2025/1/15。クマリのワンマンに行ってきた。

 

2024年4月に山乃メイの卒業と同時に加入してきたリコウ、カンナを含めた7人体制のワンマンとしては「初ワンマン」であった。いや、考えてみると去年の5月6月にツアーやってたけど、あれはワンマンカウントではないのか???

ちょっと線引きが良く分からない。

まだ子供なので。

 

2024年の下半期のクマリはというと夏はTIF、アトジャを始めとした夏フェス。10月11月は大阪は大森靖子、東京はwinnersとのツーマン、栃木での楓フウカ生誕祭、12月にはデジタル配信の「冬バレ」リリイベ、月初のekmosフェス、月末30日に新宿MARSでの年末イベントといった感じだった。

 

2025年になり主だったイベントではカンナ生誕があったものの、体調不良でマナ、リコウが不在の5人体制での生誕。

 

そうして迎えたワンマン当日。会場は渋谷wwwX。開場30分前に現場に到着すると既に知り合いたちがたむろしている。遠征民やら年末年始忙しかった人もいて「今年初現場」の人から「あけましておめでとうございます」とあいさつされた。


「今年もよろしく」

 

あいさつを軽くすまし、とりとめのない話をする。

「今日なんか発表ありますかね?」

「ツアーかね?ニューシングル?」まぁ想定の範囲内の事しか浮かばないが、久しぶりのワンマンという事もあり皆それぞれなにかを楽しみにしている様子が伺えた。

如何せんフェスや対バンでは来れる人が限られてくる。「ワンマン」だと日ごろ中々来れない遠征民がいる事もあり普段より否が応でも活気づく。

 

ヤマザキデイリーストアに入るとサクライケンタがコーヒーを買っていた。好きだね。

 

場内に入る。今日の整理番号は90番台。wwwXはステージが高く、横長でありPA後方位でなければそれなりにどこでも見やすい。丁度センター付近に知り合いたちが固まっていたので合流する。狙ったわけでは無いが、周りはゆうなこオタクが多かった。有難い。ここ最近マナ推しと縦連番することが多く、レスが全く分からない。そろそろ病んでしまうかもしれない。レス厨なので。

 

開演時間になるとお馴染みの「おいでよクマリデパート」に合わせてメンバーが出てきた。さおにこが歌い始める。「ロングバージョン」。滅多にロングバージョンはやらないのだが、先日はカンナ生誕でやったばかり。一月で2回「おいクマ」ロングを聴けるのは珍しい。

 

続いて「YESモチfever」。これは年始の1/2のZEPP diver cityで初めて現体制で初披露されたのだが、自分は行ってなかったから聴けて有難い。最近自分がハマっているきのホ。が年明け配信中に0時になった瞬間にメンバーが「モチ」を歌い始めて笑ってしまった。

 

3曲目は「冬バレ」。オタク内ではカップリングの「ふたつの冬」の方が人気あったりするのだが、個人的には「冬バレ」派である。

4曲目に「365」。

そこまで終えるとさおにこの「新体制初披露曲です」のセリフに続いて「ウダガワ」が始まった。まぁ、予想はついてたんだけどね。やっぱり久しぶりの「ウダガワ」は楽しい。以前は渋谷でのライブは大体セトリに入っていたのだが、新体制になり約1年近く「封印」されていた事になる。1年ぶりだったけど振付は忘れてない。

 

ここから暫く初期曲が続く。「あれロマ」「愛phone」「ピアノ」「セカイケイ」「シャダ」。シャダが中盤というのも珍しい気もした。

シャダ終わりだったか、メンバーのMCが始まった。ゆうなこが「これから後半戦」と言ったことで終わりに近づいてる事を悟る。

 

決して珍しいセトリでもないのだが、今日は妙に楽しい。いや、普段も楽しいのだが、メンバーのパフォーマンス、それは楽しそうな表情、ボーカル、ダンス、それらひっくるめて安定している気がする。にぶいので何がどう、とかはわからないのだが。

 

「ふたつの冬」でメンバーが並ぶダンスがいつになく美しく思えた。こんなに綺麗なダンスだったんだ。ありがとう、いどみん。切り抜きでバズってる場合じゃないぞ。

 

続くみんな大好き「チェリブロ」。冒頭からオタクが跳びまくる。仕事帰りでスーツだったので、横のゆうなこ推しに肩を貸すだけで自分はおとなしく見る事にした。圧倒的「沸き曲」なのだが、落ち着いて見たことで、あまり前半気にしていなかった今日のパフォーマンスがやたら良い理由が分かった気がした。アップテンポのわちゃわちゃした曲なのだが、マナちゃんのボーカルにキレのある瞬間があった。フウカちゃんのボーカルも落ち着いていて優しい。小田ちゃんのダンスも美しい。カンナの表情も良い。今日はメンバーの所作のひとつひとつにまとまりがある。「いいねいいね」。キングダムの大沢たかおのような面持ちでステージを見守った。


クマリって、ふわっと見てしまうとただ楽しい曲を可愛くやっている、だけ、に見えがちだけれども、きちんと下地が出来ている。クマリの良さをあらためて気付いた。どこまで書くべきか分からないが、山乃卒業以降、決して順風満帆とは言えない日々が続いている。いやいやいや、まだまだクマリ戦えるっしょ!熱気を帯びたステージを見ながら心からそう思った。

