アメリカ采振木(アメリカザイフリボク)


アメリカ采振木(アメリカザイフリボク)はバラ科ザイフリボク属の落葉小高木である。
原産地は北アメリカである。
カナダから合衆国にかけての東部地域に分布する。
別名をジューンベリー(June Berry)ともいう。
これは、6月ころに実が熟すことからつけられた名である。
日本でも各地で植栽されている。
寒さに強く、特に北海道では推奨されている。
樹高は2~7メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
若葉には白い毛が生える。
開花時期は4~6月である。
総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出して、花径2センチくらいの白い5弁花を鈴なりにつける。
遠くから見ると枝先全体が白く煙るように見える。
花びらは細長く、花の真ん中は緑色である。
6~7月になると、直径1~2センチのブルーベリーに似た赤い実がたくさんつき、やがて濃い赤紫色に熟する。
実は生食をするほかジャムなどの加工品に利用される。
秋には鮮やかに紅葉する。
写真は5月に札幌の豊平公園で撮った。
学名:Amelanchier canadensis


★真っ白に枝を埋めて咲く花に
 ジューンベリーを重ね合わせて



アメリカ采振木(アメリカザイフリボク)2


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姫林檎(ヒメリンゴ)3


姫林檎(ヒメリンゴ)はバラ科リンゴ属の落葉高木である。
原産地は中国である。
日本では北海道から本州の北陸地方にかけて分布している。
ただし、(1)中国原産の犬林檎(イヌリンゴ)の別名という説と、(2)犬林檎(イヌリンゴ)と蝦夷の小林檎(エゾノコリンゴ)の雑種という説があるという。
盆栽や観賞用に栽培されるものの樹高は30センチくらいからあるが、高いものだと10メートルを超す。
樹皮は暗い紫褐色をしている。
葉は楕円形または広い楕円形で、長さは3~9センチくらいあり、互い違いに生える(互生)。
縁には不揃いなぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~6月である。
葉のある短い枝先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、5~6個くらいの白い花を咲かせる。
花びらは5枚で、花径は35~50ミリくらいである。
花の真ん中には雄しべがたくさんある。
秋に赤く熟する実は直径1~2センチの球形で、食べられるが酸っぱい。
花の写真は6月に札幌の百合が原公園で撮った。
実の写真は11月に鎌倉の大船植物園で撮った。
学名:Malus prunifolia (=Malus × cerasifera)


★実ではなく花を見てねと姫林檎
 白い五弁花大輪広げ



姫林檎(ヒメリンゴ)2

姫林檎(ヒメリンゴ)


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崑崙草(コンロンソウ)


崑崙草(コンロンソウ)はアブラナ科タネツケバナ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、湿地などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国、シベリア東部などにも分布する。
牧野富太郎博士によれば、中国の崑崙山に積もる雪をイメ-ジしたのではないかとされている。
草丈は30~70センチくらいである。
葉は5~7枚を1組とする小葉の集まりである。
小葉には裏表ともに毛が生えており、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
また、先は鋭く尖る。
地表を這う匍匐茎を出して繁殖し、群落を形成する。
開花時期は5~6月である。
茎先に十字形をした白い4弁花の集まりをつける。
花びらの長さは7~10ミリくらいで、6本の雄しべがある。
近縁種の大葉種漬花(オオバタネツケバナ)と似ているが、こちらのほうは葉先が尖らず鋸歯もない。
写真は4月に京都府立植物園で撮った。
学名:Cardamine leucantha


★素晴らしい名前もらった崑崙草
 ロマンチックが大好きなのと


崑崙草(コンロンソウ)2


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高嶺軍配(タカネグンバイ)2


高嶺軍配(タカネグンバイ)はアブラナ科グンバイナズナ属の多年草である。
北海道固有種で、山地や高山の砂礫地に稀に生える。
蛇紋岩地や石灰岩地に生えることが多い。
環境省のレッドデータブックでは、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧ⅠA類(CR)に登録されている。
草丈は10~20センチくらいである。
茎は普通は枝分かれをする。
根際から生える葉は楕円形で、長い柄がある。
茎につく葉は卵形で、つけ根の部分は茎を抱く。
開花時期は5~7月である。
茎先に短い総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花をまとまってつける。
花弁は4枚で、倒卵形である。
実のなるころには花茎は更に伸び、長い倒卵形の実をつける。
その様子をかつて武将が用いた軍配に譬えたのが名の由来である。
写真は5月に北大植物園で撮った。
学名:Thlaspi japonicum


★見たくとも滅多に見られぬ花だから
 注ぐ視線もつい熱くなり


高嶺軍配(タカネグンバイ)


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岩雪の下(イワユキノシタ)


岩雪の下(イワユキノシタ)はユキノシタ科イワユキノシタ属の多年草である。
本州の神奈川県から紀伊半島にかけてと四国に分布し、山地の湿り気の多い岸壁に生える。
草丈は10~20センチくらいである。
根茎は横に這う。
葉は卵形で、粗い毛の生えた長い柄がある。
葉のつけ根の部分は心形である。
開花時期は5~6月である。
雌雄異株である。
茎先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
写真は4月に京都府立植物園で撮った。
学名:Tanakaea radicans


★めずらしい花を集めた野草展
 岩肌に咲く花も我が目に



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蝦夷の上溝桜(エゾノウワミズザクラ)


