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第二章 【夜の街】 その1


就職情報HAPPYWORK-安西と武藤


夜の路地。横たわる男の前には二人の人影。


その内の一人が倒れた男の懐をまさぐる。


「誰がシャブ持ち込んでいいっつった?あ?」


数袋の白い粉を見つけるその男、安西義弘。


倒れた男が安西の腕を掴む。



「勘弁してくれよ」


振り払い、その血だらけの男の腹を蹴る安西。


「俺がこの街の法律だ。こいつは没収するから諦めな」


「俺のモンじゃねんだ、殺されちまうよ」


「弱っちぃのに危ねぇ橋渡ってるお前が悪りい。 文句あんだったら取り返してみろよ」


もう一人の男、武藤宰が口をひらく


「お前どこのブツ捌いてんだ」


「……」


端正な顔立ちに似合わず気の荒い安西。


「相方が聞いてんだろ、お前はドコのパシリなんだよ」


言い終わるか終らないかの間に売人の腹に蹴りを入れる。


「コク……ユ……」


「あん? 聞こえねぇよ」


「……剋友会……」


武藤の顔が青ざめる。売人の胸倉を掴む安西。


「てめぇフカしてんじゃねぇぞ」


「嘘じゃねぇよ! アンタらだって知ってんだろ。 フカシに使ってただですむ相手じゃねぇって」


武藤が目配せで安西をよび……小声で囁く。


「ヤベんじゃねぇか安西?」


「なんで神戸の剋友会がこんなトコで小商いしてんだよ。 アイツのフカシに決まってるよ」


「じゃなかったらどうすんだ」


「……関係ねぇよ……」


「剋友会には堀渕がいる。 相当の武闘派でキレもんって話だ。 アイツの話、マジだったら絶対ただじゃ済まねぇぞ」


「もしかしてビビってんのかよ」


売人に歩み寄り馬乗りになる安西。


「俺も結構武闘派だ」 売人のこめかみを両手で掴み耳打ちをする。
「堀渕なんか目じゃねぇよ」


売人の後頭部を地面に叩き付ける。

路地裏に鈍い音が響き渡る。



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