夜が廻って朝がくる。何回目かのおやすみとおはようが交わされて、夢から現実から解放されて、僕は漂う。次に指を交わすのはいつだろう。僕は君にまた出会えるのだろうか。何回目かの欠伸と背伸びで憂鬱をひきちぎる。それでも、けだるさと淡い眠気が裂ける事はない。君の声が聴きたいな。そう思って寝返りを打ち、リモコンを握る。意味もなくテレビをつける。リモコンを離す。仰向けになる。溜息。静かに目を閉じる。音が充満しているこの部屋には、君の声がない。聞きたくない音や声ばかりが溢れて、でも静寂には浸りたくなくて、そのままにする。君の声がほしい。落ち着きのないまま、僕は涙ぐんだ。
いろのない世界なんて
そんな在り来りな言葉で
僕はまた唇を曖昧に動かす
遠くて近い 近くて遠い
そんな在り来りな世界で
僕は抜け殻になる
明日のこと
昨日のこと
一昨日のこと
明々後日のこと
どうでもいいこと
どうでもよくないこと
色々がないまぜになり 僕は、はなせなくなった
両手を広げても拾えないものばかり受け止めきれないものばかりだ 零れて零れて
涙の味なんて忘れたさ
温もりがない
今更のように虚しくなり
君がいない
当然にしたくないから とりあえずもがいてみる
とりあえず 名前を浮かべてみる
夢でしか逢えないのなら
記憶なんか要らない
触れられぬのなら
僕なんて消えてしまえ
世界なんて滅んでしまえ
真っ白なシャツを歪ませて堪えた感情を潰した。目を開けた瞬間、今まで以上にあついものが溢れ、視界が歪んだ。何故、僕は泣いているんだろう。どうして、この部屋はこんなにも苦しいんだろう。仰向けの身体は沈むように重く、床に馴染みすぎて動かない。なんだか馬鹿らしくなって笑った。泣き笑いなんて、馬鹿だな。気持ち悪いな。どうしてだろう。どうしようもなくなって叫んだ。頭を抱えて寝返り、うずくまり、ひたすら叫んだ。
僕は一体なんなんだろう。
誰も教えてくれない。