黒い羊の夢 -9ページ目

黒い羊の夢

綺麗な嘘と、汚い嘘の境界線。迷子はずっと気付かない。

 


呼び出し音に潜む嗤い声
僕を密かに嘲笑う
繋がらないと知りながら
僕は画面を見つめてた

よくあること
そう
よくあることにしておこう

返信の件名にアルファベットの列
僕を密かに嘲笑う
思考が回らないから何度も送信してた

ばかなやつ
そう
よくあることなのに

酒にアレに眩暈スープ
まだ眠いよもっと眠らせて
アレにあれと眩暈スープ
正常を保とうなんてそれが異常なだけ
雑音が嘲笑に変わり罵声になり槍となって左を狙う
寝ても覚めても悪夢に犯されるなら
眩暈スープを飲みたい

なんて

人が皆僕を怨んでる人が皆僕を嫌ってるそんな視線の雨が絶え間無く降り注いで
専用の傘がどこにあるか解らない解らない
痛いくらい居たくないくらい激しく降り注いで
だけどもがいているのは どうやら どうやら僕だけ

同じ時間同じ場所で烏が僕を見て鳴くんだ
耳は音楽に溢れているのに
烏はそれを裂いて僕に言う

黒い眼で
僕に言う

『   なんだよ』

まだ目覚めたくないな
夢のあの子が手を振って
抱きしめてくれる キスをくれる
川へ行こうと誘う

まだ目覚めたくないな
夢のあの子が指を絡めて
もう離したくないと 身体を寄せて
川へ行こうと見詰める

ああーああ
『結局はお前も僕を殺そうとする。お前も僕に死んで欲しいんだな?そうなんだな?!』

気付いたらあの子の首が折れていた

よかった 夢で
よかった 僕の部屋で


酒にアレに眩暈スープ
まだ眠いよもっと眠らせて
アレにあれと眩暈スープ
正常を保とうなんてそれが異常なだけ
雑音が嘲笑に変わり罵声になり槍となって左を狙う
寝ても覚めても悪夢に犯されるなら
眩暈スープを飲みたい

なんて

狭い暗い場所で眩暈スープ
縄も何も要らないなんて嘘
アレにあれを眩暈スープ
正常を保とうと変な汗かいて結局は異常がスキ
過呼吸で周りを遠ざけても雑音の毒がぐるり廻る
寝ても覚めても悪夢に犯されるなら
眩暈スープを飲みたい

眩暈スープをください

眩暈スープで溺れていきたい


 
嘘吐きに憧れて僕は自分を飾り立てる
本当なんて誰にも解らない
教えてあげない

何気ない意地悪に君が泣き出すから
面倒臭さに溜息を床に吐き
煙草に火を点ける

本当は優しくしたいんだよ
でも今はまだ焦らしていたいだけ

君の依存症は僕がよく解ってるから 震えが治まる前に
こっちへおいで そこじゃないでしょ もっと近くで吐息を味わいたい

傷付いた君を慰める振りをして猫の被り物
優しくする代わりに 等価交換 守ってくれるよね?

サディスティックな言葉で毒を仕込んだら自由を奪って
そんな汚い眼で僕を見るなんて…こわいヒトだ

大丈夫 壊さないよ
上手く調教 飴と鞭


僕の意味を考えた
適当に酔わせた獲物を罠に掛けて
絶対服従を仕込んだ
感情豊かで従順 だから夜中の薄暗い路地に 差し入れしてきたんだ


僕を殺してみろ
怨んでみろ
心の底から
壊してみせろ
拒絶してみろよ

僕は僕を飼育出来る犬が欲しかった


嘘吐きに憧れて僕は自分を飾り立てる
本当なんて誰にも解らない
教えてあげない


さあ深く深く突き立てろ

あいしているよ(笑)




 



切りたい死にたい怖い暗い
君の白は叫ぶ
僕の赤はどくんどくん
一緒に歩いて生きましょう

怖いなら怖いでいい
どうしたらいいかわからなくても

逃げるんじゃなくて ほんの少し気持ちが和らぐように
そっとそっと手探りで
泣きながらでも生きましょう

消えたい潰れたい壊したい生きたいよ両手広げて
真っ白なまま
どくんどくん どくんどくん
震える指に握る毒で自分を崩すのが幸福だなんて思いたくないんだよ
潰れたい壊したい潰れたい
生きたいよ


空がぱっと晴れるように
晴れるといいな

土砂降りでずぶ濡れ
打たれてみたいな

やさしいやさしい温もりに
愛されていたいな

消えたい潰れたい壊したい生きたいよ両手広げて
真っ白なまま
どくんどくん どくんどくん
震える指に握る毒で自分を崩すのが幸福だなんて思いたくないんだよ
潰れたい壊したい潰れたい
消したい、消したい、消したい、


君の白は叫ぶ
僕の赤は呼ぶ
名前を呼ぶ ほら 聴いて

どくんどくん どくんどくん


生きたいよ

ねえ 生きたいよ



 
 

ああ 食べてしまった
食べてしまったよ
僕はもう
だめになってしまったよ

外は晴れ
こころは雨
すぶ濡れで寒い しんでしまいそうさ

放置されて腐ってた
変なもの食べて お腹が腐った

あいされたいなあ

ああ 食べてしまった
食べてしまったよ
ポジティブをまるごと 食べてしまったんだよ

優しい朝が過ぎたら こわい夜がくる
僕を壊しに 夜がくる
食べられるんだよ



夜が廻って朝がくる。何回目かのおやすみとおはようが交わされて、夢から現実から解放されて、僕は漂う。次に指を交わすのはいつだろう。僕は君にまた出会えるのだろうか。何回目かの欠伸と背伸びで憂鬱をひきちぎる。それでも、けだるさと淡い眠気が裂ける事はない。君の声が聴きたいな。そう思って寝返りを打ち、リモコンを握る。意味もなくテレビをつける。リモコンを離す。仰向けになる。溜息。静かに目を閉じる。音が充満しているこの部屋には、君の声がない。聞きたくない音や声ばかりが溢れて、でも静寂には浸りたくなくて、そのままにする。君の声がほしい。落ち着きのないまま、僕は涙ぐんだ。


いろのない世界なんて
そんな在り来りな言葉で
僕はまた唇を曖昧に動かす

遠くて近い 近くて遠い
そんな在り来りな世界で
僕は抜け殻になる

明日のこと
昨日のこと
一昨日のこと
明々後日のこと

どうでもいいこと
どうでもよくないこと

色々がないまぜになり 僕は、はなせなくなった

両手を広げても拾えないものばかり受け止めきれないものばかりだ 零れて零れて
涙の味なんて忘れたさ


温もりがない
今更のように虚しくなり
君がいない
当然にしたくないから とりあえずもがいてみる

とりあえず 名前を浮かべてみる

夢でしか逢えないのなら
記憶なんか要らない
触れられぬのなら
僕なんて消えてしまえ

世界なんて滅んでしまえ



真っ白なシャツを歪ませて堪えた感情を潰した。目を開けた瞬間、今まで以上にあついものが溢れ、視界が歪んだ。何故、僕は泣いているんだろう。どうして、この部屋はこんなにも苦しいんだろう。仰向けの身体は沈むように重く、床に馴染みすぎて動かない。なんだか馬鹿らしくなって笑った。泣き笑いなんて、馬鹿だな。気持ち悪いな。どうしてだろう。どうしようもなくなって叫んだ。頭を抱えて寝返り、うずくまり、ひたすら叫んだ。
僕は一体なんなんだろう。

誰も教えてくれない。