惚れた弱みの美しさよ | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

先日。

 

地元の新聞に、

映画「ひまわり」を

扱った記事が載っていた。

 

 

 

 

 

 

ああ。

懐かしい。

 

 

 

 

 

あの映画を観たのは

いつのことだっただろう。

 

 

大学生の頃

だっただろうか。

 

いや、それとも。

 

もう少し後

だっただろうか。

 

 

 

 

 

 

ネタバレになってしまうので、

まだご覧になったことのない方には

大変申し訳ないのですが。

 

 

 

 

 

第二次世界大戦中の

イタリア。

 

アントニオとジョヴァンナは

恋に落ち、愛し合う。

 

結婚すれば、出征前に

12日間の休暇をもらうことが

できると知り、結婚。

 

 

その後、アントニオは

ソ連の戦線へと送られる。

 

 

 

やがて戦争が終わり、帰還兵が

戻ってくるようになっても、

アントニオの姿はない。

 

 

帰還兵のひとりから、

アントニオのことを

聞きつけたジョヴァンナは、

ソ連行きを決意する。

 

 

 

様々な場所を巡り、やっと

探し当てたアントニオは、

 

戦時、凍死寸前だった自分を

助けてくれた女性と結婚して

子供もいた。

 

 

 

泣き崩れたジョヴァンナは、

イタリアに戻った後、

新たな人生を歩み始める。

 

 

 

が。

 

アントニオはジョヴァンナに

会うために帰国。

 

 

 

 

 

 

 

「一緒に行こう」

 

 

 

 

 

 

こう告げる。

 

もう一度、

ふたりでやり直そうと

いうことだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「なにそれ。クズやん」

 

 

 

 

 

 

 

記事に書かれていた

大まかなあらすじを

 

次男と娘に読んで

聞かせていたところ。

 

 

 

先日、小学校を卒業した

ばかりの娘は、きっぱりと

こう言い放った。

 

 

 

 

 

やはり、そこは

12歳の感性だ。

 

 

純粋であると同時に

的を得ていると、

私は思った。

 

 

 

 

戦争という時代背景への

配慮の必要性は別として。

 

 

いわゆる「大人の事情」に

共感する年齢でもなければ、

 

この映画が名作と謳われて

いることも、娘にとっては、

別に知ったことではない。

 

 

だから。

 

なんの遠慮も

忖度もない。

 

 

 

 

 

 

 

でも。

そうよねえ。

 

 

 

 

 

 

話の筋を追って

考えてみたら、

 

どう甘く見積もっても

クズよね。

 

 

 

 

 

母国には、正式に結婚した

妻がいる身にもかかわらず。

 

無事だと知らせる手紙の

一本も書くわけじゃなく。

 

 

 

妻だけじゃない。

 

年老いた母親は、生死すら

分からない息子の帰りを

ずっと待っていたのだ。

 

 

 

これがゲスの所業じゃなければ、

一体何だろう。

 

 

 

 

 

 

挙句に。

 

 

 

 

 

「一緒に行こう」

 

 

 

 

 

って、あんた。

 

 

 

 

 

ソ連にいる

嫁と子供は?

 

どうすんのよ。

 

 

 

 

アントニオ。

こいつは。

 

一体どこまで

クズなんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

何十年も前に

この映画を観た時には。

 

 

 

 

 

 

 

悲しいけれど、

いい映画だった。

 

音楽も美しい。

 

 

 

 

 

 

こう思った。

 

 

 

 

私も、あの頃は

まだ若かった。

 

 

 

 

今の私が同じ

映画を観ると、

 

その頃とは、また違う

視点が生まれる。

 

 

 

 

 

 

 

私だったら、

どうするだろう...

