心が晴れる「はれ、ことば」-tunagari


          誰かを
          守っている
          わたしも
          誰かに
          守られていて



   守っている手は 守られている手
   守られている手は 誰かを守れる手


   救っている手は 救われている手
   救われている手は 誰かを救える手


   手と手が 手と手が つながって
   わたしたちは 生きている



   Photo:   Naomi Okunaka


心が晴れる「はれ、ことば」-いつか


           ふくよかな
           夢をみる
           目を閉じれば
           花穂の先
           空の 青



    沈黙したまま
    もくもくと 冬を越す


    あかるい空を想い 
    ゆうゆうと 冬を越す


    大切なのは 信じ続けること
    暗闇の中で 光を思い描く力


    不確かなものを 抱えながら
    人はみな 生きているのだから



心が晴れる「はれ、ことば」-送別の歌


                とおくへ
                もっと遠くへ

                小さな森で
                さまようのは
                もう、やめにして



     森を抜ければ わかること
     森の中では 決して知りえないことがある


     果てしなく広く思えた あの森が
     ほんとうは それほど大きな森ではなかったこと


     どこまでも暗く思えた あの森が
     空の向こう あかるい場所につながっていたこと


     さまよっていた時間が
     いつか ──無駄なものではなくなるということ



     画:   Naoko Okada

心が晴れる「はれ、ことば」



   みずうみのほとりで
   かみさまと 待ち合わせをしました
   美しい青を 美しく映す
   瞳をもってかえります と
   たったひとつの 約束を交わして



     あの約束を 忘れてはいけない

心が晴れる「はれ、ことば」


          可憐な人 で
          ありましょう
          泣きたくなる
          そんな
          日さえも


可憐とは 「人」や「もの」を慈しみ愛する心
真っ白な まっすぐな 自分であろうとすること


苦しいとき 哀しいとき 辛いとき

人はつい 謙虚さや優しさを忘れてしまうけれど

そんなときこそ 人としての真価が問われる


それは 取り繕えない心の美しさのようなもの


どんなときも 可憐に、凛として
どんなときも 優しい気持ちで
どんなときも 心配りを忘れず


そんな人になれたら 素敵だと思う



Phote:   Naomi Okunaka