事例:小学2年生のお子さんとのカウンセリングNO6(自律神経失調、不安障害との診断から) | カウンセリングルーム ハルモニアのブログ

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さて、長くなりましたが、今日は最終回となります。

2回目のセッションの続きからとなります。


彼女の残りの心配や不安を尋ねると。

『うーんとね、まだ1人で学校に行けないの。』
と女の子。

『あのー、後お伝え忘れしてたかと思うのですが、給食が苦手なんです。』
とお母さん。

『そっか~、どんな感じか教えてくれる?』
と女の子に私が聴くと。

『あのね、学校は楽しいんだけど、

月曜日の朝が特に心配なの、朝礼があって、終わるとすぐ体育で、朝もいつもより早く行かなきゃいけないし、

それと火曜日も、6時間も授業があって、疲れちゃうの。

でも水曜日は早く終わるから好き??』
と女の子。

『じゃあ、ドキドキさんにまた聴いてみようか?』

と私は、ゴッコ遊びとして心理療法を取り入れる。

遊びの中で、子供は正直に心の中を現してくれる。

前回より深めて、心理療法であるサイコシンセシスの技法、外在化を応用して使用。

ドキドキちゃんの雰囲気の精油、気になるボトルを選んでもらう。

女の子は目をキラキラさせながら、冒頭のシーンの精油から、嬉しそうに1本を選び名前を付ける。

濃いピンク色のボトルに
〈いちごちゃん〉と名前をつける。

『お話し聴けるかな?…』
と女の子は心配そうに、ボトルに耳を傾ける。

『うん、今までちゃんと聴こえていたからだいじょうぶ、胸の辺りにいたドキドキちゃんは、今はいちごちゃんの中にいるよ。』
と私。

耳をさらにボトルに近づけて、女の子は静かに待っている。

『あのね、だいじょうぶだって??
月曜日は早く行ってるから、慌てなければ、大丈夫だって??』
と女の子は目を丸くして答える。

『そっか~、慌てずに〈まってて〉あげればいいんだね。』
と私。

『うん。』
と言って、女の子はボトルに向かってまたそっと寄り添い、言葉を待つ。

『あのね、体育のときもお友達がいるから大丈夫だって??』
と女の子は、自身でどんどん聴いていく。

さらに、
『あのね、火曜日は、月曜日が大丈夫になれば、宿題も早くできて、早く寝れば大丈夫だって??』
と女の子は、さらに目を輝かせて答えてくれる。

『すご~い!
いちごちゃん、教えてくれるんだ??

そうしたら…もしかしてドキドキちゃんは胸の辺りにもう1人いるのかな?』
と私。

『そっか~?』
と女の子は胸に手を当てる。

『うん、いるいる!
もう1人いる~、ドキドキしてる??』
と女の子。

『そっか~ドキドキちゃんは2人いたんだね。
じゃあ、もう1人のドキドキちゃんにも名前を付けてあげよう、また好きなボトル選んでおいで。』
と私が声をかけると、

女の子は、ちょっとドキドキ顏で、おそるおそる近づき、慎重に薄緑色の精油のボトルを選んでくる。

『わ~キレイな色!
今度は青りんごの色みたいだね!
お名前なんてつけてあげようか?』
と私が聴くと。

『じゃあね、青りんごちゃん??』
と女の子。

『ごめんなさい、私が決めちゃった?』
と聴くと、

『青りんごちゃんでいいの。』
と女の子は言いながら、すでに耳を傾けて青りんごちゃんに聴いている。

『怖いんだって~。』
と女の子。

『そっか、
ドキドキして怖かっていたのが青りんごちゃん。

だいじょぶと言ってくれてたのがいちごちゃんだったんだね~。』
と私。

こうして女の子は、

解決策を出す”いちごちゃん”と

不安な気持ちを持つ”青りんご”ちゃんと

それを聴く女の子


の3人での話し合いができるようになり、給食の苦手意識も克服していきました。

女の子とのセッションは、最後に自律訓練法をお母さんと一緒にやってもらうようにご指導して終了となりました。

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人は誰でも、

怖い自分も、それを乗り越えようとする自分も、解決策を出す自分も、全て自身の中にいます。

それなのに何故怖くなったり、不安になったりするのかと言うと。


自分でやる事を誰かに助けてもらっていたり、やってもらっていたり、と自身でやってこなかった。

あるいは以前失敗してしまった時、失敗を乗り越えずに誰かに代わりにやってもらった。

など、成功を体験しないままに、失敗体験のまま終わっていることが苦手意識となっています。

怖い、

自信がない、

誰にも言えない、

自分なんてダメだ、

と、どんどん心も身体も萎縮し、行動出来なくなり、身体は動けなくなり、支障をきたす事さえも良くあります。

今回の連載は、小学生とのやり取りを通して、自分自身の不安な気持ちをどのように整理していくか、それによって自律神経はどう整っていくのかを書いていきました。

心の中は、
大人も子供も同じです。
体験を通して、得手・不得手が生まれます。

カウンセリング、心理療法は、不得手を改めて自覚し、解決方法を自身で導きだすスピードを上げていくお手伝いをすることです。

お気軽に、ご相談ください。

おわり。