事例:うつ・投薬からの回復~催眠療法から4 | カウンセリングルーム ハルモニアのブログ

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事例:うつ・投薬からの回復~催眠療法から4

 

前回までの流れ

概要

1回目のセションの後、彼女は心療内科での薬を真面目に飲み始めたが、記憶障害が起こる。

今まで調子が悪いと医師に訴える度に、薬が増えていったが、調子が悪いと飲み、良いと飲まなかったことで、結果的に問題が見えなかった。

記憶障害が起こったことにより、脳神経外科での診察の結果、「薬が多いために起こったことと判明。

新しい精神科の医師により、精神の安定を抗うつ薬1種類でコントロールすることになったが、カウンセリングにより考え方を変えないと薬では治らない。」との診断を受ける。

背中を押される形で、落ち着く時間を置いてカウンセリングを再開した。

 

 

彼女の人格(パーソナリティ)を整理

    家庭での彼女  真面目な優等生、主婦・母として、きちんとしなくて 

   はいけない。完璧主義、潔癖傾向、頑張りすぎる。

     *上記の普段の優等生の、家庭での彼女の人格に⑤の人格の自分は、はっ

     きりと自覚はなく「先生もしかして私、二重人格かもしれません」と語る。

   人前での彼女  明るく元気、友達が多い。

   自己否定感が強い彼女 → うつになる 

   お酒に逃げる彼女 → 大量服薬、リストカットで現実に戻る 

   裏の顔の彼女 高校生の時、夜な夜な遊びに行き、好き勝手をしていた。

     (真面目な彼女は、夜な夜な遊んでいた時の記憶はあまりないと言う)

  *この人格と話すと、彼女の全体像が見えてくる。

 

今回のセッション

問題となっている人格の話

人は一人の中にいくつもの人格を持ち合わせています。インテーク(初回面接)で、の彼女は、幼少期から母子家庭で忙しい母に構ってほしい、良い子で褒められたい、真面目な良い子を望む母の期待に応えるため、一生懸命優等生として頑張ってきました。

親に嫌われたくない、期待に応えようとする①の彼女にとって、⑤の裏の顔はあってはならない存在でした。

 

ひどいトラウマなどの状況がなくても、又は二重人格・解離性同一性障害などと言った問題はなくても、良い子でいたい、親に見捨てられるのが怖い、など否定感が強いと防衛本能で、①にとって⑤の人格はないものとして考えることはよくあります。

 

誰かに「あなたって意外とこんな性格なんですね」などと人に言ったところ、「えっ?そんな性格なんてないですよ」との答えが返ってきて、気まずい雰囲気になった経験がおありだと思います。

また反対に指摘され、「そんなのないない」と答えたこと、なかったでしょうか。意外と自身では気づいていない、又は苦手な自分を無かったことにしていることはよくあります。

 

 

いよいよ催眠療法

前置きが長くなりましたが、彼女の中で一番苦しいのは?との答えは、「①の人格です。」とのことでした。

そこで彼女の①の自動思考を変えるために、催眠療法に入っていきました。

 

  の彼女の自動思考は、常に完璧にしなくてはいけないと思っている・出来ない

と「私はダメだ」と責める・落ち込む・行動できなくなる・身体も動かなくなるなどです。

【出来ない自身を責める】のは、もうやめたいと心の底から思っていても、幼少期から培った自動思考、頭では分かってもなかなか変えられないのが現実です。

 

 

退行催眠に誘導

彼女は素直で被暗示性が高いため、リラクセーション誘導を行うと、どんどん開いていくので、パターン化された自動思考を変えるため、退行催眠を行いました。

 

催眠療法は、リラクセーション・類催眠・運動催眠・深下法・知覚催眠と進みますが、退行催眠は、深下法から時計の針を逆回しして、年齢をさかのぼる誘導をしていくオーソドックな療法です。


途中トラウマなどの記憶にぶつかるなどもあるために注意は必要ですが、自身が子供に返るというより、自身を俯瞰して映画のように観ていくことから始まるので、安心して進むことが可能です。

 

徐々に時間を戻していくと、いろいろな場面で頑張っている自身に出会います。

【寂しそうにしているとき・我慢しているとき・良い子で頑張ってても認められなかったとき・いじめられているときなどなど。

必要に応じて何度でも途中下車をして、自身を助けに行くことが出来ます。

 

このセッションでは、出会った過去の幼い自分中にも入ることが出来、幼い彼女の育っていない部分を育てて行くことが可能です。

悲しかったこと・苦しかったこと・寂しかったこと・頑張ったことに寄り添い

話を聴いて解放して行くため、深いカタルシスを得ることとなり、開放が起こります。

 

 

 

さてさて、またまた長くなりました。

事例を書き記すのにエネルギがいるためゆっくり投稿となってますね、楽しみにしてくださっている方、のんびりお付き合いくださると幸いです。

 

では続きはまた。

 

上記のような、またはもっと深くお悩みの方、またそこまでは行かなくてもうつなど精神疾患にお悩みの方、下記までお気軽にお問い合わせ、ご相談ください。

 

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