ドイツ・パン礼賛
まず、誤解のないように説明を付け加えておこう。
ドイツの悪口ばかりを書いているのでは決してなく、ドイツとドイツ人が嫌いな訳でも勿論ない。むしろ短い期間とは云えここに住んで生活をしていたのだから、むしろいとおしい思うことがあるくらいだ。ただ、日本ではドイツの理解がちょっといい方に過大評価されていると思うので、ちょっと違うんじゃないかなぁということを言っているのだ。最近では、ドイツのエコに対する取り組みにひどい誤解がある。日本でもゴミを30種類以上に分別している地方自治体があるらしいけれど、これは極少数で日本の全体ではない。ドイツ全体のエコへの取り組みは日本と比較してそんなに違うのかと云うと、そんなことはない。日本の方がずっと神経質になっていると思うが「ドイツでは、」、「ドイツでのエコの取り組みは」とちょっとやかましい。
まっ、いい。
今朝、パンを食べて思い出したことがあるのでそれを。
小田実が「何でも見てやろう」の留学とその後の1日1ドルの旅行を終えて帰国したとき、寿司などの純日本食を食べてもなんだか物足りなく思っていたが、大衆食堂の「当店自慢の特製ハンバーグ」のようなものがひどく美味く感じて、「これだと思った」とどこかで書いていたと思う。
海外でちょっと生活をしたことがある人に、故郷を離れている時に一番食べたくなったものは何かと聞いた。ドイツ人は北の人の鰊の酢漬けでもなく、南の人のブダのスネを煮込んだアイス・ヴァインでもなく、一様に「ドイツのパン」という答えだった。ケニア人はと言うと「Nyama Choma na Ugali」と云う答えが、特に男性では圧倒的に多い。Nyama Chomaはヤギ肉の焼き肉で、Ugaliは白とうもろこしの粉を熱湯で練ったもの。ビルマ人は「モヒンガー!」と云った。モヒンガーは米粉麺(細めのフォー)に漁醤を利かせた汁の湯麺。みなさんそれぞれに故国に帰ったときに食べて「これだ! これこれ。」と思う故郷の食があるようだ。
ドイツのパンは美味い。種類も多いがどれを食べても美味しい。ただ、歯の弱い人にはシンドイかも知れない。
歯医者に通っていた時にインプラントを考え、その方面のものをちょっと読んでみたら、日本の歯科医療技術はドイツより20年は遅れているという記述に出くわした。「へぇー、そうなんだ」と思っていたが、ドイツのパンを食べれば歯科医療が進歩しなければならない理由が分かる。美味いけれど歯が丈夫じゃなければ食べられないし、生きて行けないのだ。歯科医療技術の進歩はここの食文化には絶対不可欠と結論付けたが、偏見か?
なぜ日本の新幹線がドイツのICEに負けるのか?
オランダもドイツ北部ももうすっかり紅葉が進み、東京の11月中旬の様相だ。
昨晩、デュッセルドルフに到着してDB(Deutsche Bahnドイツ鉄道)で、1時間ちょっとかかってケルンから3っつ目か4っつ目の田舎駅に着いた。途中まではドイツ高速鉄道ICE(Inter City Express)で来て、途中で地方線に乗り換えて来る道すがら、DBをまじまじと観察してみた。
DBは券売機はあるが改札口はないから車内で車掌が結構頻繁に検札に来る。もし切符を持ってないととんでもない罰金が科せられると聞いたことがある。欧州ではかなり正確なダイヤを維持しているというが、日本のJRの足元にも及ばない。電車が汚い。特にローカル線はひどい。質実剛健・まじめで質素できれい好きってか?住宅地の窓辺のデコレーションはきれいだけれど公共の場はそんなに褒められたものではない。駅舎もホームも暗くて案内表示なども少なく、外国人にはわかりにくい。
そして決定的なのは、以前どこかで読んだが間違いなく世界一の日本の鉄道技術だろう。ソフト、ハード両面でだ。新幹線はまさに他の追随を許さないのに、なぜ韓国で、中国で、米国で、南米で新幹線がフランスやドイツの高速鉄道相手に落札できなかったのか、また、苦戦しているのか。
たぶん答えは、技術で勝って政治力で負けていると誰かが指摘している通りだ。政治力とマーケッティング能力で負けている。
オバマ大統領にノーベル平和賞というニュースを途中のアムステルダム空港で知った。
日本からの機内で読んだ新聞に生理学賞と化学賞の解説があったが難しくてチンプンカンプだった。こういう賞で受賞が正当かということはあまり問題にならないようだか、平和賞というのはとにかく胡散臭い。
ケニアのモッタイナイおばさんワンガリが受賞するくらいの賞だから誰が受賞しても不思議ではないが、これも背後で政治力とマーケッティング力がものを言っているのだろう。
北海地方の天気は変わりやすい。今朝は氷雨が降っている。
ドイツは遠い!
日本にも「四日市」とか「十日町」という地名があり、信長・秀吉の昔には楽市楽座の制度が確立していて「市」は交易の重要な地位を占めるようになったと歴史の教科書などには書いてあった思う。
欧州では中世から都市国家が成立するにあたり、都市の中心に教会の尖塔と行政府があり、そににマーケット広場が必ずあった。ドイツではMarktplazと言われるところで、これが商形態の中心となっており、日本の市の位置づけよりもずっと重要な意味合いがあったと思われる。
日本で晴海の見本市会場であったものが幕張メッセと東京ビックサイトとなって展開されたのがここ30年であることを考えると、日本人よりも欧州の人たちが見本市や展示会を商形態の主流と考えていたことが理解できるような気がする。
日本では「飛び込み営業」と言われるいろいろな勧誘や営業の形態は、ドイツなどではまずあり得ない。普段はネクタイなどせずラフなカジュアルで仕事をしている人が、いろいろな訪問者を受け入れる日を、たとえば毎週火曜日と決め、その日はネクタイ・スーツ姿で出社ということはよく見かけるが、基本的に自分の仕事場に人を呼び込まないという傾向がある。外来者は自分の領域に簡単には招き入れないということかも知れない。
ところが、いったん見本市などに出ていくと、その場は最大のビジネスチャンスの場となるので一転して積極果敢にいろいろな人と接触する。また、そこに来るであろう人同士が連絡を取り合いその会場で落ち合って「やぁ、やぁ!」となる。
2年に一度開催されるwww.anuga.com/ という世界最大級の食品展が明日からケルンで開催され、これを目当てに来たのだが、KLMが出鼻をくじいてくれたので、ドイツがとても遠く感じた。
午後アムステルダムに着いてデュッセルドルフ(DUS)行きの便に乗り継ぎ、DUSには夕刻に到着。そこから電車でケルンから3っつ4っつ離れた駅のところにある小さな町のホテルに落ち着いた。
この時期、ケルンでホテルをとることはまず不可能で、ケルンからかなり離れた田舎町の、日本で言ったらアパホテルか東横インが一泊朝食付きで200ユーロとなる。
需要と供給の関係だからしょうがないけれど、ムッとする。