事例:うつ・投薬からの回復~催眠療法から 6 | カウンセリングルーム ハルモニアのブログ

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事例:うつ・投薬からの回復~催眠療法から

 

前回までの流れ

●概要

初回面接後、心療内科にてたくさん処方された薬をきちんと飲み始めた彼女は記憶障害に陥る。

新しい精神科の医師により、抗うつ薬を1種類にしぼる。

精神科医から、『考え方を変えないと薬だけでは治らない』と診断され、カウンセリングを再開。

 

1人目の人格との話 : 催眠療法(退行催眠)

   家庭での彼女  真面目な優等完璧主義、潔癖傾向、頑張りすぎる。 

数回の退行催眠にて①の彼女の苦しみのカタルシス(抑圧からの解放)となる。カタルシスを得た以降、真面目ではあるが、完璧でなくても良い、調度良い感じを、探せるようになって来た。

 

 ●2人目の人格との話 : ミルトン・エリクソンテクニック

   裏の顔の彼女  高校生の時、夜な夜な遊びに行き、好き勝手をしていた。

⑤の彼女は、「私は①の彼女のバランスを取るために出てきた存在だよ。私の役割は終わったようだから、もうヤンキーはやめてあげる。①の彼女に伝えてあげて。じゃあね、先生バイバイ!」と⑤の彼女は、彼女の中の1人として、戻っていった。

 

 

今回のセッション

前回のクロージングから

⑤の彼女との話を①の主人格に説明をする。 主人格の彼女には、受け入れる準備ができていたため、相互理解が深まっていて伝わっていった。

誰にも言わないでとの話については(⑤の彼女との)約束なので、語らないが、①の彼女はそれ自体を知っていたのか、その事実を静かに受け入れていた

⑤の彼女は、言葉は悪いし言いたい放題だったが、⑤の彼女の思いの方を、①の彼女は受け取りたいと話す。

 

明確化した残りの人格をもう一度整理

 人前での彼女  明るく元気、友達が多い。
 自己否定感が強い彼女  うつになる。

 お酒に逃げる彼女  大量服薬、リストカットで現実に戻る。

 

『さて、その後いかがでしょうか?』

との私の問いかけに、

『前より少し落ち着いてきましたが、自身をまだ責めています。

友達の前で明るく振る舞った後や、家族からの言葉に、自己否定感が強くなると自身を責める自分が出てきます。』とのこと。

 

 ●3人目の人格との話 : うつになる潜在意識へ、再び退行催眠に

『本当は、息子のことを考えると、④の私と向き合わなくてはいけないのかもしれませんが、“自分を責めてしまってうつになるか逃げる”と思うんですそう考えると④と③の私は、①と⑤の私のように呼応した存在のような気がします。』

となかなか深い気づきの言葉が出てくる。

 

そこで「③ 自己否定感が強い彼女  うつになる」に退行催眠でのアプローチを施し、前回と同じ道のりで、時計の針を戻す。

 

  の彼女の自動思考は、常に完璧にしなくては

いけないと思っている・すべき思考。

出来ないと「私はダメだ」と責める・落ち込む・行動できなくなる・身体も動かなくなるなど、出来ない自身を責めるのに対して、③の彼女の自己否定感は、相手がいるときに起こる。

 

③の彼女は、『なんであの時あんなこと言ってしまったんだろう、それを聞いて相手はどう思うのだろう』『うちの旦那はあんな言い方をしていた、どうせ私のことをダメな人間だと思っている」など、人の評価を自身に当てはめ、本当に相手が思ってると決めつけてしまう

 

 

この思考のもとを、退行催眠で遡ると、幼少期にご両親が離婚、両親の争い時が夜中に繰り広げられていたことに行き着く。

耳を塞いでもいろいろな言葉の中の自分に向けられた言葉に、反応しているうちに、全ての言葉を自身に向けてしまう癖がついてしまった。

 

皆【私を悪く言っている】、そんなわけない、頭では分かっていても、心の底から思えない、幼少期から培った自動思考頭では分かってもなかなか変えられないのが現実です。

 

時間を遡り、耳を塞ぎ、固まっている、小さな彼女のそばに行きます。

静かに・優しく話を聴きだし、解放してあげることにより、彼女はカタルシスへと向かいました。

 

またまた、長くなりましたので、今日はこの辺で。

やっぱり終わりませんでした、次回は最終回です(必ず!)

では、また次回、最終回お楽しみに!!

 

 

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補足・ミルトン・エリクソン

稀代の催眠療法士と言われる。

既成概念に囚われず,役立つ有効なものは何でも使うというユニークなミルトン・エリクソンのアプローチが心理療法の世界に与えた影響は計り知れない。すぐれて実践の人であった彼は,クライエントの本質をはっきり見るためにあえて理論を遠ざけ,介入法をそれぞれのクライエントのニーズに合わせて適用した。また彼は,メタファー,積極的介入,催眠誘導,逸話(アネクドート)等,革新的な技法をもちいた,劇的なコミュニケーションの達人。