事例:うつ・投薬からの回復~催眠療法から5 | カウンセリングルーム ハルモニアのブログ

カウンセリングルーム ハルモニアのブログ

ブログの説明を入力します。


事例:うつ・投薬からの回復~催眠療法から5

前回までの流れ
●概要
初回後、治りたいとの一心で、心療内科での薬を飲み始めた彼女の記憶障害が起こった結果、新しい精神科の医師により、精神の安定を抗うつ薬1種類でコントロールすることとなり、カウンセリングにより考え方を変えないと薬では治らない。」との診断を受け、カウンセリングの再開となる。

●催眠療法(退行催眠)を始める。
① 家庭での彼女 → 真面目な優等生、主婦・母として、きちんとしなくて 
はいけない。完璧主義、潔癖傾向、頑張りすぎる。
数回の退行催眠にて①の彼女は苦しみのカタルシス(抑圧からの解放)となった。



今回のセッション
●催眠療法(退行催眠)を進めて
退行催眠のセッションでカタルシスを得た以降、①の真面目な彼女に変化が起きる。
真面目ではあるが、完璧でなくても良い、調度良い感じを、探せるようになって来る。

●人格を分けてのセッション(2人目の人格)
落ち着いてきた①の彼女からの、「二重人格なのでしょうか?」との問いに、医師の診断をお聴きすると『お医者さんには、怖くて話していません。』とのこと。
「私は医師では無いので、診断は出来ませんが、今までは、否定感が⑤の人格を遠ざけてきたのでは」、とお話しする。
「確かに、認められなかったけれど、存在を感じていました。」と安堵の表情をしていた。
「⑤の彼女を開放して欲しい。」とのご依頼により、⑤の彼女と話をすることにした。

⑤ 裏の顔の彼女高校生の時、夜な夜な遊びに行き、好き勝手をしていた。
(真面目な彼女は、夜な夜な遊んでいた時の記憶はあまりないと言う)
*この人格と話すと、彼女の全体像が見えてくる。

●ミルトン・エリクソン的なテクニックの使用
ミルトン・エリクソン的なテクニックを使用して声をかけると、古典的な催眠療法に入らずとも、きちんと話に応じてくれるので、そのまま⑤の彼女に話しかけていく。
初回の彼女は、「私の話なんて、どうせ誰も聞かないでしょ!」とあきらめ顔で嫌味っぽく、なかなかなヤンキー感たっぷりな話しぶりで当時を語っていた。

「先生、この人ホント馬鹿!!何とかしてくださいよ!息苦しいったらありゃしない。
中学、高校時代、夜になると私が出掛けていたから、元気でいられたくせに、自覚がないもんだから、また壊れようとしてる。このままだったらこの人壊れるから、仕方なく私が出てくることを自覚しようとしないんだ。ホント馬鹿!」と真面目に頑張る彼女をボロカスに話す。


「母親が夜勤でいないから、良い子なんてふざけんなって感じでやってらんない。私は夜な夜な出かけてやったよ。タバコも吸ってたし、彼氏もいたし。バイクで迎えがくると近所のおばちゃん達がうるさいから、少し離れたところで拾わせて、朝帰り。
お姉ちゃんも適当だったし、お互い干渉しないようにしてたね。」

なかなかヤンキーな彼女の言葉を正確に伝えきれないところは勘弁してもらって(皆さんの頭の中でヤンキーっぽいセリフをそれぞれ入れていただけると幸いです・加藤)、⑤の彼女は学生時代、それなりに自由を楽しんでいたようである。
そんな彼女は悪びれもせず、過去の経歴をひと通りぶちまけると。
「私は、①の彼女のバランスを取るために出てきた存在だったんだ。」、と神妙に語りだす。

「あーあの頃は楽しかったな、懐かしいや。私は、こいつが馬鹿だから、壊れそうになるとしょうがないから出てきては、バランスとってたんだ。大人になってからもこんなだから時々出てやっていたけど、こいつは気がつかないふりをしてる。先生、誰にも言わないなら、話すけど聞きたい?」とだんだんと話し方が可愛くなってくる。
ここからもう少し、深い話を語ってくれたことは、⑤の彼女との秘密なので語ることはできませんので、あしからず。

その話が終わると、「⑤の彼女は、もう私の役割は終わったようだから、もうヤンキーはやめてあげるね、って①の彼女に伝えてあげてね、先生。」
といったと思ったら、「じゃあね、先生バイバイ!」と⑤の彼女は、彼女の中の1人として、戻っていった。

ここからは、①の主人格に対しての説明、クロージングとなりましたが、本日はまたまた長くなりましたので、この辺で終わりにしたいと思います。
続き6は最終回になる予定です(なるたけ…)また次回。


*補足・ミルトン・エリクソン
稀代の催眠療法士と言われる。
既成概念に囚われず,役立つ有効なものは何でも使うというユニークなミルトン・エリクソンのアプローチが心理療法の世界に与えた影響は計り知れない。すぐれて実践の人であった彼は,クライエントの本質をはっきり見るためにあえて理論を遠ざけ,介入法をそれぞれのクライエントのニーズに合わせて適用した。また彼は,メタファー,積極的介入,催眠誘導,逸話(アネクドート)等,革新的な技法をもちいた,劇的なコミュニケーションの達人。




ご質問やご依頼は下記まで
・パソコンの場合
・スマートフォンの場合
・カウンセリングルーム ハルモニアのHP