひぶひ鳴いてみろ。ぶひぶひぶひぶひ。

23曲目はセンターステージで「フレサイ」。あぁぁぁ、ペンラ持ってな~い…。基本もうエビのライブではペンラ持たないし、別に気にしてないのだが、この曲だけは後悔した。夜の山中湖に光るペンライト、それはもう本当に美しかった。

24曲目は「ロックリー」。この曲も妹メンバーがやたら光っていた。「げじまゆげ」パートの、ののかだったかな?ゆのだったかな?やたら可愛かった。ロリコンなので。


そしてラスト25曲目はセンターステージで「ナチュメロらんでぶ~」。まぁ、エモい。まぁ予想は付いたけど案の定、花火があがる。初ファミえんのえまが花火の音に驚いて「うわ」って発しちゃったのが可愛かった。余程嬉しかったのか、歌いながら花火をずっと見ているえまの横顔が美しく、花火を見るべきかえまを見るか悩んでしまった。まぁ、自分黄色いリストバンドなんすけどね。


1日目のファミえん終了。正直、やはり4年ぶりのコールありファミえん、とてつもなく良かった。去年もそれはそれで良かったし、絶賛していた気もするのだが、コールやら水を大量に被ったり、で気持ちの良い疲労感を感じた。あぁ、これぞファミえんだよな、と4年ぶりの「ちゃんとした」ファミえんの幸福感、半端なかった。


8/6 day2 


朝目覚めてtwitter(現X)を開いて慌てた。エビ中公式から「本日のファミえんは、雷雨の場合、中断もしくは中止にします」との告知。数日前に山中湖の天気予報を軽く見て勝手に土日は晴れ、と勘違いしていたが、どうやら午前中は雨、昼からは雷雨予想になっている。一応合羽は持ってきたのだが。。。


2日目はCブロック、つまり、後方。番号もあまり良くない。友達とふわふわ会場に向かったのだが、ぽつぽつと雨が降り始めたので会場から10分程度先のバス停で雨宿りをした。暫くして開場時間直前に豪雨にと変わった。合羽があるとはいえ、流石に豪雨はつらい。番号も良くないので雨が落ち着くまで待ってから会場へと向かった。


day 2は殆ど曲は変わらなかった。当初は変わる想定だったのだが、1曲目の「ジョニー」2曲目の「ゾンビ」辺りで「あ、昨日と同じか」と気付いた。


なので2日目は書くことは余り無い。Cブロックには殆ど放水は来なかった。まぁ、水がかかるかからないって結構モチベ変わるんですね。1日目にあれだけ「ぶぉぉぉぉ!」と興奮した「ラブスマ」も「ちちんぷい」も割と淡々と聴いてしまった。


もっとも2日目は雨が降っては止み、止んでは降り、の繰り返しで自然と濡れた。のだが、それは放水による濡れ、とは違う訳で、「知らんアイドルのいいねはさして嬉しくない」法則みたいなものである。


但し。


初日で「朝顔」だった10曲目が「いい湯かな」に変わった瞬間、スコールのような薄い雨が降った時間だけは神がかったように素晴らしかった。「いい湯かな」個人的には2015年の、ぽーちゃんのおじいちゃんが見に来ていた夕陽を背にした長岡のファミえんが印象深かったが、2023年もそれに並ぶくらい素晴らしい光景だった。これはもう自然の演出、というか、あの瞬間に山中湖にいたものだけが味わえた「体験」だったのだと思う。


勿論、検索すればセトリは出てくる、スカパーでの放送を見れば映像も見れる。でもそれはあくまでも「知る」だけであり、「体験」ではない。


あの美しい本当の「いい湯かな」は山中湖だけにしか存在していなかった。


この辺のMCで真山が「いい湯かな」の時の雨を「サウナみたいで良い感じじゃない?」的な話をした時のぽーちゃんの「勝手に整わないでください!」が今回のファミえん一可笑しいシーンだった。サウナの「整う」となぞかけの「整う」をかけ合わせてる。うまいなぁ。こういう面白い単語を瞬時に出せる、言語能力の鋭さはぽーちゃんの魅力だと思う。


以降のセトリで変更になったのは15曲目の「23回目のサマーナイト」が「青い青い星の名前」に、19曲目の「summer dejyabu」が「幸せの張り紙はいつも背中に」に(ここは流れとして1日目の方が遥かに良かった)、20曲目の「まっすぐ」が「スーパーヒーロー」に。


