「エイリアン、故郷に帰る」の巻(8) | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。



「エイリアン、故郷に帰る」の巻(7)






気が付くと、誰かが師匠の
ベッドのそばに立っていた。



涙と鼻水を垂らしたままの
ぐちゃぐちゃの顔で見上げる。


スーイエンだ。


師匠のすぐ下の弟、
ツーションの奥さんだ。


バオメイ同様、私の義妹に当たる人だが、
恐らく60代前後だろう。


私の母と、年はあまり
変わらないんじゃないだろうか。


ツーションは数年前、
すでに亡くなっている。






「姐姐(チエチエ)」






本来なら妹を表す「妹妹(メイメイ)」と
呼んでもいいのだろうが、彼女の年齢を考えると、
さすがにそれはできなかった。


それなら、すでに60代の義弟ファンツンも
「弟弟」ではなく、お義兄さんと呼べばいいのだろうが、

何せ最初から弟弟と呼んでいたので、
今さらという気がしてしまう。



それに、何だか不思議とこの人は、
「弟」という感じがする人なのだ。








「来てくれたの。ありがとう」








私もこれくらいの中国語なら話せる。




この時、すでに午前2時前後
くらいだっただろうか。



洪さんにお願いして、私が台湾に着く日時を
バオメイに伝えてもらっていたので、

ファンツンもスーイエンも、私が来るのを
待っていてくれたのだろう。


飛行機が遅れ、結局、病院には
とても遅い時間に着いてしまったのに、
二人が私を待ってくれていたことに感謝した。



また。

本来なら、ICUの面会時間は、
午前11時と午後7時から
それぞれ15分ずつと決まっているのに、

お忙しい中、しかも夜遅くに、
時間外の面会を許してくれた
病院スタッフの皆さんにも
同様に感謝した。





スーイエンが
私に何かを手渡してくれた。

ボトルに入った水のようだ。


彼女が何を言っているのか、
全部を理解することはできなかったが、

どこかのお寺か山で、病気に効くという
お水をもらって来てくれたらしい。






「謝謝。」







これを顔や体に
振りかけると良いという。


師匠の容態が少しでも良くなるのなら、
霊験あらたかな水だろうが、
井戸水だろうが何でもかまわない。








「ねえ、先生。ファンツンもスーイエンも来てくれましたよ。」







私はこの時、以前観た
テレビ番組を思い出していた。


ある医者の話だ。


その人は、ある日突然、
脳の病気に襲われた。

入院したが、とても危ない状態で、
家族は担当の医者に期限を言い渡される。

あと何日以内に意識が戻らなければ
回復する見込みはないと。



結果。

その医師の意識は
期限内ギリギリに戻った。

しかも、無事に回復して
元の生活に戻った。


興味深いのは、ここからだ。


その医師は入院中、昏睡状態にありながらも、
自分の周りにいる人すべてが見えていたという。


誰がいて、どんな会話をしていたのかも
すべて覚えていた。


さらに。

見覚えのない女性が夢の中に
出てきて、こう言ったという。






「あなたはたくさんの人に愛されています。
まだこちらに来るのは早いでしょう。」







この後、この医師は回復した。

その後、残された写真から、
その女性は近しい親族にあたる女性で、
すでに亡くなっていることが判明。


また、その女性に話しかけられる前後に、
とても美しい場所を訪れる経験もしたという。


この一件以来、この医師は
死後の世界を信じるようになった。







私には、死後の世界のことは分からない。

でも、この医師が昏睡状態に
あった時の話は、本当だと思う。





昏睡状態にある人間には
意識がない。

目が見えていない。
耳が聞こえていない。
喜怒哀楽の感情がない。





そんなことはない。
私は100%そう断言できる。





昏睡状態にある人間には
意識がある。

目は閉じていても見えている。
耳はしっかり聞こえている。
笑ったり泣いたりもする。





私は100%こう断言できる。


そうでなければ説明できないことが
何度も起こったからだ。











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