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2023年12月25日
クリスマスに全米公開された
ミュージカル映画「カラーパープル」
いよいよ日本で
2024年2月9日(金)公開になります。
(米国のポスター)
*1985年オリジナル映画公開
アリス・ウォカーの小説を
スティーブン・スピルバーグ監督
クインシー・ジョーンズ音楽で
ウーピー・ゴールドバーグの女優デビュー作
オプラ・ウィンフリーの女優デビュー作
(オプラは今や米国エンタメの最高セレブの一人)
は現在も名作として語り継がれており、
*2005年には、
ブロードウェイミュージカルに
*2015年には、
ブロードウェイミュージカルとして リメイク上演され
*2023年に映画としてリメイク上映(←今ココ)。
私は、
この全てを観ている日本人として
昨年、いくつかの雑誌に寄稿する機会をいただきましたが、
日本公開を前に、
本音トークで「見どころ」をご紹介させていただきますね。
結論から言うと、
●今回初めて「カラーパープル」という作品に触れる方にとっては多分、
ミュージカル映画としては、踊りも歌も素晴らしい!
●私も含め、オリジナル作品(本または映画)に触れたことがある人の多く(特にアメリカ黒人)の感想が、
リメイクを作る意味が分からない、する必要が無い
作品どうこうというより、裏のゴシップが凄すぎる
物足りない
どういうことか、詳しく見ていきましょう(注:ネタバレあり)
1)豪華キャストによるミュージカル映画として楽しみたい方は、
何の事前知識も持たずにいきなり映画をご覧ください。
ゴスペル風のナンバーから始まり、前半は黒人霊歌風の歌とダンスも満載でワクワク。
2時間20分、楽しめると思います。
2)かなりストーリーが簡素化されています。
時代背景や、ドロドロした本当のストーリーをきちんと理解して観たい方は、
事前にあらすじをつかんでおくといいと思います。
映画『カラーパープル』ネタバレあらすじ結末と感想|映画ウォッチ (eiga-watch.com)
※↑このあらすじでは「レズビアン」の部分が柔らかく表現されていますが、本来は、家庭内暴力、父親からの性的虐待で14歳で妊娠、男尊女卑、人種差別、レズビアン、、、深いテーマが多々あり、黒人男性からはもうウンザリだという批判もあります。
3)なぜこんなに40年間リメイクされるのか!?を知るには、
やはりオリジナル映画を観ることをお勧めします
(新作を観る前でも、観た後でも構いません)。
オリジナルは名作として
毎年2月、米国のブラック・ヒストリー・マンスには、
今現在も、何度も何度もTV再放送されているので
私も何度もオリジナル映画を観ていますが、
(今回残念な点①)
●オリジナルでは「細くて貧弱で愛嬌が無くて魅力が無い暗い女性」主役シリ―を(40年前まだとっても痩せている20代の)ウーピーが見事に熱演しています。
(歴代のシリー役)
左:オリジナル映画ウーピーはゴールデングローブ主演女優受賞
中:シンシア・エリヴォ、ミュージカル最高峰トニー主演女優受賞
右:ファンテイジア 多分今回受賞無し
今作のファンテイジアは、
一生懸命、暗いおとなしい女性シリ―を演じているけれども
2007年ブロードウェイミュージカル時に比べ
現在とってもふくよかでグラマラスなので、
なぜ妹のネティの代わりにシリ―なのか、
その悲壮感が出ていない。
(※一般的に昔の南部美人は胸もおしりも大きい女性が魅力的。痩せて貧弱な女性は人気無い=シリ―役)
(今回残念な点②)
オリジナル映画で、にくにくしくてしょうがなかった暴力夫ミスター役のダニー・グローバー(左)。
今回は風貌がとても似た感じのコールマン・ドミンゴ(右)が演じているが、映画を観終わってもしばらく後味の悪かった、あの強烈な憎々しさがない。
(今回のみどころ①)
終盤で、みんなで食卓を囲む有名なシーンがあります。
オリジナルでは、食事を前に3日間もかけて撮影し、アドリブでオプラのあの名シーンが生まれた場面。
今回も出演者にとって思い出深いシーンだそうです。ソフィアの「泣き笑い」表情変化、映画の中でじっくりご覧ください。
(今回の見どころ②)
●オリジナル映画では、自立した強い女性ソフィアをオプラが恐ろしいほどに演じた(右)。
今作では、ダニエル・ブルックス(左)が明るく気丈なソフィアを演じ、主役を喰う存在感を出している(彼女は2015年のブロードウェイミュージカルでも同役を好演)
(ウラ話)
今回夫婦役のダニエル・ブルックス(ソフィア役)とコーリー・ホーキンス(ハーボ役)は、NYのクラシック名門校ジュリアードの同級生ということで息もピッタリ、歌も最高。
(コーリーの推薦で今回ダニエルが役を得た)
(今回の見どころ③)
ミスターの元恋人でシンガーのシュグを演じるタラジ・P・ヘンソンの登場シーンが超CooL。
