きのホ。を推して、1年と5か月が経った。と、いってもきのホ。との出会いはもっと古い。
2021年の夏のfishbowl、tip Toe.とのスリーマンが初現場だった。当時は、何となくタイトル未定とfishbowlが気になっていたのだが、ローカルアイドルを推すのは敷居が高い気がして躊躇していた。当然、そうなるときのホ。は良しあし抜きにして除外される。ライブを何度か見た結果、tip Toe.を推した。

当初、tip Toe.はライブはいいのだが、推すメンバーを考えあぐねていた。何度か見ていくうちに「未波あいり」が気になり推すことにした。

tip Toe.は、当初から決まっていた活動期間3年の決まり通り(実際は若干越えているのだが)、2024年7月にその活動を終えた。

きのホ。は何度か見ていたが、当初はライブだけ、で特典会には行ってなかった。tip Toe.の推しは「未波あいり」だったが、「柚月りん」の特典会もたまに行っていた。りんちゃんがくるちゃんと仲が良い事はtip Toe.を推していくうちに知った。何度かtip Toe.主催のりんちゃんイベントにゲストで来ていたが、丁度繁忙期だった事、またりんちゃん推しではなかった事から、自分は行かなかった。

ある時りんちゃんがくるちゃんパパが特典会に並んだ話をしたことがあった。冗談で「じゃあ、俺りんちゃんパパってくるちゃん所に並ぶわ」と言うとりんちゃんは大爆笑して「やってやって」と言ってきた。初めて行ったくるちゃんにその事を言うとケタケタ笑いながら「りんちゃんパパ」と書いてくれた。それがくるちゃんとの初接触だった。

それ以降、きのホ。がtip Toe.と被ると決まってくるちゃんに並んだ。ヲタクは推しグループの解散が決まると決まって「次どこ行くんすか?」と進路の話をする。僕の周りは「へんちゃんはきのホ。ですよね?」と言ってきた。特に考えてなかったが、2024年に入った頃には正直、きのホ。にドはまりしていた。もうきのホ。に通う事はもはや必然的だった。

tip Toe.二期のメンバーの現在は、というと、小宵めみがソロを一年間やった後、現在Drawly.で活動中。宮園ゆうかは、LUCYに加入後、2025/6で卒業、引退。その2人には、tip Toe.後会う事はあったが、2人以外、表舞台で活動をしていないりんちゃん、あらんちゃん、そして「未波あいり」とは会えていない。ふとした時に「未波あいり」に最後に言われた「またどこかで会おうね」という言葉が頭をよぎり寂しくなる。もう流石に一般人となった元推しを考えても仕方がないのでそろそろ忘れようとしているのに。

くるちゃん生誕が12/7に決定した。ゲストはギタリストの同道公祐と、柚月りん。りんちゃんは、tip活動終了後、表舞台に出てないため、約1年半ぶりにファンの前に現れる事になる。まぁそれが、りんちゃんだろうが、掟ポルシェだろうが、くるちゃん生誕に行かない理由はないのだが、やはり自分がくるちゃんを推すきっかけとなった、りんちゃんと再会出来る事は、格別だった。注意書きとして「りんちゃんの特典会はありません」との事。現在一般人となっている今、報酬が発生する事が問題なのか、りんちゃん自体が余り特典会をしたくないのか、はわからなかった。


12/7 京都ROKAに着いた。会場前には、生誕委員が出したスタンドフラワーが見事に彩を与えている。入場すると即座に物販卓へと向かう。生誕グッズのトレーナー、カレンダー、バッジは想定していたのだが、くるちゃん限定ランチェキ、と、リアル生誕の12/1に配信で告知されていたらしい「くるちゃんが似顔絵を書いてくれる色紙」は想定外だった。12/1はリアルバースデーを祝いたくて大阪遠征したので、深夜の配信は少ししか見ておらず、似顔絵の話は寝耳に水だった。

場内にはくるちゃんが選曲したBGMが流れている。エビ中の「禁断のカルマ」やZOCなどに混じってtip Toe.の「さくら草の咲く頃に」が流れていたのが印象的だった。心なしかいつも以上に、くるみ推しが楽しそうにしている。何がどう、とは上手く表現出来ないのだが、なんとなく、そういうオーラをフロアから感じられた。

