オールドデリー駅について私達の乗る汽車が何番ホームから出るのかを聞く。駅は大きく、ニューデリー駅よりも新しくきれいだ。大きな荷物を持ったインド人の家族連れ、巡礼するヒンズー教徒の団体、その他もろもろの人々がホームにあふれている。いつも思うが、インド人の荷物の量は並大抵ではない。どうしてそんなに荷物を持って移動したいのか私から見ると謎だ。中には何時間も汽車を待っている人もいると見えて、ホームで寝そべっている者もいる。ピクニックのように弁当を広げて食べている家族もいる。見ると、使い捨てではないステンレスの容器にチャパティやカレーを入れたのを家から持参していて、飲料水まで大きなジャーのようなのに入れて来ている。それだけでも小型の炊飯器くらいはある。まあ日本のように駅弁は売っていなく、売り歩いているサンドイッチくらいしか食べ物は無いので食料を持参するのだろう。そして海外旅行に持って行くようなスーツケース又はそれと同じくらい大きいかばんを持っている。こんなにかさばる物ばかりなので自分達だけで運べない場合、ポーターを利用している。
定刻どおりに列車が到着、それに乗り込み、自分達の寝台を探す。ところが番号(何号車の何番寝台か)がわかりにくく、最初間違えて座っていると、ここはあなたのシートではない、と言うので切符を良く見ると、4号車になっている。そこは1号車だったのですでに発車間近の列車の中を通って移動。やっと正しいシートを見つけるとすでに二人の男が座っているではないか?これは何かの間違いだと感じ、私はその二人にチケットを見せてみろと言った。すると二人は顔を見合わせてやばい、と言う表情をしたのでその図々しい輩どもをシートから追い払い、やっと席に付く事が出来た。ちょっと疲れた。
席についてまもなく汽車は発車し、娘は初めて寝台車にそれもインドで乗ったので興奮して大はしゃぎした。それを見たら私もなんだか気分が高揚してきた。昼間の列車なら6時間で着くのだがこれは10時間近くかかる。娘はしばらく外の景色を見ては私に質問していたが、やがて眠ってしまった。ほんとうにどこでも寝れる体質でうらやましい。私はそうではなく、夜行のバスや汽車では寝られたためしが無い。エアコン無しの車両だったので蚊が多いのには閉口した。おまけに窓に沿った寝台だったため、二つの窓が両方とも壊れていて閉まらず。手で閉めるのだがいつのまにか又全開になっている。開いては閉めるの繰り返しで、寝るどころではない。娘はそんな私の格闘をよそに寝返りを打っては私のおなかや顔に手足をぶつけてくるのである。寝台がとても狭いので大変だ。たまらず私はしばらく座っていたりした。
それでも明け方少しは眠っていたらしく、気がついたら夜は開け、あらかたの乗客は降りてしまって列車はがらがらになっていた。睡眠不足で少し頭痛がしていたがなんとか夜を越せてほっとした。窓が全開のまま寝ていたので顔から頭からすっかり砂埃でざらざらになっていた。以前一等のエアコン付きに乗った際は快適だったので今回その違いを実感する。一方、娘は熟睡できたのかすっきりした表情をしていた。
早く姪の家に着いてシャワーを浴びたいと思った。
