続・あれから(2) | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

 

 

 

元日明け

地震から2日目。

 

家族みんなで

こたつで雑魚寝して

朝を迎えた。

 

 

怖かったのは

余震。

 

夜中、何度も家が

グラっと揺れる。

 

その度に目が覚め、

体中が強張り、

心臓がドキドキする。

 

 

 

そんな中、本当に

有難かったのは。

 

あれだけの地震があっても、

私たちが暮らす地域では

停電がなかったことだ。

 

 

電気が通り続けてくれたお陰で、

こたつもファンヒーターも

いつも通りに使うことができた。

 

テレビで、地震関連の

ニュースを観ることもできた。

 

 

 

 

 

 

「町の様子、見に行こう」

 

 

 

 

 

長男が次男を誘い、

出かけて行った。

 

 

 

 

 

 

「いや、ひどいわ」

 

 

 

 

 

小一時間くらい

経っただろうか。

 

帰宅した二人から

町の様子を聞いた。

 

 

 

以前の記事にも

書いたのだが。

 

 

近所の擁壁が崩れ落ち、

道を端から端まで塞ぎ。

 

 

これが

原因なのか。

 

 

次男曰く。

 

 

 

「うち、地震の時、一瞬だけ停電したけど、

多分あれは、あの壁が崩れ落ちた時やと思う」

 

 

 

 

次男の言う通り

だとすれば。

 

 

各々の電線の

なんと逞しいことよ。

なんと有難いことよ。

 

電力会社の皆様、

お陰様に存じます。

 

誠にありがとうございます。

 

 

 

 

 

私自身、発災後

町へ出かけた際、

様々な被害を

目の当たりにした。

 

 

家の塀や壁が

落ちているのは、

 

最早、よくある光景に

なってしまい。

 

ぱっくり割れた道路からは

地下水が噴き出し。

 

歩道のタイルは

べこべこにくねり。

 

神社の鳥居は

原型を留めず。

 

 

 

主要な道路が

通行止めになり。

 

辛うじて通行できる車道も

ジェットコースターの

線路様に上下に大きく畝り。


マンホールとその周囲が

上がったり下がったり。

 

モグラたたきゲームの

モグラみたいに、ぴょこんと

飛び出ているのもあれば。

 

反対に、ハンマーで

叩き潰されたように

陥没したものもある。

 

 

 

 

 

「あの穴。ハムスター

二匹くらい暮らせそう」

 

 

 

 

 

これは、昨年の

夏頃だったか。

 

車を運転中に、次男と

交わした会話なのだが。

 

 

主要な道路であっても、

大きなものでなければ

今も穴が開いたままの

箇所がある。

 

 

 

ジェットコースター

モグラたたき

ハムスターの住居

 

 

 

発災直後、

あちこちでパンクが

続出したのも無理はない。

 

 

 

数か月前までは、

うちの最寄りのインターから乗る

高速道路があまりにボコボコで、

 

その上を走ると、ガッコンガッコンと

大きな振動が車へと響くものだから、

事故やパンクが怖くなり、

 

次のインターまで

迂回していた。

 

 

たくさんの工事を

していただいたお陰で、

 

今では遭遇することは

あまりないのだが、

 

わが家では、そのような箇所を

「ガッコンポイント」と

呼んでいる。

 

 

 

ちなみに。

 

ガッコンポイントほど

酷くはないけれど、

 

ジェットコースター様に

落差が激しい道路のことは、

「ヒャッハーポイント」と

呼んでいる。

 

 

その上を走ると、シートから

お尻が浮き上がり、

 

思わず、

 

 

 

 

「ヒャッハー」

 

 

 

 

こんな声が

上がってしまうから。

 

 

 

 

 

地震後、雨の後の道路には

大きな水溜まりが増えた。

 

うちの近所の道路などは、

雨の後は、ハムスターなら

30匹くらいは、悠々と

泳げそうなくらい大きい。

 

電柱も高速道路の看板も

曲がったままという場所も

未だにある。

 

 

 

 

 

 

我が家は

高台にあるのだが。

 

2階の窓からは、

海に面した高い建物が、

 

天辺から下に向かって

縦にぱっくり割れているのが

確認できた。

 

 

もしかすると、

あれでは。

 

最下のフロアから

空が見えるんじゃないかと思った。

 

傾いている建物も多い。

 

ピサの斜塔みたいな

ビルもあった。

 

 

 

 

 

大晦日までは、

なんともなかったのに。

 

なんて儚いんだろう。

 

 

 

 

 

今、これを書いている瞬間も

ご近所の二軒で解体工事が

進められている。

 

 

これで何件目だろう。

 

うちの周辺だけで、

4と5世帯目だろうか。

 

 

いや。

先日、娘から聞いた。

 

すでに解体が終了した

お宅が、もう一軒ある。

 

 

 

 

 

ずっと同じものなど

どこにもない。

 

それどころか。

 

昨日と同じものですら、

今日もある保証はない。

 

 

 

 

 

つくづく、こう

思い知らされる。

 

 

 

 

 

一体、この世に。

それが何であれ。

 

100%絶対確実な担保など、

存在し得るんだろうか...

 

 

 

 

 

否が応でも。

 

こんなことを

考えさせられたりもする。

 

 

 

 

 

 

あの地震の後、

大変有難いことに。

 

我が家では、ガスも

通ってくれていたのだが。

 

 

水は、どの蛇口からも

一滴も出なかった。

 

 

そして、この後。

 

この状態が、

ほぼ丸3ヵ月続いた。

 

 

 

 

今、振り返ってみても。

 

 

トイレ

洗濯

お風呂

 

 

 

これらが儘ならないのは、

とても辛かった。

 

 

 

だからだろう。

 

発災後から今日に至るまで、

鮮明に記憶に残っているのは、

やっぱり。

 

 

この3つに

纏わることなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 家族ブログ 国際結婚夫婦(台湾・香港・中国人)へ