時間をちょっと過ぎると場内は暗くなり、白いロリータ衣装のくるちゃんが一人現れた。

一曲目はきのホ。の「晴天」だった。当たり前だけど、違和感が無い。
二曲目は同じくきのホ。の「シャインセンゲン」。元々きのホ。の中でも可愛いに特化した珍しい曲だが、ロリータ衣装のくるちゃんが一人で歌うと、更に可愛さは増された。途中の合いの手?もきのホ。ヲタクばかりの会場ではヲタクの声が、いつも以上に大きく響いたのが印象的だった。

ここでくるちゃんが簡単に紹介をし、りんちゃんが現れた。くるちゃんと合わせた白いロリータ衣装だった。1年半ぶり、なのだが、時間の感覚を忘れた。懐かしい、久しぶり、という感情は無く、いつも知っているりんちゃん、で相変わらず可愛かった。りんちゃんは、にこにこしながらくるちゃんと話す。tip時代はどちらかというとステージで話すことは余りなかったので、ちょっと珍しい光景だった。りんちゃんは髪を伸ばしていたらしいのだが、「くるちゃんと合わせるために切りました」と告げた。なるほど、余計あの頃のりんちゃんのまんまな訳だ。

そして2人はLADYBABYの「イースターバニー」を歌った。この曲は全然知らなかった。続いて耳なじみのあるイントロが流れた、tip Toe.の「シャッターチャンス」だった。tip Toe.をやるとは思っていたが、個人的に予想していたのは「夢日和」「星降る夜、君とダンスを」辺りだったのだが、これは一期曲である。二期推しだった僕としては歯がゆいが、一般的にtip Toe.は一期曲が有名で、二期曲を知っている人は少ない。「シャタチャ」を入れてくる辺り、くるちゃん通だな、と感心した。

何よりも目の前でりんちゃんが歌っているのを見ていると、tip Toe.そのものだった。くるちゃんのボーカルも全く違和感がない。

次にきのホ。の「TEA」。これはくるちゃんが「りんちゃんコールをさせたくて入れました」との事で、tip時代はほぼしなかった「りんちゃん」コールを思いきり入れた。TEAの間奏の所では余り慣れてないりんちゃんの為か、くるちゃんが「変な踊り」と言いながら2人してぐにゃぐにゃと踊った。

そして「りんちゃんは次が最後です」と告げられて始まったのは、tip Toe.の「シンガーソングトラベラー」だった。tip Toe.の活動終了が発表されたのは、2023年のTIFだった。そして、活動終了最後のツアーを並走する為の曲として発表されたのが「シンガーソングトラベラー」だった。二期の最後の一年間を通っていたら、もっとも思い入れのある曲である。曲中、印象的な「はぁ」という小宵めみ担当のため息パートをくるちゃんが再現していたのが面白くて笑った。久しぶりのパンMIXを叫んでいると気づくと涙が溢れてきた。

MCで、りんちゃんの特典会は無いけど、くるちゃんの特典会中10分位お散歩します、と告げられた。話しかけてもいいし、手を振ってもいいよ、と言われた。これは嬉しい誤算だった。
りんちゃんパートが終わるとギタリストの「同道公祐」さんが登場した。1年前に発売されたハロプロカバー集にくるちゃんはwith 同道さんと一緒にスマイレージの「私、ちょっとカワイイ裏番長」で参加していた。めちゃめちゃこのカバーが好きで、いつか聴きたい、と思っていたから、りんちゃんと同じくらい、同道さんがゲストを楽しみにしていた。そして同道さんは元々ポテトさんの店でバイトをしていた人、と説明されて「へー」となった。

大森靖子のカバーを挟み、「私、ちょっとカワイイ裏番長」が披露された。音源と全く同じなのにびっくりした。めちゃめちゃ同道さんのギターがカッコいいし、なによりくるちゃんの図太い歌い方もカッコいい。音源は2,3回でOK出たらしく、同道さんがしきりとくるちゃんの上手さを褒めていた。

ライブが終わると特典会会場の3階に移動した。初めは似顔絵からだった。マスクなしにするのでお話は出来ません、と告知された。一人一分だったので、そこそこ長い。目の前の女性が番になる直前にくるりと振り返り、僕に「今めっちゃ緊張するんですけど」と話しかけてきた。「多分みんなそうですよ」と励ました。

