ナイロビで思うこと (続続)
日本の暴力団が常套的に使う営業手法に「パクリ」というのがあるのをご存じだろうか?
金融機関がある会社に金を貸していて、その会社の経営が破たんしそうで債権が焦げ付きそうにな。。かりに100万円としよう。普通の手続きでは回収が難しいと判断した金融機関は、100万円の債権を金融ブローカーに50万円で売って、不良債権として全損になるよりはとりあえず50%は確保したとする。
そこからが暴力団の暴力団たるゆえんで、その債権を持って会社へ押しかけ返済を迫り、「社長、あんたの生命保険で払うっていう手もありますよ」などということをやってでも債権購入価格の50万円以上は回収する。こう云うのを「パクリ」というと理解している。
このパクリは会社や個人だけではなく、国際金融機関と国家の間でも起こり得る。
仮に、英国の民間金融機関がアフリカ南部のZ国へ英国政府が保証するからということで100億円の融資をしたとし、予想通り返済不能の状態に陥ったとする。英国政府は保証するとは言ったもののZ国の肩代わりをするつもりはない。
そこへアフリカ人の豪商X氏が資金回収のお手伝いをしましょうということで乗り出して来て、最終的にその債権を30億円で買い取ったとする。
そこでX氏はZ国の財務大臣Z氏と接触して資金回収の画策を始める。Z大臣の歓心を買い、歌手のなりたいというZ大臣の娘をロンドンへ連れて行って芸能プロに依頼して歌手デビューをさせ、CDを出してやり、Z大臣夫人には高級装飾品のプレゼントをしたりということもする。
同時に、あらゆる手を使って世界銀行がZ国へ融資をするような手筈を整える。そして、めでたく世銀がZ国へ200億の融資を決めたとすると、Z大臣は真っ先にX氏の手元にある債権に対して債務を履行する。
X氏は70億円の粗利を得、そこからZ大臣へ10%に当たる10億円をお礼として払い、スイスの銀行にZ大臣名義の口座を開設してあげて、そこへ10億円を振り込んで完了となる。
以上、手っ取り早く単純化した話だが、こういうことがアフリカで起きている可能性は高い。そして、ここで留意するべき点は、最初の英国からの100億円も世銀からの200億円もZ国とその国民が背負う負債であるということ。もうひとつは、X氏がZ娘のCDデビューや夫人に多額のプレゼントを経費として差し引いたとしても、それでも多額の金がX氏の手元に残った訳だが、このお金はどこへ流れて行くのかということ。
ナイロビで思うこと (続)
アフリカに関わる人たちの間でよく知られているジョークを。
アフリカのA国の大臣Aが、個人的にも親交のあるアフリカのB国のB大臣をA大臣の私邸に招待した。
A大臣の私邸を訪問したB大臣は、その豪華な作り、贅沢を尽くした調度に驚き、A大臣に言った ;
B大臣 : 「A大臣、立派なお宅ですねぇ。でもいったいどうやってこう云う邸宅に住めるのですか?」
A大臣 : 「それはそれは、御褒めいただき恐縮です。で、あの遠くに見えます橋がありますね。あっ、それとこちらの港ですが、コンテナヤードが見えますね?」と云って窓の外の遠く指差した。
B大臣 : 「えぇ、見えます。」
すると、遠くを指差していたその指を自分の上着のポケットの方へ差し変えて言った。
A大臣 : 「10% ! 」。
お分かりだろう。つまり、そう云う建設費の10%を着服したということだ。
で、ジョークはここから。
しばらくして、今度はA大臣がB国へB大臣を訪ねB大臣の私邸を訪問した。
A大臣自身も自分の家は立派だと思っていたが、B大臣の私邸に招かれてその超ド級の豪華さに腰を抜かさんばかりとなったが、なんとか落ち着いてことばを発した。
A大臣 : 「BBB,B大臣、あなたこそ、とんでもなく立派なお宅じゃないでか。で、いったいどうやって?」
B大臣 : 「あぁ、あの空港、見えますか?」
A大臣 : 「えっ? どこですか?」。B大臣が指を差す窓の外にはになも見えない。
B大臣 : 「じゃぁ、あちらのハイウェイは?」。
A大臣 : 「? いえ、何もえませんが、、、」。 実際に指差すその先は草原でなにもない。すると、B大臣はその指を自分の上着のポケットの方に差し変えて一言。
B大臣 : 「100 % !」。
これは単なるジョークと思えない、アフリカでは十分あり得るということで、まさにブラック・ジョークだ。
それで考えていただきたいのは、A大臣、B大臣のお金はどこへどのようにして行くのか?
ナイロビで思うこと
ナイロビに着いて始めの二泊はJacaranda Hotel投宿したがその後Hurlinghamにある韓国人の知人が経営するゲストハウスへ移り、朝食では、韓国の一般家庭で普通に食べていると云う朝食というのをごちそうになっている。
ゲストハウスなので寝室にはテレビがなく、ほとんどが韓国人の宿泊客が韓国人なので、居間の大きなテレビはもっぱら韓国の衛星放送の番組となっている。
始めのJacaranda Hotelの部屋ではCNNを見ていたが、ほとんどずっとハイチ地震のニュースと中継で、震災から一週間が経過してもこう云う扱いで、日本での扱いとは全く違っていた。
地震発生からそんなに時間が経過していいなかった時点で、大西洋の反対側のセネガル政府が、ハイチの被災者を受け入れ土地を提供するというようニュースがあり、そのニュースそのものはいいことなのだが、ふと別の事を連想した。
セネガルの南のシェラ・レオネという国があり、その更に南がリベリア共和国と云う国になる。
Wikipediaなどで大方の情報を得られるが、海難事故などでよく見聞きする「パナマ船籍・リベリア船籍」というそのリベリアのことで、この国はかつて北米で奴隷になっていたアフリカ人がアフリカにもどって建国し、エチオピアに次いでアフリカで二番目に古い独立国ということになっている。
北米から移住してきたアフリカ人はそれなりに教育も受けていたし、体格ももともとリベリアの土地に居た人たちよりも大きく、この北米帰りの人たちが主導権を握り先住民を支配したということだ。元々はおなじアフリカ人でも、一方が他方に対して優位に出る。「ワレワレはキミ達とは違うんだ」という意識を持ち、それが内戦へと発展し国が滅んでいく。
人間の性というものだろうが、もしハイチの被災者がセネガルへ行ったらどういう扱いを受けるのだろうか。
アメリカ合衆国と云う国は昔から嫌いだけれど、仕事の関係で何度か訪問し、入国の度に不快な思いをさせられる。出入国管理局の職員はヒスパニック系・アフリカ系・アジア系が多く、元々は彼らまたは彼らの先祖が移り来た訳だろうが、たとえば、ヒスパニック系の職員が、これから米国に入国しようとしているヒスパニック系の人への対応が横柄でぞんざいでモロに「ワレワレはキミ達とは違う」と云う態度をとっているように見えてしまうが、こちらの思い込みだろうか? でも、いつも同じ印象を受け、そして芥川龍之介の「くもの糸」の地獄からはい出そうとして最後に彼に続こうとした人たちに「来るなっ!」と叫んでしまう主人公を連想していまう。
あの出入国管理局の職員の横柄な態度を見ていると、アメリカと云う国はこう云う人が3億人集まっている国かと誤解する。
人が他人に対して「ワレワレはキミ達とは違う」と思うのは人間の性なのだろうが、人間はそれをコントロールする理性というものも持ち合わせている筈で、その理性というものを養うのが教育と云うものなのだろう。