”本業女優”として数々の人気作品に出ているタラジが、米国最高レベルの歌唱力の他の出演者の中で、際立った歌とパフォーマンス。主役を喰う存在感。
さらに、カップル役を演じているグラミー受賞アーティスト、ジョン・バティーステのピアノ演奏を、俳優として映画の中で見られるのは高揚する見どころ。
そして、
この人気女優タラジと、上述②のオプラ・ウィンフリーの確執が、
最大のゴシップとなり、この映画の評判を更に下げてしまいました。
1985年のオリジナル映画が代表作となり、
今やアメリカのエンタメ界を牛耳る億万長者となったオプラは、
その後のブロードウェイから今回のリメイク映画まで、
カラーパープル全てに冠プロデューサー等として関わっています。
今回の映画プロモーションで
タラジが代表して各メディアにかなり露出していたのですが、
次第に、その中で、
「今回ギャラが驚くほど少なくて耐えられなかった。黒人女性へのギャラが少なすぎる」
「信じられないことに今回は撮影現場往復の車の手配が無く、自分でレンタカー利用。セキュリティもドライバーも無し。数十時間の疲弊した撮影後に自分で運転して事故も自己責任という異例の待遇」
「前代未聞、撮影時にケータリング等の食事が用意されていない」
「通常、主要俳優の楽屋はひとり一室なのに、みんなでトレーラー一台。これだけの大物揃いなのに、着替えも他の出演者の前で。リラックスもできない異例の待遇」
などなど、
泣きながら(他の出演者を代弁するように)各番組で発言して、
オプラと、その仲良しの白人プロデューサーだけが今回潤っている的なことになり、
純粋に作品としても、
興行収入がまったく稼げず
既に75ミリオン(約110億円)の赤字
ということも重なって、
すっかり映画が盛り上がらなかった、
というのが米国での現状です。
グラミー受賞アーティストH.E.R.、リトルマーメイドのハリーベイリー、ゴスペルシンガーのタメラマン他、豪華出演者が揃っているのに、
それぞれが光らなかった、
ちょっともったいない作品となりました。。。。。
さて、
そのような米国ゴシップに関わりが無いところで観る、
日本の皆さんの、名作「カラーパープル」
感想はいかがでしょうか?
ー ー ー ー ー
2005-2008年 ブロードウェイミュージカルとして上演(2006トニー賞11部門にノミネート)
★2007年ファンテイジアが主役セリー役で客演する期間がありました
★2008年チャカ・カーンと BeBeワイナンズが客演する豪華な期間がありました
2015-2016ブロードウェイミュージカルでリバイバル(2016年トニー賞2部門”受賞”)
★ジェニファー・ハドソン(シュグ役)ブロードウェイデビュー作
劇場ミュージカルでは、「生」の歌を至近距離で聴けるのが醍醐味。
ジェニファーの迫力が半端なく、大好きなミュージカルでした。
(ジェニファー本人から目の前でサインをもらったPlaybillは私の宝物)
ジェニファーとファンテイジアは、どちらも大好きなシンガー。
2017年ファンテイジアのクリスマスコンサート(inアポロシアター)で、私も後ろで一緒にゴスペルを歌わせて頂けたこともNYでの大切な宝物↓
(興奮すると彼女はヒールを脱ぎ捨てて裸足で歌いますw)
(オマケ)
2004年、第3期の「アメリカンアイドル」で
ファイナリストとして争ったジェニファー・ハドソンとファンテイジア。
結果はファンテイジアが優勝でしたが、
20年後、
優勝を逃したジェニファーは大スターになり、
ホストを務める「ジェニファーハドソンShow」に
ファンテイジア他、カラーパープルのキャストが出演した感動の模様はこちらから↓
<関連過去ログ>
※必見!ジェニファー・ハドソン初ブロードウエイ「カラー・パープル」(2015年11月)
※シンガー必見!映画「リスペクト」を10倍楽しむ〜アレサフランクリンとジェニファーハドソンと
●NYハーレム案内人 松尾公子 Kimiko Matsuo
NYハーレムの黒人コミュニティにどっぷり浸かって22年の音楽プロモーター、ディレクター、NYコーディネイター、日本人ながらハーレム黒人教会ゴスペルクワイヤーのリーダーに任命されている。Harlem Japanese Gospel Choir主宰(2010年マクドナルドゴスペルフェスト史上日本人初出場で初優勝)、2014年アメリカの黒人コミュニティより、日本人女性初「ウーマン・オブ・エクセレンス&マン・オブ・ビジョン」受賞、米国最大のエンタメ・スーパーボウルの日本人初ゴスペル部門役員、2019年世界初公式ライセンスにてアポロアマチュアナイト日本大会開催など、”日本人初”を次々切り開くパイオニア。
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