自分の番になると、くるちゃんはじっとこちらを見て「へんちゃんは描きやすい」とつぶやいた。余り自分の顔をそう表現された事は無かったので、なるほど、と思った。



似顔絵の番が終わったのでチェキ列に並んだ。暫くするとりんちゃんがやってきた。「やばい、めっちゃ人おる!」叫んだ。りんちゃんの脆さを、tip時代に見てきていると、楽しそうにするりんちゃんを見てるだけで嬉しかった。りんちゃんは、入口付近をうろうろして、当初予定だった散歩はやめ、お話会に変更する、と告げた。「お金貰わなければ法に触れない?大丈夫?」とヲタクたちに聞いてて笑った。「Drowly.どう?吉村さん元気?」と聞くと誰かが「めみと喧嘩してる」と答えた。りんちゃんは「昔からやん!」と突っ込んだ。一人一回で、時間は30秒程度。最後にハイタッチをしたり、しなかったり。

狭い会場だったのでりんちゃんの声が丸聞こえで、どうしても他の人のやり取りが耳に入ってくる。「今どこ通ってるの?」「Twitter見てるよ」と聞こえてくる。任意性で、当初はtipヲタが並んだが、すぐに列は切れた。と、次はきのホ。ヲタクたちが列に並んだ。「くるちゃん推し?」とか「tip知ってる?」と聞いていた。僕がくるちゃんとチェキを撮り終える頃には、きのホ。ヲタ列も切れていた。うーん、丸聞こえの中、行くのは気まずいな、と考えていると、きのホ。ヲタから「へんちゃんさん、行かないと」と背中を押され、しぶしぶ目の前に立つと、りんちゃんはそれまで他のヲタクに接していた笑顔が消え、急に神妙な顔になり小声で「未波あいりの事は、忘れないでいいと思う」と言った。頭の中が真っ白になった。

特典会時間を終えると、最後にりんちゃんが最後尾札として用意したくるちゃんとりんちゃんの似顔絵が書かれた台紙をめぐってのじゃんけん大会、となった。くるちゃんが慌てて走ってきてみんなと混じってやったが、くるちゃんは一回戦で負けてしおしおと自分の特典会場所に戻っていった。人生でじゃんけんに勝ったことがない位、激弱な僕なのだが、まさか最後勝ってしまった。りんちゃんは「おめでとう」と台紙を渡してくれた。

そうして最後に簡単な挨拶をした。りんちゃんは楽しかったのか、ヲタクとの別れを惜しんだ。「また会いたいな。よーし、不明なバーイベでもやるか!」と大声で叫んだ。会場が笑いで包まれた。

おしまい




 



きのホ。主催のフェス「ホ。フェス2025」に初めて参加した。

 

きのホ。を初めて見たのは2022年7月のfishbowl、tip Toe.とのスリーマンだった。自分は割とちゃんと通いたいヲタクゆえ、通える現場は2現場がせいぜいである。きのホ。も嫌いではなかったのだが、tipToe.にはまってしまった。

 

当初は「被ったら見るだけ」だった。特典会も並ばなかった。tipToe.に通ううちにメンバーの「りんちゃん」がどうやらきのホ。のくるちゃんと仲が良いらしい、と分かって来た。ある時りんちゃんが「くるちゃんのお父さんが特典会に来た」話をしてくれた。

「くるみの父です」と挨拶された、と聞いて「じゃあ、俺りんちゃんの父です、って言いに行くよ」と言うとりんちゃんはめちゃめちゃ喜んでくれた。そうして初めてくるちゃんに並ぶとくるちゃんは笑ってくれた。

 

2024年2月

「ホ。フェス行きませんか?」

tipToe.友達に誘われた。

既にtipToe.は2024年7月で解散する事が発表されていた。出来る事なら関東のイベントは全部行っておきたかった。その為京都に遠征するのは中々に重い。誘いは断った。

 

tipToe.が解散してから翌週にきのホ。AJIHENツアー仙台に行った。まぁ、元々きのホ。は見る度に楽しかったし、見たときは必ずくるちゃんに並ぶようになっていたので、tipToe.無き後、きのホ。にハマるのは必然であった。

 

ホ。フェス2025が発表された時には迷うことなく2daysVIPチケットを買った。

 

2/22(土)1day

 