アンコールでは23曲目の「フレサイ」が「スターダストライト」に変わっていた。くぅぅぅ…。これは甲乙つけがたい。個人的には「スタダラ」は初日の夜帯に入れてほしかった気もする。これもめちゃくちゃ久しぶりな気がするが、自分が通い始めた「ロックリー」収録曲で散々思い出深い為、自然とクラップの場所は憶えていた。


そしてラスト、初日が「ナチュメロ」だった25曲目は「YELL」に変わった。何となく、エビ中からささやかなメッセージを感じる。なんとも勇気づけられる曲。


こうしてファミえん2日目も無事終了した。午前中一時的な豪雨があっただけで、後は軽く降ったり止んだりだったけれど、さして気になるほどの雨では無かった。


すっかりエビ中から離れてしまった身ではあるのだが、今年のファミえんも文句なく楽しかった。色々悩んだけれど、やっぱり来て良かった。


友達とバス停前でビールを買い、ささやかな乾杯を。高速バスの予約がいっぱいで友達とは別便になってしまった為、友達を見送った。


一人になり、2日間、余り見ていなかったtwitterを見る。病むだけなので、余り行かなかったイベントの情報は集めないのだが、流石にTIFのtip Toe.が気になってチェックする。あぁ…新曲やったんだ…。封印している、と言われてた「さくら草」がスカイステージラストかよ…。クマリのヲタク友達すらtip Toe.のスカイステージを大絶賛している。そりゃそうだよな。解散発表された翌日だもん。悪い訳が無い。


ファミえんで忘れかけていたtip Toe.への罪悪感がむくむくと沸き起こってきた。


その時、さっきまでけろりと晴れていた天気が、突然豪雨へと変わった。


※レゾンデートル

 ①存在意義、存在理由 

 ②tip Toe.の曲名


おしまい



2023/5/28 恵比寿リキッドルーム

tipToe.2期、3rdワンマン「my long Prolog」を見てきた。


正直配信もあるしブログ書かなくても良いかな、と思っていたのだけれども、興奮冷めやらず、少しでも言葉として今日の気持ちを書き溜めておきたくて、やっぱり書いておく事にした。去年、エビ中柏木ひなたの中野サンプラザのソロイベを丁寧に書いたら「へんちゃんのブログ読んだら満足したので配信見なくて良いです」と言われてしまったので今日はあくまでも感想のみです。みなさん、死ぬほど素晴らしいので詳しくは配信で見てください。


まず、僕が「よし、tipToe.をちゃんと見よう!」と思ったのが去年の10月。もっとも僕の場合「3ヶ月はお試し期間」である。過去にもいくつかのグループのお試しをやったが、正直「うん、通わなくて良いや」と思うことが大半であった。


tipToe.は去年の11月に「コンセプトワンマン」をやっている。その頃はまだそこまでハマる予定は無く、実を言うとチケットも後から取った。では、そのコンセプトワンマンが素晴らしかったかと言うと、今だから書くけれども僕個人では「可もなく不可もない」ライブであった。


まず、去年は声出しがNGであった。そして、コンセプトワンマンは僕個人の受け止め方ではtipToe.2期、のライブでは無く、プロデューサー本間翔太による「tipToe.という世界観」のライブであった。


僕は2期からのヲタクなのでtipToe.1期にはなんの思い入れもない。ましてやコンセプトワンマンの頃はまだ曲すらも朧気、メンバーの個性すらも朧気だった状態で「よく出来てはいるが淡々と見てしまった」というのが正直な感想であった。


もっとも、細々と見る対バンやリリイベが素晴らしくいつしか僕の中で「tipToe.お試し期間」は終えて、クマリデパートと並ぶ大事なグループ、となっていた。


そうして約7ヶ月、tipToe.を見てきた状態での今回のワンマン。僕は長いドルヲタ人生の中で「大箱前は解像度をあげていく」事が、最善と学んだ。クマリ武道館前は集中的にクマリを推したし、そしてクマリ武道館後はtipToe.に極力力を入れた、つもりだ。勿論そんなもんは僕のエゴに過ぎないのだけれども、細々としたイベントを見る事でメンバーとの距離が近くなった気もするし、そうした「熟成期間」を経てこそ、アイドルが1番美味しく見られる気がするのだ。


