とおくへ
もっと遠くへ
小さな森で
さまようのは
もう、やめにして
森を抜ければ わかること
森の中では 決して知りえないことがある
果てしなく広く思えた あの森が
ほんとうは それほど大きな森ではなかったこと
どこまでも暗く思えた あの森が
空の向こう あかるい場所につながっていたこと
さまよっていた時間が
いつか ──無駄なものではなくなるということ
画: Naoko Okada