★きのホ。

うっかり、新幹線京都着を10時半で取ってしまった事に気づく。トッパーのきのホ。は11時スタートである。調べると一応会場であるKBSホールには22時55分には着きそうだ。と思いきやまさかの新幹線の遅延で、11時10分位になりそうだった。会場近くの今出川駅から小走りに会場に向かった。会場に入ると1曲目の「emo衛門」が始まったばかりだった。

 

暫くするとステージにはADAM atが現れ機材をセッティングし始めた。そしてADAM atのベストに収められているきのホ。ゲストの曲「シャインセンゲン」が披露された。ステージ披露自体は2月上旬の獅子奮迅で見ているものの、やはりADAM atコラボは熱い。何度見ても振り付けが可愛くて好きだ。きのホ。といえばハンサムケンヤ楽曲なのだが、こうした変化球があるのは楽しい。

 

続いて新曲「傾いてる」が初披露された。余り初見で好きになる曲はそう多くは無いのだが、一聴して「これ好き!」と思った。メロディーがわかりやすいし、途中の腰を落として「ちょっと待ってみよう」と歌う展開もユニークでかわいい。

 

きのホ。朝イチのステージはスコンと気持ち良い楽曲が並び大満足であった。

 

★ハンサムケンヤ

遅れて入った事もあり、場内が良くわかっていなかった。KBSホールは広さとしてはZEPP新宿辺りが近いのだろうか?正面(白味噌ステージ)?と右側(黒七味ステージ)?にステージがあり、大体交互にタイテは進んだ。ステージ自体は黒七味の方が気持ち広く思えた。一番の違いは黒七味は後方のステンドグラスがとにかく映える。

良く分からずにきのホ。のステージを上手で見ていたら、そのまま右側ステージでケンヤさんのステージが始まった。

 

余りきのホ。以外のハンサムケンヤ曲を知らないので新鮮だった。突然聴きなじみのあるギターリフがはじまった。きのホ。の「シンドローム」だった。キーが全然違って面白かった。

 

荷物を整理せずに入ってしまったので荷物整理やお昼を取る為に一旦外に出た。KBSホール前ではメンバーコラボのメニューが販売されている。くるちゃんはピザ、らねちゃんはカレー(翌日はピザ)、こはるちゃんミコちゃんは、おでん、こはるちゃんはタコスだった。

 

まだ開始直後という事もありまだ食事をする人は少なかった。くるちゃんピザは食べようと思っていたので買ってみた。「三日放置ピザ」800円。あっさりしていて食べやすい。と、ここまで知らなかったのだが、どうやらホ。フェスではメンバーの手売りがあるらしい。とはいえ、ゲリラ的に来るのでタイミングがあうかどうか。。。




★くぴぽ

くぴぽは友達が好きなのでたまに見る。1月にもさとりモンスターとの対バンを見たところだった。好きな「しゃぼん玉ホリデー」が聴けて良かった。くぴぽと言えば、フロアに降りてくるパフォーマンスである。降りてきて「PAINT PAIN平成」と「まきちゃんかわいいSONG」を披露した。「まきちゃん」はボールをみんなでまきちゃんにぶつける曲なのだが、1月の対バンで勢いよくしゃがんだら腰を痛めてしまったので、若干ひやひやしながらボールを投げた。子供が嬉しそうにボールを投げていたのが印象的だった。最後はステージに戻り、ゲストのミコちゃんを交えて「麺of LIFE」を披露した。去年の京都爛漫会でステージ脇で見に来ていた所をうのちゃんにハグされてて感極まってたミコちゃんを思い出して嬉しくなった。

 

くぴぽが終わるとばってん少女隊の知り合いのオタクから声をかけられた。来るのは知っていたがスターダストのオタクが来るのが不思議で聞くと「いやー、なんか楽しそうじゃないですか」あっけらかんと教えてくれた。



★Finger Runs

フィンズも毎回被ると見る事が多い。友人のフィンズのオタクが来ていたので前で見た。割と見ている方だと思うのだが足でストンプのように踏み鳴らすヲタ芸?が斬新で笑ってしまった。ラストに「storm rider」がくる。一番好きな曲だから否応なしに楽しい。すると、後方で見ていたばってん少女隊のオタクが走ってきて俺の肩を叩いて「めちゃめちゃ楽しいじゃないすか!」興奮気味に叫んだ。そのまま彼は、前方エリアに突っ込み、おまいつ達とMIXをはじめた。たまらない光景だった。

 

