昨日今日で取引所から届いた一通のメールを見て「えっ、何これ?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。
それは「CARF(暗号資産等報告枠組み)」に関するお知らせかもしれません。
内容は今までの個人情報に加えて以下の情報の提出が求められています。
・税務上の居住地国
・納税者番号(提出可能な場合のみ)
・納税者番号を提出できない理由(提出できない場合のみ)
・税務上の居住地国と住所等所在地国が異なる場合の理由
・その他、法令に基づき当社が確認・報告するために必要な事項
「取引所からなにやら難しそうなメールが来た…」と不安な方へ
「CARF(暗号資産等報告枠組み)」ってなんだろう?「また面倒な手続きが増えたな」くらいに思われるかもしれませんが、これはこれまでの暗号資産の常識を根底から覆す、非常に大きな変化です。
脅すわけではありませんがCARFが施行されることで「あなたの海外取引所や個人のウォレットでの動きが、税務当局に筒抜けになる時代」が本格的に始まったということです。
1. 「誰が、どこに、いくら送ったか」が自動で共有される
CARFの導入により、取引所には以下の情報を税務当局へ報告することが義務付けられました。
これらのデータは、日本だけでなく世界50カ国以上の国々で「自動的に」共有されます。 「海外取引所を使っているからバレない」「自分のウォレットに移せばわからない」という考えは、もう通用しません。
2. 「過去の自分」から芋づる式に調査が入るリスク
「自分は怪しいことはしていないから大丈夫」 そう思っている方にこそ知っていただきたいのが、ブロックチェーンの透明性ゆえの「連帯責任」のリスクです。
万が一、過去のICOや個人間取引(相対取引)の相手がブラックリストに載っていた場合、あなたの口座がいきなり凍結されたり、差し押さえられたりする可能性がゼロではないということです。
YOUTUBEやSNSで「これから儲かるコイン」などのLINEに登録している方、個人的な投資塾のようなものに参加されている方で相対取引や暗号資産と現金のやりとりを勧められて応じてしまったことがある方は注意が必要です。今後もそういったものにはかかわらないようにご注意ください。実際にフォロワー数も多い仮想通貨系YouTuberが詐欺で逮捕もされています。
3. 「データがない」だけで、利益の95%に課税される!?
これが最も恐ろしい点です。過去の取引データが整理できていないと、税務調査が入った際に「最悪のシナリオ」が適用されます。
さらに税務署はわざと数年泳がせて延滞税も持っていこうという考えももっていることです。申告するかな?と様子見をしている可能性もありえます。忘れた頃にやってくるのが税務調査。海外移住後に税務調査が実家にやって来るケースもあるので逃げ切れないものと思ってください。
4. ハードウェアウォレットを使っている人が注意すべきこと
「これから日本円に戻したい」と考えている方は、以下の2点に注意してください。
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いきなり全額送らない: 数千万円単位の送金は、取引所の審査で数週間〜数ヶ月ロックされることがあります。その間に暴落しても売るに売れない…という機会損失を防ぐため、まずは少額で「様子見」をすることをお勧めします。
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計算ツールを賢く使う: エクセルでの管理は限界があります。クリプタクトやG-taxといった専用ツールを使うのが無難ですが、ICOやDEX、エアドロップが絡むと、どうしても「残高が合わない」「エラーが出る」といった壁にぶつかります。
取引所にいきなり大金をおくるのはリスクがあります。大金を換金したい場合は取引所も分散したほうが無難です。
過去のやりとりを手書きのメモのみにしている方も多いですが、平均取得単価がわからなければ、利益計算も正確にできません。
「過去のデータ」という宿題を、今のうちに終わらせませんか?
「今はそんなに利益が出ていないから」「見たくない現実だから」と、過去のデータを放置していませんか? ですが、数年前のデータは時間が経てば経つほど、取引所の閉鎖やAPIの期限切れで取得が不可能になります。
いざ日本円に換えたい、あるいは税務調査が来たという時に「データがありません」では済まされないのが、今の暗号資産の世界です。
「自分一人では計算が合わなくて、もうお手上げ…」 「ウォレットの履歴が複雑すぎて、何から手をつけていいか分からない」
そんな方のために、弊社では「暗号資産のデータ整理サポート」を行っています。ウォレットのCSVファイルや取引所のCSVファイルのダウンロードの仕方がわからない、クリプタクトなどのツールを使ったことがない。わからない方向けのサポートになります。
※弊社は税理士ではないため、具体的な税務アドバイス(節税相談など)は行えませんが、計算の「土台」となる正確なデータ作りをサポートします。不明な取引が多い場合はデータとして処理できない場合があります。
今のうちにデータを整理して自分の資産の詳細を把握しておきましょう。
[ ➡ 暗号資産データ整理サポートの詳細・お問い合わせはこちら ]
最後に
個人的なつぶやきですが、今は昔に比べて、私たちの声を政府に届けやすい時代になりました。特にX(旧Twitter)などで大きな議論が起きれば、それが法改正のきっかけになることさえあります。
正直に申し上げて、今の暗号資産の税制は、一部の銘柄で分離課税が進みつつあるとはいえ、まだまだ計算が複雑すぎて「理不尽」だと感じる部分も多いです。暗号資産の相続税に関してはまだ改正が進むようすがみられません。
だからこそ、まずは私たち自身が税制に関心を持ち、正しい知識を身につけることが大切です。情報を人任せにせず、自分の目で確かめること。そして、政治にも関心を持つこと。
Xで賛成できる投稿をリポストするなり、意見を投稿するなり、金融庁の意見書に匿名でメッセージを送るもひとつの行動かと思います。国民の声をちゃんと聞いてくれる政治家を選ぶのも私たちの小さな権利であり、生活を豊かにする手段です。
暗号資産の税制がもっとよりよく、わかりやすく、変わっていくことを願います。