 

そこからの「あみだ」「ケン%」楽しくない訳がない。間違いなく新体制ベストと言える完成度。いや、6人時代すらも越えているかもしれない。

 

本編ラストは「アンサー」。メンバー全員横並びに「好きだー」を叫ぶ方のバージョン。これって何回やったっけ?武道館は憶えているのだが。

 

本編が終了した。アンコールが始まった。メンバーが出てくるまで暫く時間がかかった。珍しい。もしかしたら新衣装かな?と思った。メンバーが再び出てくると特に衣装は変わっていない。あれ?マナちゃんが泣いている。

センターに立ったさおゆうが「私とゆうなこからお伝えすることがあります」。

その瞬間、さっきまでライブで沸騰していた血の毛が引いた。周りのさおゆう推し達の体が固まった。


さおゆうの卒業発表。


2人は丁寧に手紙を見ながら話していたのだが内容が頭に入ってこない。2人が話終えるとぱちぱちと拍手があがった。が、その拍手はいつになく乾いた音だった。悲しい拍手だった。

 

アイドルはいつか終わる。そんな事は長年オタクをしていれば分かっている事なのだが、さおゆうは辞めない。辞めるときはクマリが解散する時だ。多くのオタクはみなそういう事を考えていたのではないだろうか。自分もそうだった。それだけに衝撃が大きい。

 

2人の挨拶が終わると、「24時間四六時中」がはじまった。冒頭メンバーに合わせてオタクが跳ぶ、、、筈なのだがさおゆうパートになった瞬間、周りのピンクT達が一気にしゃがみこんでしまった。


それは集団感染のように、バタバタと会場内に伝播した。そんな光景を見るのは、小学校の夏の炎天下の朝の朝礼の校長先生のおはなしの時間以来だった。


どうしていいか分からず黙ってステージを見た。それまで落ち着いていたフロアはメンバーパートになると一部のオタクが雪崩のように最前にかけよりさおにこ、ゆうなこコールをした。今まで聞いてきたどんなコールよりも熱く濡れていた。

震えた。

ヲタクのコールなんて、やがて定型化していく。だが、今日のコールは心からのそれだった。そこには推しへの愛を叫ぶ、初期衝動しか無かった。

そんな彼らを見ていたら自然と涙が溢れてきた。

オタク歴が長いと、嫌でも推しの卒業の絶望が自分事に思えて泣けてきてしまう。それは楽しかった日常の終焉だ。今まで、さおゆうが「24時間四六時中」を何百回歌ってきたか分からないが、フロアで見るその光景は、間違いなく、ベストだった。

 

ラストの「ブルーサバイバー」が終わり、東京仙台大阪沖縄でのツアー、ニューアルバム、そして7/2のさおゆうラストライブが発表された。さっきまでへらへらと談笑したり、一緒にコールをしていた連中の顔つきの真剣な表情にどんな声をかけてよいか考えあぐねた。

 

終演後喫煙所に行くと、山乃推しから「前、山乃卒業が発表されたときってみんなどんな風に接してくれましたっけ?」と聞かれた。やはりみんなさおゆう推しの悲しみを前に困惑している様子だった。

 

記憶を掘り返すと、山乃の卒業はtwitterでの発表だった。山乃推しに想いを巡らせたけれども、目の前にいたわけではないので彼らの動揺や悲しみは所詮SNSでの文字にしか過ぎなかった。だが、今日は違った。ライブ中泣き崩れる何人ものオタクを見た。「24時間」で泣きながらコールをする人を見た。ロビーにはがっくり項垂れているオタク達が何人もいる。それはさおにこ推し、ゆうなこ推し関係なかった。山乃卒業と異なり、悲しみや絶望が生々しく今、目の前に横たわっている。

 

自分自身が頭の中を整理できていない。「悲しい」でも「おめでとう」でも「なんでやめんだよ」でもなく、もっと複雑な心情だ。

 

「いや、普通に接してたよ。今までと同じように」


自分自身何度か推しの卒業を見送ってきたが、結局推しへの気持ちなんて人それぞれだし推し量るのは難しい。結局出来る事なんか、残りが決まってしまった日々を共に過ごそう、としか言いようがない。


特典会はいつもより出てくるまで長かった。そりゃそうだろう。さおにこもゆうなこも、いつにも増して列が長い。今日はあまり他メンに行くのははばかれた。多分みんなそれぞれの推しに、悲しみやら激励やらを伝えたいだろう。マナちゃんを2周して列から離れた。


ふと、きのホ。の叩きを忘れてた事を思い出した。が、ちょっと今は他のグループのことを考える気にはなれなかった。一旦忘れた。


誰かと呑みたい気分なのだが、こういう時はとことん呑むことになりそうだ。平日にそれは辛い。知り合い数人に"よそよそしく"声をかけて会場を離れた。


帰宅してTwitterを開いた。予想はしていたのだが、流石にさおゆうのネームバリューゆえ、"見たこともない"アカウントの感謝や悲しみのツイートがタイムラインに溢れていた。暫くそんなツイートの一つ一つを読んだ。


だが、そこからは「24時間四六時中」は聴こえなかった