一旦会場を出ようとすると、きのホ。のスタッフさんが「御堂莉くるみ手売りはじまりま-す」と告知していたので慌ててピザ屋に向かうと丁度くるちゃんが来たところで無事手売りピザを買うことが出来た。メンバーにより若干レギュレーションは異なるが、手売り販売時はカメラ、動画OKとの事。自分の番になるとくるちゃんが名前を呼んでくれてピザを渡してくれた。これだけで京都まで来た甲斐があった。つい1時間前に食べたばかりだったが、手渡しのピザは格別でぺろりと平らげてしまった。



★小花衣こはる

こはるちゃんソロは以前渋谷リキッドルームでのカイジューバイミーツーマンとのOAで見たことがある。といっても遅れての入場だった為フルで見るのは初めてだった。荒井由実の「ルージュの伝言」がやたら良かった。中島みゆきの「ファイト」を続けて歌っていて驚いてしまった。渋いなぁ。「ファイト」は殆どフルで聴いたことが無かったので前半めっちゃ怖い曲やな、と思いました。

 

こはるちゃんのステージを見終えるとくるちゃん特典会がはじまったので慌てて特典会に向かう。初日はKBS2階での特典会。くるちゃんはテツトモステージを控えていた為、緑のジャージを来ていた。去年まではホ。フェス中は特典会が無かったらしく、行くまでは普通の特典会なのか謎だったが、普通の特典会でした。

 

★ADAM at

割とホ。フェスで期待大、だったアーティスト。去年12月の下北shelterツーマンの時、きのホ。の出番が終わり、後方に下がってアルコールを呑みながらちんたら見る予定が、ライブが物凄く良くて食い入るように見てしまった。インストバンドながら、唐突に始まるコール&レスポンスとか、サービス精神が凄くてノリやすい。なにより、人柄の良さが伝わるMCが面白い。今回も「みなさんはきのホ。ちゃんの応援をしにきている。その分僕はみなさんにバフをかけます」みたいな事を話しててこの人はやさしいな、と思った。後半に美里ちゃんとらねちゃんがコラボで出てきて「定時に帰ろう」を歌った。また見たいと思える最高のステージだった。



★テツ&トモ

ホ。フェスの最大の楽しみは「楽しければなんでもあり」な所な気がする。そこにアイドルもバンドも垣根は無く、リスペクトすら感じる。アイドル、バンドに挟まれる形で突然放り込まれるテツトモのステージも違和感どころか、フェス後半の起爆剤になっていた。

 

テツトモステージでは、最初にこはるちゃん、くるちゃんが出てきて「なんでだろう」ネタをはじめた。割と完璧に再現していてくるちゃんの弾け方が凄い。「アイドルステージで客席を見ると地面に向かって叫んでいるのなんでだろう」みたいな、アイドルオタクあるあるで笑わせた。中盤はテツトモステージ、後半は再びこはくるが現れて4人でダンス指導やら、一緒に踊ったり、どこまで台本があるかわからなかったが、フロアが笑いに包まれて最高だった。



★THE NEATBEATS

ADAM atと並んでホ。フェス見たかったバンド。50~60年代ロック好きなので、昔から名前は知っていたものの、初めて見たのはやはりきのホ。との高円寺Highでのツーマン。ボーカルのPANさんの「大阪のおっちゃん」みたいなMCがたまらなく面白い。きのホ。と出会ってバンドを見る機会が増え、バンドのMCの面白さに毎回関心する。後半「誰かギター弾きたいやつおらん?」の声と共に、急遽美里ちゃんが呼ばれる。ここは元々コラボ予定では無かった為、ほんとのゲリラコラボ。

 

以前高円寺Highでは、ギターが得意なこはるちゃんと間違われて美里ちゃんがステージに呼ばれギターを弾かされたが、それの再来で嬉しくなってしまった。高円寺では明らかに緊張していた美里ちゃんだったが、今回2回目という事もあり、PANさんとのやり取りは叔父と姪みたいでほほえましくて笑えた。

美里ちゃんにギターをかけられてPANさんがコードを押さえ、美里ちゃんが激しくギターをカッティングすると、後方の幕が開きスタンドグラスが現れた瞬間は、まるでバック・トゥ・ザ・フューチャーのプロムシーンみたいで、めちゃめちゃかっこよくて痺れた。

 