蝦夷の上溝桜(エゾノウワミズザクラ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
北海道と青森県に分布し、平地や山地に生える。
青森県で発見されたのは最近のことで、鳥が種子を運んだのではないかと考えられている。
海外では、アジアやヨーロッパにも分布する。
近縁種に上溝桜(ウワミズザクラ)がある。
「上溝桜」の名の由来は、材の表面に溝を掘って亀甲占いを行ったことから「上溝桜」と名づけられ、読みはそれが転訛したものである。
樹高は10~15メートルくらいである。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尾状に尖り、縁には棘状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~6月である。
葉の展開した後に花を咲かせる。
枝先にブラシのような円柱状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
花弁は5枚である。
雄しべは30本くらいある。
上溝桜(ウワミズザクラ)は雄しべが花弁よりもずっと長くて目立つが、本種の雄しべはそれよりも短い。
花径は1~2センチで、上溝桜(ウワミズザクラ)よりも大きい。
花の真ん中は緑色をしている。
写真は5月に北大植物園で撮った。
学名:Padus avium


★小鳥たち群がるように来るという
 花は甘いか上溝桜



蝦夷の上溝桜(エゾノウワミズザクラ)2


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箱根白銀草(ハコネシロガネソウ)


箱根白銀草(ハコネシロガネソウ)はキンポウゲ科シロガネソウ属の多年草である。
本州の神奈川県から静岡県にかけて分布し、山地の林の中に生える。
環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は10~20センチくらいである。
茎や葉には毛は生えていない。
葉は5出複葉で、向かい合って生える(対生)。
小葉の形は菱状の卵形である。
頂小葉には浅い切れ込みがあり、切れ込みには丸みがある。
開花時期は4~5月である。
茎先に花径1センチくらいの白い花を普通は1輪ずつつける。
5枚の花びらのように見えるのは萼片である。
5枚の黄色い小さな花弁は蜜腺状となっている。
雄しべは10本くらいある。
白銀草(シロガネソウ)とよく似ているが、本種は萼片の形が倒卵形で丸みを帯びている。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Isopyrum hakonence


★少しだけ姿を変えて限られた
 土地にだけ咲く花は可憐で



箱根白銀草(ハコネシロガネソウ)2


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山芍薬(ヤマシャクヤク)


山芍薬(ヤマシャクヤク)はキンポウゲ科ボタン属の多年草である。
日本原産である。
本州の関東地方から九州にかけて分布し、山地の林の中や森の縁に生える。
名の由来は、山に自生しており、中国から渡来した芍薬(シャクヤク)に葉の形や蕾が似ているところからきている。
草丈は40~50センチくらいである。
葉は3~4枚あり、茎に互い違いにつく。
3~7枚の小葉で一つの葉が構成される。
小葉の形は楕円形ないし倒卵形で光沢があり、裏面は白っぽい。
開花時期は4~6月である。
茎の先に花径4~5センチの白い美しい花を上向きに1個つける。
花びらは5~7枚で、中心にたくさんの雄しべと2~4本の雌しべがある。
雌しべの赤い部分(柱頭)はやや曲がっている。
花びらは雄しべや雌しべを抱えるように咲く。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
秋に実が熟すると莢が裂けて、中から黒い種子と結実しない真っ赤な種子とが現れる。
そのコントラストは驚くほど美しい。
熟した種子の色は黒く、紅色の種子は不稔である。
根は生薬で山芍薬(やましゃくやく)といい、鎮痛薬とされる。
植林による影響と盗掘によって絶滅の危機にある。
環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
写真は4月に南足柄市の丸太の森で撮った。
実の写真は8月に筑波実験植物園で撮った。
学名:Paeonia japonica


★見つけてねたった三日の命なの
 温もりの目で見つめられたい
☆世の中の穢れも遠く見つめては
 山芍薬は凛と咲きなん



山芍薬(ヤマシャクヤク)2

山芍薬(ヤマシャクヤク)3


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上溝桜(ウワミズザクラ)2


上溝桜(ウワミズザクラ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
北海道の南西部から九州にかけて分布し、山野に生える。
昔から暮らしとのかかわりの深い樹木である。
材の表面に溝を掘って亀甲占いを行ったことから「上溝桜」と名づけられ、読みはそれが転訛したものである。
古名を波波迦(ハハカ)というが、これも吉凶占いに由来する呼び名である。
樹高は5~10メートルくらいである。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尾状に尖り、縁には棘状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4~6月である。
枝先にブラシのような円柱状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
花弁は5枚である。
雄しべは30本くらいあり、花弁よりもずっと長くて目立つ。
花の真ん中は緑色をしている。
英名はジャパニーズバードチェリー(Japanese bird cherry)である。
その名の通り、小鳥や虫が好んで集まる。
房のようになってつく実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、黒く熟して食べられる。
材は彫刻材などに用いられる。
樹皮は樺細工の材料とされる。
写真は5月に北大植物園で撮った。
学名:Prunus grayana


★桜とは思えぬような姿だが
 よくよく見ればやっぱり桜


上溝桜(ウワミズザクラ)


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浜旗竿(ハマハタザオ)2


浜旗竿(ハマハタザオ)はアブラナ科ヤマハタザオ属の越年草である。
北海道から九州にかけて分布し、海岸の砂浜に生える。
草丈は20~40センチくらいである。
茎は細くて直立をする。
茎につく葉は幅の広い披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は厚く、葉の両面に毛が生える。
葉のつけ根は茎を抱く。
根際から生える葉はへら形で、ロゼット状にたくさん生える。
葉の上部の縁には浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花をつける。
花びらは4枚で、十字状となる。
花びらの先はへこむ。
萼片は4枚である。
花の後にできる実は細長い棒状で直立する。
長角果と呼んでいる。
写真は4月に京都府立植物園で撮った(植栽)。
学名:Arabis stelleri var. japonica


★砂浜にひょろりと立って潮風に
 ゆらりゆらゆら浜旗竿は



浜旗竿(ハマハタザオ)


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