 

 

 

 

 

 

もし。

 

私がジョヴァンナの

立場だったら。

 

一体何を思い、考え、

実際にどう行動する

だろうと。

 

 

 

 

 

 

夫を亡くしてから

今までずっと。

 

 

 

 

 

 

 

「あなたの夫は生きています。

○○にいますよ。」

 

 

 

 

 

 

もし。

 

誰かに、こう

告げられたら。

 

 

 

 

 

それが、たとえ。

 

北極でも南極でも、

アマゾンの奥地でも。

 

キリマンジャロや

エベレストの天辺でも。

 

 

 

どんなことをしても

会いに行く。

 

 

 

たとえ。

 

誰かと暮らして

いてもいい。

 

一緒に帰ることが

できなくても。

 

 

 

ただ。

 

あのおっさんが、

この同じ星のどこかで

息をして、生きている姿を

見られたらそれでいい。

 

 

 

 

そして。

願わくば。

 

 

 

 

 

 

「よく来たね」

 

 

 

 

 

 

こう言って

笑ってくれたら。

 

それだけでいい。

 

 

 

 

 

こう思ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

ただ。

 

これは

飽くまで。

 

 

″こう思ってきた”

 

 

という域を出ない。

 

 

 

 

 

もし。

 

実際に師匠に

会えたとして。

 

誰かと暮らしている姿を見て、

自宅に戻ったとしたら。

 

 

 

 

その後、時間と共に

猛烈に腹が立つかも

しれない。

 

許せなくなるかも

しれない。

 

 

 

 

 

 

 

「私の今までの人生は、一体何だったんだ!

あのクソおやじ!もう死んでしまえ!」

 

 

 

 

 

 

こう叫びながら、

怒り狂うかもしれないのだ。

 

 

 

 

 

私のことだ。

 

その可能性は

非常に高い。

 

十二分を遥かに

超えて、あり得る。

 

 

 

 

 

でも。

それでも。

 

やっぱり。

 

 

 

 

 

 

生きていてくれて

良かった。

 

 

 

 

 

 

いつかは、きっと。

 

心の中で、こう決着を

つけるような気がする。

 

悔しいけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

「話があるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

雨が降り始めた夜。

 

ソ連から戻り、電話をかけてきた

アントニオを自宅で待つ間、

 

ジョヴァンナは、出征前に

彼がプレゼントしてくれた

イヤリングを鏡の前でつける。

 

 

 

ソ連で泣き崩れた後も

まだ持っていたのだ。

 

 

その女心よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会えばきっと許してしまう

どんな夜でも

 

 

 

 

 

 

切ないけれど。

これが。

 

誰かを愛するという

ことなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「一緒に行こう。愛している」

 

 

 

 

 

 

 

こう言われ

キスを交わしていると、

赤ちゃんが泣き始める。

 

ジョヴァンナの子供だ。

 

 

 

 

 

 

ここで彼女は悟る。

 

アントニオと一緒の

未来はないのだと。

 

今となっては。

 

あの頃に戻ることも

叶わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひまわりは、ウクライナの国花やよ」

 

 

 

 

 

 

 

記事を読んでいる時、

次男が教えてくれた。

 

 

 

 

ひまわり。

 

太陽に向かって

咲く花よ。

 

まっすぐに。

高く。

堂々と。

 

 

 

 

映画中のひまわり畑のシーンは、

ウクライナで撮影されたという。

 

 

 

 

今後、決して。

 

第二第三の「ひまわり」が

制作されるような、

 

そんな世の中で

あってはいけない。

 

 

 

こう祈り、切に願う。

 

 

 

 

 

人間。

死ぬ時には。

 

1ルーブルどころか、

ひまわり一本、

国土の砂一粒すら

 

あの世に持っていく

ことはできない。

 

 

 

 

パパやママから

教わらなかったのか。

 

 

 

 

だから。

Pの字。

 

もうやめろ。

 

 

 

 

 

この世のすべては、

自身の体ですら

天からの借りものなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※映画「ひまわり」は、

2022年4月30日まで、

GYAOで無料配信されています。