この後PANさんの「まだ誰かギター弾きたいやつおる?」できのホ。Pの新井ポテト氏が出てきて笑ってしまった。ゲリラ的に行われたコラボだったが、NEATBEATSときのホ。のいい意味での悪ふざけが楽しくて最高に楽しいコラボであった。


★きのホ。

初日きのホ。2回目にして最後のステージ。1回目はステンドグラスじゃない方のステージだったが、トリはステンドグラスステージだった事もあり否が応でも盛り上がる。

1回目は新曲のうち「傾いてる」が披露されたが、2回目は「新パラドックス」と「秋刀魚」が披露された。「秋刀魚」は既に京都のライブで披露されているのだが、自分は初見だった。「新パラドックス」は「夕立雲」に続いて初披露された、ちょっと私立恵比寿中学の「幸せの張り紙はいつも背中に」を思わせるやさしい曲だ。一方の「秋刀魚」は続くwack辺りに通ずるストレートで疾走感あるロックナンバー。「今年の秋刀魚は細くって」という歌詞が面白い。後半は「秋刀魚」「シンドローム」と来て最後に「Danger」。オープニングステージが割と「楽しいきのホ。」だったが、トリは「激しいきのホ。」で、どちらも最高だった。

 

ライブが終わると突然、後方に映像が映し出された。なにか発表かと思ったのだが、映し出された映像に度肝をぬかされた。今日のライブ映像ダイジェストだったのだ。昼くらいまでのならまだしも、今さっきやっていたきのホ。のライブまで含まれている。雑につながれている訳でなく「秋刀魚」をBGMに紡がれる映像のクオリティがやたら高い。どうやったらこんな魔法みたいな事出来るんだ。。。きのホ。スタッフのレベルの高さに呆気に取られた。

 

初日は11時スタートで、ライブ終了が20時40分。通常のフェスならば、お目当て、と気になるグループをちょろっと見て帰るのだが、朝から最後までいたのは初めての体験だった。終演後集合チェキがあったので、一言興奮を伝えたくて並んだ。

 

友人たちと会場を出た。折角だし呑みたい、話したい、のだがKBSの周りは飲食店が乏しい。会場近くにホテルを取ってしまった為、移動するのは億劫だ。結局近くのコンビニで酒を買い、暫し感想を話して別れた。

 

ホテルに帰ると、とてつもない疲労感に襲われた。どうもライブ中はアドレナリンでも出ているのか、一人になった瞬間一気にぐったり来てしまった。ベッドに横になると秒で寝てしまった。

 

1日目おしまい

 

 

2025/1/15。クマリのワンマンに行ってきた。

 

2024年4月に山乃メイの卒業と同時に加入してきたリコウ、カンナを含めた7人体制のワンマンとしては「初ワンマン」であった。いや、考えてみると去年の5月6月にツアーやってたけど、あれはワンマンカウントではないのか???

ちょっと線引きが良く分からない。

まだ子供なので。

 

2024年の下半期のクマリはというと夏はTIF、アトジャを始めとした夏フェス。10月11月は大阪は大森靖子、東京はwinnersとのツーマン、栃木での楓フウカ生誕祭、12月にはデジタル配信の「冬バレ」リリイベ、月初のekmosフェス、月末30日に新宿MARSでの年末イベントといった感じだった。

 

2025年になり主だったイベントではカンナ生誕があったものの、体調不良でマナ、リコウが不在の5人体制での生誕。

 

そうして迎えたワンマン当日。会場は渋谷wwwX。開場30分前に現場に到着すると既に知り合いたちがたむろしている。遠征民やら年末年始忙しかった人もいて「今年初現場」の人から「あけましておめでとうございます」とあいさつされた。


「今年もよろしく」

 

あいさつを軽くすまし、とりとめのない話をする。

「今日なんか発表ありますかね?」

「ツアーかね?ニューシングル?」まぁ想定の範囲内の事しか浮かばないが、久しぶりのワンマンという事もあり皆それぞれなにかを楽しみにしている様子が伺えた。

如何せんフェスや対バンでは来れる人が限られてくる。「ワンマン」だと日ごろ中々来れない遠征民がいる事もあり普段より否が応でも活気づく。

 

ヤマザキデイリーストアに入るとサクライケンタがコーヒーを買っていた。好きだね。

 