ワンマンが近づき、5月に入るとtipToe.は個人配信に力を入れた。メンバー考案らしい。もっとも僕は「ライブ以外では頑張らない」タイプなので配信も見れたら見る、で全部見られた訳でも無いのだが、時々見る配信からはメンバーの意気込み、ともしかしたら底に見え隠れする不安にちょっとだけ心配もした。


先週土曜日、ワンマン前のラストイベント、下北沢でのフェスを見に行った。ライブが終わると一緒に行ったエビ中友達が興奮気味に「めっちゃええやないすか!」と話しかけてきた。パフォーマンスに幾つか「かわいいミス」があったのは事実だ。それでもそんなミスすらも楽しんでいるメンバーを見て「あ、ワンマン大丈夫じゃん」確信した。一応「次回ワンマン頑張ってね」を言いたくて特典会に並んだのだが、肝心のメンバーはそこまで張り詰めてなさそうで尚更安心した。


そうして迎えた、今日、ワンマン当日。出だしの時点で「あ、今日絶対楽しい」。「春の風速」で始まって楽しくならないライブなんかない。前回のコンセプトワンマンでは本間翔太の世界観のライブと僕は感じた。そして今日のワンマンはあくまでも「2期メンバーの」ライブだった。


なんというか、ステージからメンバーが楽しんでいる様子がまざまざと感じられたし、フロアもそれに呼応して楽しむ、そしてそれにメンバーが答える。最高のライブでしか味わえないフロアとステージが共に作り出す


「幸せの輪廻」


ライブを見て1番楽しい瞬間がそこにはあった。


観客の熱気がどんどん高まっていく。僕は性格がとてもひねくれているのでtipToe.現場特有の「推しのソロは前に突っ込んでケチャする」文化に特に乗っからないし、他現場含めて、推しジャンはあまりしない。別に僕は、アイドルの周りに咲く名もない「雑草」で構わない。


だが、今日だけは、このフロアの熱気が自然と体内に染み込んでくる。気付くと僕はあいりちゃんパートで前に突っ込み、あいりちゃんパートで、推しジャンをした。人生でこれから何度保証付きの楽しいライブと出会える事なのか。少なからずとも、今日は汚いオッサンが沸き散らかしても許される気がした。何よりメンバーが楽しんでいる。この、メンバーの笑顔に水を差すのは野暮だ。


去年の年末にリリースされたしみじみとしたEP、fifthRuler。その中の1曲、「静かの海」の時のあいりちゃんの表情が印象的だった。ほかのメンバーは、曲調に合わせシリアスな表情なのだが、あいりちゃんだけは薄ら笑みを浮かべていた。tipToe.は楽しい曲は他にもある。だけれども、今日僕にとってはこの瞬間のあいりちゃんの笑顔が今日のライブの楽しさを如実に感じた瞬間だった。


ラストのMC。今日のMCで2度心を打たれた。めみたそがMCで言葉を詰まらせた瞬間、宮園さんが「大丈夫」、と信頼感のある眼差しで見たシーン、そしてあらんちゃんが「私の事見に来てくれてる人いるのかな?」と言った瞬間。どちらも一瞬のシーンながら「あ、tipToe.めちゃくちゃ好き」と思った。


ライブが終わり、特典会に行き、お酒を呑みたくなったのでフロアを出た。予備の特典券を買うために物販に行った。新衣装でメンバー全員が並ぶワイドチェキが売られていた。僕はあまり物販を買わない。必要最低限のTシャツとペンラさえあれば。が、今日はもう少しだけtipToe. を好きになりたかった。


「すいません、ワイドチェキください」

丁度僕のが最後だったらしく「ラスイチです」と言われた。


いつもなら友達を待って呑みに行くのだが、今日はちょっと時間が遅い。友達に別れを告げて、恵比寿駅へ向かった。目の前に焼肉ライクが見えた。今日29の日じゃん!ライブがあったので夕飯を食べていないのだが、不思議とそこまでお腹は減ってなかった。何より今日見たライブの満足感で満たされている。


ファミマでハイボールを買って、1人恵比寿駅に向かった。


言葉というのがよく分からない。ここまで書いてきて、こちら側の興奮する感情がどこまで伝わるものなんだろうか。素晴らしい、を100回言ったら、信じてくれるのだろうか?


感情の赴くままに書いてしまったので稚拙きわまりない文章だと思うのだけれども、一言でまとめると、


今日は、tipToe.がもっともっと好きになった最高のワンマンでした。


おしまい