(2年と1年)後
おそらく下らないものを単純化し、概念化し、そして崇拝する事は容易だろう。しかし、やがてそれは終わりを迎える。そして今度は喪失を美化するのだろう。
僕は海が嫌いである。
だって確実に溺れるから。
だって沈みながら大切な何かを失っていくから。
破戒
『今日は、非常に大事な話しをする為に貴方に会いに来ました。
まず。こんにちは。元気やった?え。そう。ほうやったんやあ。ほりゃ、大変やったねえ。うんうん。
って、今日、私はほんな話をしに来たんやないんですわ。
昨日、一人でベンチに座って煙草をのんでいたら、一人でフリスビーをやっている奴がいたんですわ。男はそいつを投げては、あいつを拾いに行き、またあいつを投げては、そいつを拾いに行き、そしてそいつを投げては、あいつを拾いに行くと、その繰り返しをやっていたんですわ。私はそれで一体なにがひっかかるのかなぁ、と思い、それともただ自暴自棄で人生面白くない、なんて考えているのかなぁ、と思って煙草を続けて2,3本のんでいたわけですわ。そしたら、知らないうちにその男はいなくなり、気付くと私は空気の抜けた風船みたいに、ぼけぇ、としていたわけですわ。私は、ぼけぇ、としている自分に対して、あかん。あかん。と思ったわけです。そしたらあんまりあかんで、私のおつむが痛くなってしまったわけです。』