場内に入る。今日の整理番号は90番台。wwwXはステージが高く、横長でありPA後方位でなければそれなりにどこでも見やすい。丁度センター付近に知り合いたちが固まっていたので合流する。狙ったわけでは無いが、周りはゆうなこオタクが多かった。有難い。ここ最近マナ推しと縦連番することが多く、レスが全く分からない。そろそろ病んでしまうかもしれない。レス厨なので。

 

開演時間になるとお馴染みの「おいでよクマリデパート」に合わせてメンバーが出てきた。さおにこが歌い始める。「ロングバージョン」。滅多にロングバージョンはやらないのだが、先日はカンナ生誕でやったばかり。一月で2回「おいクマ」ロングを聴けるのは珍しい。

 

続いて「YESモチfever」。これは年始の1/2のZEPP diver cityで初めて現体制で初披露されたのだが、自分は行ってなかったから聴けて有難い。最近自分がハマっているきのホ。が年明け配信中に0時になった瞬間にメンバーが「モチ」を歌い始めて笑ってしまった。

 

3曲目は「冬バレ」。オタク内ではカップリングの「ふたつの冬」の方が人気あったりするのだが、個人的には「冬バレ」派である。

4曲目に「365」。

そこまで終えるとさおにこの「新体制初披露曲です」のセリフに続いて「ウダガワ」が始まった。まぁ、予想はついてたんだけどね。やっぱり久しぶりの「ウダガワ」は楽しい。以前は渋谷でのライブは大体セトリに入っていたのだが、新体制になり約1年近く「封印」されていた事になる。1年ぶりだったけど振付は忘れてない。

 

ここから暫く初期曲が続く。「あれロマ」「愛phone」「ピアノ」「セカイケイ」「シャダ」。シャダが中盤というのも珍しい気もした。

シャダ終わりだったか、メンバーのMCが始まった。ゆうなこが「これから後半戦」と言ったことで終わりに近づいてる事を悟る。

 

決して珍しいセトリでもないのだが、今日は妙に楽しい。いや、普段も楽しいのだが、メンバーのパフォーマンス、それは楽しそうな表情、ボーカル、ダンス、それらひっくるめて安定している気がする。にぶいので何がどう、とかはわからないのだが。

 

「ふたつの冬」でメンバーが並ぶダンスがいつになく美しく思えた。こんなに綺麗なダンスだったんだ。ありがとう、いどみん。切り抜きでバズってる場合じゃないぞ。

 

続くみんな大好き「チェリブロ」。冒頭からオタクが跳びまくる。仕事帰りでスーツだったので、横のゆうなこ推しに肩を貸すだけで自分はおとなしく見る事にした。圧倒的「沸き曲」なのだが、落ち着いて見たことで、あまり前半気にしていなかった今日のパフォーマンスがやたら良い理由が分かった気がした。アップテンポのわちゃわちゃした曲なのだが、マナちゃんのボーカルにキレのある瞬間があった。フウカちゃんのボーカルも落ち着いていて優しい。小田ちゃんのダンスも美しい。カンナの表情も良い。今日はメンバーの所作のひとつひとつにまとまりがある。「いいねいいね」。キングダムの大沢たかおのような面持ちでステージを見守った。


クマリって、ふわっと見てしまうとただ楽しい曲を可愛くやっている、だけ、に見えがちだけれども、きちんと下地が出来ている。クマリの良さをあらためて気付いた。どこまで書くべきか分からないが、山乃卒業以降、決して順風満帆とは言えない日々が続いている。いやいやいや、まだまだクマリ戦えるっしょ!熱気を帯びたステージを見ながら心からそう思った。

 

そこからの「あみだ」「ケン%」楽しくない訳がない。間違いなく新体制ベストと言える完成度。いや、6人時代すらも越えているかもしれない。

 

本編ラストは「アンサー」。メンバー全員横並びに「好きだー」を叫ぶ方のバージョン。これって何回やったっけ?武道館は憶えているのだが。

 

本編が終了した。アンコールが始まった。メンバーが出てくるまで暫く時間がかかった。珍しい。もしかしたら新衣装かな?と思った。メンバーが再び出てくると特に衣装は変わっていない。あれ?マナちゃんが泣いている。

センターに立ったさおゆうが「私とゆうなこからお伝えすることがあります」。

その瞬間、さっきまでライブで沸騰していた血の毛が引いた。周りのさおゆう推し達の体が固まった。


さおゆうの卒業発表。


2人は丁寧に手紙を見ながら話していたのだが内容が頭に入ってこない。2人が話終えるとぱちぱちと拍手があがった。が、その拍手はいつになく乾いた音だった。悲しい拍手だった。

 

アイドルはいつか終わる。そんな事は長年オタクをしていれば分かっている事なのだが、さおゆうは辞めない。辞めるときはクマリが解散する時だ。多くのオタクはみなそういう事を考えていたのではないだろうか。自分もそうだった。それだけに衝撃が大きい。

 

2人の挨拶が終わると、「24時間四六時中」がはじまった。冒頭メンバーに合わせてオタクが跳ぶ、、、筈なのだがさおゆうパートになった瞬間、周りのピンクT達が一気にしゃがみこんでしまった。


それは集団感染のように、バタバタと会場内に伝播した。そんな光景を見るのは、小学校の夏の炎天下の朝の朝礼の校長先生のおはなしの時間以来だった。


どうしていいか分からず黙ってステージを見た。それまで落ち着いていたフロアはメンバーパートになると一部のオタクが雪崩のように最前にかけよりさおにこ、ゆうなこコールをした。今まで聞いてきたどんなコールよりも熱く濡れていた。

震えた。

ヲタクのコールなんて、やがて定型化していく。だが、今日のコールは心からのそれだった。そこには推しへの愛を叫ぶ、初期衝動しか無かった。

そんな彼らを見ていたら自然と涙が溢れてきた。

オタク歴が長いと、嫌でも推しの卒業の絶望が自分事に思えて泣けてきてしまう。それは楽しかった日常の終焉だ。今まで、さおゆうが「24時間四六時中」を何百回歌ってきたか分からないが、フロアで見るその光景は、間違いなく、ベストだった。

 

ラストの「ブルーサバイバー」が終わり、東京仙台大阪沖縄でのツアー、ニューアルバム、そして7/2のさおゆうラストライブが発表された。さっきまでへらへらと談笑したり、一緒にコールをしていた連中の顔つきの真剣な表情にどんな声をかけてよいか考えあぐねた。

 

終演後喫煙所に行くと、山乃推しから「前、山乃卒業が発表されたときってみんなどんな風に接してくれましたっけ?」と聞かれた。やはりみんなさおゆう推しの悲しみを前に困惑している様子だった。

 

記憶を掘り返すと、山乃の卒業はtwitterでの発表だった。山乃推しに想いを巡らせたけれども、目の前にいたわけではないので彼らの動揺や悲しみは所詮SNSでの文字にしか過ぎなかった。だが、今日は違った。ライブ中泣き崩れる何人ものオタクを見た。「24時間」で泣きながらコールをする人を見た。ロビーにはがっくり項垂れているオタク達が何人もいる。それはさおにこ推し、ゆうなこ推し関係なかった。山乃卒業と異なり、悲しみや絶望が生々しく今、目の前に横たわっている。

 

自分自身が頭の中を整理できていない。「悲しい」でも「おめでとう」でも「なんでやめんだよ」でもなく、もっと複雑な心情だ。

 

「いや、普通に接してたよ。今までと同じように」


自分自身何度か推しの卒業を見送ってきたが、結局推しへの気持ちなんて人それぞれだし推し量るのは難しい。結局出来る事なんか、残りが決まってしまった日々を共に過ごそう、としか言いようがない。


特典会はいつもより出てくるまで長かった。そりゃそうだろう。さおにこもゆうなこも、いつにも増して列が長い。今日はあまり他メンに行くのははばかれた。多分みんなそれぞれの推しに、悲しみやら激励やらを伝えたいだろう。マナちゃんを2周して列から離れた。


ふと、きのホ。の叩きを忘れてた事を思い出した。が、ちょっと今は他のグループのことを考える気にはなれなかった。一旦忘れた。


誰かと呑みたい気分なのだが、こういう時はとことん呑むことになりそうだ。平日にそれは辛い。知り合い数人に"よそよそしく"声をかけて会場を離れた。


帰宅してTwitterを開いた。予想はしていたのだが、流石にさおゆうのネームバリューゆえ、"見たこともない"アカウントの感謝や悲しみのツイートがタイムラインに溢れていた。暫くそんなツイートの一つ一つを読んだ。


だが、そこからは「24時間四六時中」は聴こえなかった